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[報告]歌声市場
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[灘中央市場]市場でグルメ!お座敷イベント
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最新の灘イベント情報
予定なし

2010年2月27日(土曜日)

本日解禁

カテゴリー: - naddist @ 17時30分07秒

ケーブルテレビJ:COMチャンネルの「ロケしましょ!」ご覧頂いていますでしょうか?
水道筋界隈の市場商店街の案内役を不肖私が努めさせていただいております。
そんなこんなで子どもたちにも「あのオッサンTV出とったで」と後ろ指をさされたり
「いやあいつも見てますよ」なんて知らない方から声をかけられたりで、微妙にこっぱ
ずかしい日々を過ごしております。ハイ。
現在畑原市場がオンエア中ですのでご笑覧ください。

さて、本日は3月13日開催の「飛び出す水道筋を作ろう!」のネタ探しで市場を
ウロウロとしていたら花粉…ではなく春の甘い香りが鼻腔をくすぐってくれました。
そうか、今日からイカナゴ解禁か。
灘中央市場の鮮魚店裏(通称裏ととやストリート)では一斉に釘煮が炊かれ始めました。
去年はキロ3000円なんて値がついてましたが、今年はお手頃になりそうとのこと。
釘煮に精出す奥樣方には申し訳ありませんが、どっちかっていうと釜揚げが好きなもんで
今年は1kgまるまるボイルする「大人ボイル」にチャレンジしてみようかと思ってます。
春の味はどうぞ市場でお求めください。


2009年7月15日(水曜日)

[報告]歌声市場

カテゴリー: - naddist @ 19時00分15秒

去る7/12日に、市場の店とナダタマのちょっとしたコラボレーションが実現しました。

ナダタマ企画の「水道筋ラジオストリート」と畑原市場のチンタ本店企画の恒例のライブ「チンタライブ」を同時開催するというもの。

今年のナダタマのニュー企画「水道筋ラジオストリート」は、ラジオのディスクジョッキー
スタイルで「オトを話そう」がコンセプトの音楽トークサロン。
5月から毎月1回、沖縄おでん「通い船」を間借りして「ビートルズナイト」と題して
ビートルズを「一晩一盤」のポリシーで毎回1枚のアルバムをじっくりと紹介するスタイル。
1stアルバム『Please Please Me』、『With the Beatles』とお送りしてきた
ところで、ちょうど7月の「チンタライブ」がビートルスをやるって話を聞き、じゃあ
一緒にやりましょうかってことに相成りまして、この日の「ビートルズナイトスペシャル!」
になったわけです。

当日は19:00からDJスタイルの「ビートルズナイト」、そして21:00からチンタのハウスバンド
ハートブレイクチンタバンドの「ビートルズナンバーライブ」という構成。
「今日はオールスタンディングですから」と店長。
え?そんな来ないでしょビートルズ…とタカをくくっていたら大間違いでした。

1部のDJタイムのテーマはアルバム『A Hard Day’s Nigh』
DJのフランクアップルロイド氏とMJ氏の軽妙なラジオトーク。

「おいおい、今日暑いなあ」

そう、続々集まる人人人。
いつのまにか店内は超満員で室温も急上昇。
おそらくあの日灘区で一番暑い場所だったかと。
そしてどんどん薄くなる空気。
マジで死人がでるかと思いましたよ。

DJタイムが終わってライブレポート!といきたいところなんですけど、
実は…
ワタシ、アルコールと高温と酸欠状態にハイテンションが加わって、
ほとんど記憶がありません、ハイ。

以下ライブ曲目リスト
 obladi oblada
 Drive My Car
 Strawberry Fields Forever
 Day Tripper
 〜テキーラタイム〜
 Hello,Goodbye
 Let It Be
 Don’t Let Me Down
 All You Need Is Love
 I Want To Hold Your Hand
 Hey Jude

おぼろげに覚えているのが、みんな歌いまくっていたということ。
最初、ビートルズなんてしらけるんじゃねえか?と思っていたのですが、
老いも(失礼)若きも歌うこと歌うこと!
歌声喫茶ならぬ歌声市場状態。
さすがビートルズ、みんな歌えちゃうんです。
その声は数十メートル離れた場所からも聞こえたという報告も。
おそらく畑原市場80余年の歴史の中で初めてであろう、Hey Judeの大合唱で
市場の夜は更けていったのでした。


(写真提供:ちゅーやんさん、みかんさん)







[水道筋ラジオストリート7,8月の予定]

「渋谷系ナイトVol.1」
1980年代後半から90年代にかけて音楽だけでなくファッションやデザインまで
影響が及んだムーヴメント「渋谷系」。そのキャッチーでグルービーなサウンドを
水道筋スペイン坂サテライトスタジオ(笑)からお届け。
日時:7月19日(日)19:00〜
場所:通い船(灘区篠原南町7丁目1の18・水道筋旧西灘劇場から北へ5分)
参加費:500円
詳細はこちら

渋谷系ナイトvol.1

「ビートルズナイトVol.4」
一晩一盤のビートルズナイトvol.4は「No Reply」から「みんないい娘」まで
4thアルバム『Beatles For Sale』完全網羅。
日時:8月9日(日)19:00〜
場所:通い船(灘区篠原南町7丁目1の18・水道筋旧西灘劇場から北へ5分)
参加費:500円
詳細はこちら
ビートルズナイトvol.4

いずれも参加申込が必要です。
問合せ、参加申込は info@nadatama.com 「水道筋ラジオストリート係」まで


2009年6月26日(金曜日)

[灘中央市場]市場でグルメ!お座敷イベント

カテゴリー: - naddist @ 19時37分12秒

灘中央市場事務所

6月28日に水道筋の奥座敷、灘中央市場の大広間でちょっとオモロいイベントがあります。
ナダタマ読者なら毎年秋の水道筋ミュージックストリートでは「沖縄おでん通い船アネックス」
として大バコライブ会場になる大広間をご存じかと思います。
入り口にある戦車とハトの乗り物、通称「戦争と平和」が目印の灘中央市場事務所。
この3階にある普段一般の人が入れない「天空の大広間」を解放して
市場で遊ぼうというイベントです。
つまりですね。市場自体をでっかいバイキングに見立てて買い物をした後、
市場の3階にある大広間でまったりお食事を楽しんでいただこうという、1Fで買った物を2Fで食べる
沖縄の那覇公設市場ならぬ「ナダ公設市場」ライクなイベント。
お刺身、コロッケ、お寿司に総菜、焼鳥、天ぷら、和菓子まで。
わてほんまによお言わんわ、わてほんまによお言わんわ。

そして3時からは…
昨年の水道筋ミュージックストリートのとき、ここで演ったカサスリム氏と小竹親氏の
ユニット「夜な夜な」のご両人、いたくお気に入りだったようで、
「うわぁ、ここエエわ〜、お座敷ライブとかやりたいわ〜」
なんて言ってたのが実現することに。
名付けて「お座敷ブルースライブ」(入場無料)
昭和な市場の昭和なステージで笑いと感動のお座敷ライブ。
食べて飲んで歌って笑って。
市場な一日をお楽しみください。

灘中央市場・天空の大広間

「ナダチュウで遊ぼう 市場でグルメ!買い食い天国」
市場でランチ?市場の食べ物を買って持ち込んで飲食していただけます。
会場ではおにぎりと飲み物を販売しています。
来場者には「市場ウォーカー」進呈
もちろんナダタマ後援イベントです。
日時:6/28(日)12:00〜17:00
場所:灘中央市場(水道筋)
主催:灘恵比寿会

15:00〜
「お座敷ブルースライブ@灘中央市場」
カサスリムと小竹親、関西で大人気の二人が贈るブルースユニット
「夜な夜な」の笑いと感動のお座敷ライブ
(入場無料)

※入場者が多い場合は時間制・入場制限させていただく場合があります。


2009年5月17日(日曜日)

リュックサック「風」マーケット

カテゴリー: - naddist @ 19時00分59秒

毎週第三土曜日の摩耶山リュックサックマーケットも4年目ですが、今回の中止は全くの想定外。
風でロープウェーが止まって中止はあり得るのですが、まさか「風邪」で中止になるとは。
5月16日のお山の市場はインフルエンザで中止と相成ったワケです、ハイ。

とはいえ、摩耶山まで来ちゃっている人も結構いるわけで、
雨もなんとかもちそうなので、20組くらいの皆さんで「リュックサック風マーケット」
をまったりと自主開催することにしました。
勝手に上がってきた人が勝手にやるイベント。
いい感じです。
だだっ広い掬星台にまばらな出店者。
ああ、なんか懐かしい。
最初の頃ってこんな感じだったよなあ。
おかげさまで今年になってさらににぎわうリュックですが、その分なんかこう
まったり感がなくなったというか、ザワザワしているというか…。
そう、なんかフリマぽいのですよ。
リュックサックマーケットはフリマではなく、あくまでもフリマの皮を被った
ピクニックなのですから。
もちろん賑々しいリュックサックも活気があって楽しいのですが、おそらく
適正規模があるように思います。
60〜80組くらいの出店数が一番リュックサックマーケットらしいかななんて。

いつもよりまったりとした掬星台に新しい商品が並んでいました。
自転車パーツで作ったアクセサリーです。
もう、すっかりハートを打ち抜かれて買っちまいましたよ。
チェーンでできたブレスレット。
チェーンといってもその辺のママチャリのチェーンと違いまっせ。
シマノのデュラエースですよ、デュラエース!
もう軽くて軽くて…
このアクセの作者は畑原市場の「チンタ本店」マスターであります。
自転車好きが高じてのハンドメイド、畑原市場ブランドです。
摩耶山や六甲山は自転車乗りにも人気のスポット。
「自転車のパーツとかも摩耶山で売りたいですね」
摩耶リュックのハンドメイドのものは女性的なものが多いのですが、
こういうオトコの子っぽいものももっと増えればいいかもしれない、
うん。

そしてもう一つ懐かしい風景を見つけました。
テキーラ屋さんです。
ご覧ください。
敷物すら敷かない潔さ。
物乞いにしか見えないディスプレイ。
ユルさ全開の手書きPOP。
もう、なにかリュックサックマーケットの原点といった風情。
彼らが「テキーラとゆで卵」を携えて摩耶山に現れたのは3年前、
まだ、今のようにリュックサックマーケットが賑わっていなかった頃です。
やがて彼らは「七輪」という文明の利器を摩耶山に持ち込みます。
「おお、火だ!」
参加者から驚嘆の声があがったことは言うまでもありません。
この功績はやがて「マヤ文明」と呼ばれ賞賛されました。

「最近のリュックって、お洒落になったし、大掛かりな店が増えましたよね。
 でも僕たちはあの頃の気持ちを大事にしたいっス」
彼らは屈託なく笑います。
リュック一つで気軽に登って、まったり過ごす。
おいしい空気と、愉快な仲間に出会えれば、他に何もいらない。
山のフリマ、リュックサックマーケットの原点とも言える清々しさが
この店にはあります。


2009年4月7日(火曜日)

Yさんのこと

カテゴリー: - naddist @ 12時00分44秒

3月いっぱいでナダタマとも関わりの深い市場の店が閉店しました。
閉店ネタを書くのは気が進まないし、あまりにも個人的なことなのですが、
少しだけ。

私事ですが、ナダタマ開設以前の今から12年ほど前に「naddism」というフリー
ペーパーを発行していました。
「naddism」はA4版3つ折りで不定期発行、灘のトンネル、灘の川などをナナメな
視点でを紹介する、ナダタマのチラシ版というところでしょうか。
この「naddism」は印刷物だったので、スポンサーによって支えられていました。
いや、スポンサーなんて大袈裟なものではなくむしろ「カンパ」と言った方がいいかも
しれません。そのスポンサーの一つが畑原東市場の豆腐屋さんのYさんでした。

フリーペーパー「naddism」

彼は街のアニキ、いや師匠といった存在でした。
震災後、まだまだ深刻な問題が山積なのに、能天気な灘活動に精を出す筆者(naddist)に
「naddistちん、やりたいことやったらええねん、ガハハハハ」といいながら様々な場面で
背中を押してくれました。
そして
「なんかあったらオレに言うてこい」。
こういう人が街には必要なのです。
また、市場の人たちやいろんな灘人たちを紹介してくれたり。
「こいつがnaddistちんや、かわいがったって。ガハハハハ」
市場のこともいろいろと教えてくれたYさん。
「ウチの店の下には川が流れとるんや。貧乏川言うんや。ガハハハハ」
水道筋の居酒屋では、Yさんが作った豆腐を食べながら震災前の水道筋のことや市場のこと、
そしてこれからの灘区のことなどなど。時には喧嘩までしながらの濃密な時間。
そうそう、「Yさん、今年の忘年会は摩耶埠頭でやりましょうよ!」なんて、
寒風吹きすさぶ真冬の摩耶埠頭にこたつを持ち込み、鴨鍋を食べるというおバカな企画にも
「こんなとこで酒飲むなんて、お前はアホや!」とかいいつつ、つきあってくれたり。
やがてこのノリが「摩耶山ビアガーデン」や「摩耶山リュックサックマーケット」などに
つながっていくのです。
震災後、疲弊した灘の街でまちづくりに奔走するYさんは、まさに灘戦士。
夜遅くまでの会議、そして早朝からは本業の豆腐作り。
そしてとある年の春、ちょうど今頃。
都賀川の桜まつりの準備を終えたあと、Yさんは倒れました。

Yさんが倒れた後は奥さんが店を切り盛りし、やがておいしい総菜が評判になって
いきます。白和え、かぼちゃのたいたん、大根のたいたん、ひじき、オクラのごま和え…
さすがと思わせる白和えや卯の花など豆腐総菜は特に人気の逸品。
我が職場の市場ランチにもたびたび登場しました。
そろそろナダタマで紹介しないと、などと思っていた矢先の閉店でした。

「Yさんやったらなんて言うやろな」
今でもなにか新しいイベントをしたりするときいつも思うことです。
Yさんはまだ床に伏せたままですがそのうち店のシャッターが開いて、奥からあの
笑い声が聞こえてくるような気がします。いやきっと怒られるやろな。
「naddistちん、お前最近ナダタマ更新してへんやろ!ガハハハハ」
そんな日が来ることを楽しみにしています。


2009年3月22日(日曜日)

山の市開き

カテゴリー: - naddist @ 15時00分50秒

厳寒期はお休みしていた摩耶山リュックサックマーケットが3月21日から始まりました。
リュックに商品を入れて参加すれば誰でも店主、
「お洒落なヤミ市」あるいは「フリマの皮を被ったピクニック」
あるいは「日本三大絶景昼酒スポット」あるいは「山上出会い系」の異名をとる
のんびりユルユルールの摩耶山の市も4年目に入ります。
前日の大荒れの天気と打って変わっておだやかな陽気。
幸先よい市場開きになりました。
毎年冷える3月リュックですが、山上はもう十分春。
ハイカーに春の訪れを知らせる「摩耶紅梅」もすでに見頃です。

春の日差しに誘われて続々集まる店主たち。
「久しぶり!」
「今年もよろしく!」
なんていう挨拶がそこここで交わされています。
なんせ店主たちにとっては3ヶ月ぶりの出店なのですから。
3月は毎年5〜60店程度なのですが、今年はあれよあれよという間に100店舗超え。
初出店の方も多く、年を越しても摩耶山リュックサックウイルスは確実に伝播しているようです。

なんともいえない春ののんびり感にぴったりあっていたのが、2つのアート系ショップ。
似顔絵屋さんであります。
昨年に引き続きの出店はフロッグ西嶋画伯。
ベレー帽をちょこんかぶった姿はどこかでお見かけしたような。
ジャズに合わせて、舞台で漫画を書くという独特の芸風で知られた吉本の漫談漫画家、
そう、あの故木川かえる師匠のお弟子さんであります。
「道頓堀アワー」や「お笑いネットワーク」などで、いとしこいし師匠やコメディNo.1の
舞台の間で洒脱な絵を描くかえる師匠は、絵好き少年の心をがっちりつつかんだものです。
なるほどフロッグ=かえるなわけですね。
絶景をバックにさらさらと絵筆を揮うフロッグ画伯は子どもたちに人気。
「写真より楽しい似顔絵」。
いいコピーっすね。

そして、賑わうきらきら小径付近を避け、「ゴルフダイジェスト」と「毎日新聞」などを
手元において、一瞬日光浴をしている単なるオッサンかと思わせるさりげない店構えは
オナカテツオ画伯。

実はゴルフダイジェストも毎日新聞も、読むためのものではなく彼の作品。
つまり「ゴルフダイジェスト」の表紙や「毎日新聞」の春のセンバツの絵を担当している
ユーメイな灘区在住の画伯であります。
え〜っ!ゴルフダイジェストの表紙描いている人がなぜ摩耶山で似顔絵を!
なんて驚かれた人もいたようです。
そんなことも意に介せず、初参加ながらリュックのコンセプトを理解され、ビールなんか
飲みながらいい感じでユルリと出店されておりました。

そして、ふと空を見上げれば抜けるような青空に描かれた白いひこうき雲。
毎月第三土曜日の山の市「摩耶山リュックサックマーケット」
いろんな人のいろんな思いをのせて、
今年もユルリとスタートです。

摩耶山リュックサックマーケットは
3月〜11月の毎月第三土曜日に摩耶山・掬星台で好評開催中です!
摩耶山リュックサックマーケット公式サイト


2009年3月15日(日曜日)

官能の春キャベツキムチ

カテゴリー: - naddist @ 20時00分51秒

市場に春を告げる「イカナゴ」。
最初の頃は不漁だったみたいで、バカ高かったみたいですが
ようやく落ち着いてきたんですかね。
灘はともかく、タルマー(垂水クミン)やスマップ(須磨クミン)の皆さんは
ドキドキだったでしょう。
なんせ垂水区なんて「いかなごまつり」ですぜ。
「いかなごGo!Go!」なんて歌までつくってるんだからどうしょうもないすごい。
もうイカナゴと一蓮托生なんですから大変です。
もしイカナゴが穫れなかったらどうするんだろう?
ちりめんじゃこなどで偽装するのだろうか。
そのあたりの危機管理はどうなっているのだろうか。
そんな心配もしてしまいます。
長田区の「ぼっかけ」しかり、各区のみなさん名物づくりに必死のパッチなようですな。

ご存知の様に、灘区のコンセプトは「めくるめく」です。
つまり「イカナゴ」とか「ぼっかけ」など一点突破全面展開的な発想とは真逆の思想。
灘区で選ばれた「灘百選」も「百=たくさん、めくるめく」という願いが込められています。
ナダタマの昼メシデータベース「灘の昼ごはん」だって、別にうまい店や名物店を
ピックアップして紹介しているわけじゃない。ともかく「めくるめく」ことが大事なんです。
灘区の名物はなんですか?なんて質問されることがよくあるのですが、私はキッパリと
答えます。「そんなものはありません」と。
だって、イカナゴはいいですよ。ちやほやしてくれるんですから。
でも、カレイや鯛の立場も考えてもらいたい。
イカナゴだけをもてはやすのはイカナゴなものか、いやイカガなものか。
ミミズだってオケラだってアメンボだって生きているんです。
街に必要なのは名物ではなく「めくるめく世界観」ではないでしょうか。

あんまり他区のことをとやかく言うと「われなんどい、ダボ!」とか言われそうなんで
この辺でやめときましょうね。

てことで今日のネタは、イカナゴネタはパスして、めくるめく春食材の一員である
春キャベツにします(笑)
灘中央市場西口を出て灘センター商店街を北に上がったところにある韓国食材の店
「三味」さんでは、この時期「春キャベツのキムチ」が店頭に並びます。
我が家ではもうこれを食べないと春が来ないというくらい、スプリング・ハズ・キムなキムチ。
漬物というよりサラダと言ったほうがしっくりくるくらいのシャッキシャキ感。
いいですか。「シャキシャキ」ではなく「シャッキシャキ」。
白菜キムチみたいにクタッとしているのではなくシャキッと。
実に春らしい。
ともかく、この店オリジナルの「旨甘薬念(ヤンニョム)」が甘くて柔らかい
春キャベツにからんでえらいことになってるわけです。

柔らかくて甘い春キャベツちゃんが唐辛子を塗ったくられて身悶えしているわけです。
「もう堪忍して!」
なんていいながら、押さえられない歓びがあふれ出ている春キャベツ。
なんともいえない禁断感と言いましょうか、なんかそんな感じです。
そして春キャベツの淡い黄緑と赤い薬念のコントラスト。
鈴木清順の映画に出てきてもおかしくないキムチ。

花見シーズン前の、静かな都賀川あたりで甘くて辛いこのキムチでビールを飲りながら
のんびり過ごす…幸せです。
もう俺はこの小さな幸せがあれば十分だ。そんな気になってきます。
で、おなかがすいたら焼きそばにしちゃっても旨いわけですこれが。
春キャベツは炒めないで、最後にさっと和えるイメージです。
市場の焼きそば麺に合うんだこれが。

垂水の皆さんもたまにはいかがですか(笑)


2009年3月4日(水曜日)

私は貝を食べたい

カテゴリー: - naddist @ 10時30分45秒

春が近づくとなぜか無性に貝が食べたくなりませんか?
20年ほど前千葉にいた頃、この時期になるとよく九十九里へ焼き蛤を食べにいきました。
関西ではなかなかお目にかかれない大振りの貝を焼いていると、ああもう春なのだな
と実感できたものです。
貝類全般に言えるのですが、貝の魅力はやはりあの滋味。
もうキング・オブ・ジミーと言っても過言ではない滋味が春先の貝にはあります。
あと、あのホジホジ感。
そう、ほじっては食べるあの感覚。
なんかこう「ホジホジ」には「ガツガツ」とか「ムシャムシャ」食ってるときには気づかない、
食材のありがたみを感じませんか?
同じ「ホジホジ」でもカニはいけません。
こめかみに青筋たなんかたっちゃって、どうも必死感が出ちゃう。生き急ぎ感がでちゃう。
もっとしみじみする感じが貝のホジホジにはあります。
そして舌で感じる小さな旨味。
人間なんて、貝だけを食べてたらきっと戦争なんかしないだろうに。
そんな風にも思えてくる、優しい海の味です。

そういえば、東畑原市場南の沖縄おでんの店「通い船」で開催されたイベント
「泡瀬の海を見てみよう」で紹介された沖縄・泡瀬干潟も貝の聖地でした。
その数300種以上。
泡瀬には「チンボラー」と呼ばれる若干エロチックな名前の貝がたくさんいるのですが
この貝でとった出汁に旬のアオサを浮かべると、ちょっとぜいたくな海のスープに。
ご存じのように、この素敵な貝の楽園が埋め立てられようとしています。
貝やアオサを「ホジホジ」採っているオバア越しに見えるダンプカー。
なんともやりきれない。

桃の節句の前日になると、水道筋の市場にもはまぐりが並びます。
どこの業界でも、イベントにかこつけて商品を売るのですが
市場の手作りPOPは商魂たくましいスーパーのようなあざとさがない。
「おひな様の日は はまぐり 貝あわせで遊びましょう」
ほら、なんかいいでしょ。
もう糸井重里あたりが絶賛ですよ。
で、貝合わせってなんすか?
「昔ははまぐりのからの内側に絵を描いて神経衰弱みたいな遊びをしたんよ
 そういう昔の習わしも知って欲しい思てねェ」
レシピだけでなく、食べた後の「遊び方」まで教えてくれているわけです。
ここにスーパーにはない文化があります。

この市場の貝を使った料理が食べられる店もあります。
東畑原市場を下がったところにある「異食屋TUBOMAN」と言えば、水道筋ツウなら
ご存じの個性的なビストロ?いや怪しげなフレンチ?居酒屋?
ま、とにかく「異」な店です。
ここは以前「つぼ万」というつぼ焼き屋だったせいか貝メニューもちらほら。
博多のホテルで技を磨いたマスターが毎日水道筋の市場で食材を仕入れます。
「いいアワビが入ったんやけど食べる?」
貝好きとしては行かねばなるまい。食わねばなるまい。

目の前に出された活けあわび。
で、でかい…
手のひらより遥かに大きい300g超えのあわび。
「どないして食べる?」
刺身もいいなあ、いたバター焼きも…なんて迷っていたら、
「まかしといて」とこんなメニューに。

「市場の活けあわびの焦がしバターソース」
まるごと一匹使ったあわび刺にニンニクバターのソースをジュッとかけたぜいたくな一品。
なるほど、これなら刺身とバター焼きの両方楽しめるわけね。
寿司屋のあわびとかすごく薄くスライスされるのですが、ここのあわびのカットは1cm近い肉厚。
まあ、このグラマラスなあわびちゃんをお口の中でコリコリと弄ぶわけです。ハイ。
ミネラルな滋味が口中一杯に広がったときにゃもう昇天。
「これくらい厚く切らないと値打ちないやろ」
胆はTUBOMAN特製合わせ醤油で。
このあわびもイカナゴが揚がりだすと値段が高くなるそうで、食べるのなら今だとのこと。

もうすぐ春。
市場にもおいしい貝がたくさんあります。
ホジホジと貝探ししてみてくださいな。


2009年2月13日(金曜日)

バレンタインはイティヴァのスイーツ

カテゴリー: - naddist @ 18時00分59秒

「ったく、いつまで正月ネタ晒してるんだよ」
なんつーおしかりもうけずに、2月も半ばになっちまいました。
本年もよろしくお願いいたします。
いや、フグやらお稲荷さんの初午やらなんやらいろいろ市場ネタはあったん
ですけど、うまい具合に公開する機を逸して今に至るというわけで。

で、バレンタインデーです。
これくらいは押さえていないとこのままズルズルと夏まで更新をサボりそうな
勢いなので、とりあえずバレンタインイブの市場へブラりと。
もちろんバレンタインといっても市場では浮ついた感はナシ。
土居さんが「チョコロッケ」を揚げたり、凪さんにごぼうの代わりに
チョコが入った「チョコ天」があるわけでもなく、粛々と2月14日を
迎えようとしているのであります。
ま、せいぜい「バレンタイン天」くらいなものでしょうか。
(というか去年もバレンタインネタやってたのね…)
てことで…バレンタインネタが拾えない…
こんなときは、やっぱり灘中央市場の和スイーツコンフェクト「美吉堂」さんです。

「なんかバレンタインもの、ないっすかね?」

「あるよ〜」
「おお!ありますやん!」
店頭にはハート形やピンキーな和菓子がいろいろと。
んで、商品に添えられたハート型のPOPが市場マニアにはたまらない。
「マジックでていねいに色を塗って、はさみでハート形にしました」感が素敵です。
ハートの先っちょが湿気でカールしているところなんてなんて愛くるしいんでしょう。

もちろんチョコを使ったものもあります。


チョコパウダーの下には羽二重、そしてサツマイモ系のあんとチョコ。
ゴディヴァのチョコを超える「イティヴァのチョコ」であります。
「今日は苺羽二重にもハート型押すよ〜」
定番の苺羽二重もバレンタイン仕様に。
確かに薄いピンクがバレンタインチックであります。
「今年の新商品は生チョコ入りどらやねん」
あ、いいっすね。
ドラえもんあたりが小躍りして喜びそうなスイーツかもしんない。


市場のバレンタインスイーツには、ミカゲだのアシヤだののスイーツにはない滋味があります。
それは四十路を越えた国生さゆりが歌う『バレンタインキッス』の味わいに似ています。


2008年12月29日(月曜日)

正月は市場の鯛を食べタイのだ

カテゴリー: - naddist @ 12時50分49秒

今年は不景気のせいか、年末がイマイチ盛り上がらない。
正月に向けてのあの高揚感というか浮遊感というか、
そんなテンションが足りない。
これでは正月になっても「おめでとうごさいます」ではなくて
「おはようございます」で済まされそうな気がします。

今日あたりから市場も歳末風情になっていきます。
そう、29日あたりになると市場で人に当たりに行きたくなります。
人に当たるっていっても、別に八つ当たりするわけではありません。
いつもより込み合ったアーケードで人とぶつかるのが心地よいのです。
人ごみにいる心地よさとでもいいますか、小さいころ楽しかったおし
くらまんじゅうのような躁状態、そんな感じ。
年末の市場と正月の初詣はそんな「年末年始人ごみにもまれたい願望」
を満たす大事なイベントなのです。
なんかこう、人に当たっているうちに人間が丸くなっていくような
気がしませんか?
広すぎるスーパーの通路だとこうはいかない。
当たりたくても当たらない。
無理からに当たりにいったりしたら変な顔されるし。当たり前だが。
いや、たまにカゴが当たったりしてムカッとしたり。
スーパーと市場の決定的な違いはこの「通路の幅」にあると思います。
人と話したくないからレジ清算。
人と当たりたくないから広い通路。
快適なようで、実はここに大きな落とし穴があるのですよ!ドン(机をたたく音)

ま、年末の市場風情というとそんな「客の肩が触れ合うような市場のにぎわい」
が新聞に載ったりするわけですが、ナダタマ的にはそんな喧騒の市場の裏側を
見てみたいわけです。
いつもはひっそりかんとした夜の市場もこの時期は大忙しでして、シャッターが
下りた裏側では、正月準備で夜遅くまで灯りがともっています。

夜10時。
香ばしい香りがアーケードに満ちます。
正月用の焼き鯛が焼かれていました。
「昔はレンガ積んで炭火で焼きよったんやで」
おお!でかいすね。
次々と焼かれていく1.5〜1.7kgの天然鯛。
2kgまでが美味くてそれ以上大きいのは大味だそうです。

「これは○○先生が注文した鯛やねん」
予約済みなのかすべて名前のタグが。
おお、確かにお医者さんが食べそうな鯛がズラリ。
「天然の鯛は身も柔らかいし、香りも断然ええ。
 スーパーで売ってる養殖ものは抗生物質の臭いがしよるからな」
なるほどねえ。さすが市場の魚屋さん。
次々と焼かれていく鯛。
昔は4~500枚焼いていたそうで。
つか、それだけで売り上げ4〜500万くらいいきますやん!
「まず身を食べたら、残ったほぐし身で鯛茶。
 骨や頭は鍋に。焼いているから臭みもないしな」
ああ、正月っすねえ。

今年は食材を買い込んで家で正月を過ごす人が多いとのこと。
そう、不景気な時期こそ「素材のデパート」市場を使わなきゃ、なのです。
今朝の市場は朝から焼鯛がずらり。
「不景気教」の念仏唱えてないで、
人ごみにもまれながら祝焼鯛の品定めでもしてくださいな。


2008年11月24日(月曜日)

アフターSMS

カテゴリー: - naddist @ 19時30分53秒

去る11月16日、水道筋ミュージックストリート(以下SMS)が開催され、
「商店街が踊りだす」のコピー通り、今年は水道筋界隈の8店舗でライブが
繰り広げられました。
今年の「市場ステージ」は2つ増えて4箇所に。
畑原市場はチンタ醉宵食堂と酒庫汽笛亭。東畑原市場は新家。
灘中央市場は通い船特設大広間ステージ。
どこのステージも盛り上がったようです。
(私はFMナ〜ダをやったりなんやかんやで
悲しいことにあんまりステージ見れないのです…)

さてSMSが終わればすっかり気の抜けたような空気が…
いやいや、SMSはあくまでもハレの日のシンボルイベント。
日常にしっかり息づくのが水道筋の音魂なのです。

ということでSMS明けの先週末も水道筋で音楽三昧。

まず11月21日は小坂忠さんがな也に登場。
忠さん、3回目のご来灘だと思うのですが、(過去のステージはこのあたりで
「値打ちありますね〜ここの商店街は」
なんてすっかり水道筋ファンになったようです。
「この前エイプリールフールの同窓会やってね。
細野(晴臣)や松本(隆)と会ったんだけど」
ま、こんな話が水道筋で聞けるのも奇跡かもしれませんな。
もちろん今回もむっちゃエエステージを堪能させていただきました。

そして翌22日。
夜になってぐっと冷え込んだので、熱燗をいただきに東畑原市場の東にある
「スタンドモンク」へ。
店内には県立美術館でのライブが終わり、打ち上げ中の「Conjunto CHOVE CHUVA」
の皆さん。彼らはブラジルに古くからあるショーロという音楽を演奏する関西唯一の
グループ。
メンバーの一人が、
「せっかくだからなんか演りましょうか」
なんつって突然演奏が始まっちゃいました。
タンバリンのようなパンデイロという打楽器とウクレレ風のカヴァキーニョ、
そしてギターのトリオ。
まったりとしたブラジルのリズムが店内に。
正に生BGM。
街に自然な音がにじみだす感じ。
ライブとは違うサプライズ感。
熱燗を飲りながら聴くボサノバ。
いやーこれは気持ちいいわ。
モンクはかなりのコバコなのですが、そのスケール感とブラジルなオトがぴったりなんです。
「こんな感じで飲みながら適当に演奏やってもいい店って水道筋にあるかな?」
とギターのTさん。
水道筋でブラジル。
かなりいいかもしれないっす。

そして翌23日は、水道筋ミュージックストリートの会場でもある畑原市場は
「チンタ醉宵食堂」で不定期開催されている恒例のチンタクラブバンドライブ。
水道筋広しといえどハウスバンドがあるのはこの店だけでしょう。
チンタクラブバンドはギター2本にベースとドラム、それにトランペットとサックス
という編成。それぞれチンタのスタッフだったりお客さんだったりするわけですが、
これが実に市場らしいイキのいい元気な音を出してくれるのです。
今夜は水道筋ミュージックストリートにも出演したジェイムスの清水アツシ君の顔も。
チンタバンドのリーダー、K-106の一平君とは昨年のサイバーミュージックアワードで
グランプリと審査員特別賞を分け合った
水道筋印のシンガーです。
9時前にはさほど広くない店内が満員。30人くらいくらいのぎゅうぎゅう詰め。
昨日のモンクとは違って大音量のファンキーな音が店内に、いや市場に響きます。
テーマミュージックの「Tighten Up」スタート。おお今日はクリームもやるのね。
お約束の「テキーラ」にゲストボーカル清水アツシの熱唱でボルテージは最高潮に。
そして今夜のエンディングは…なんでロッキーのテーマやねん(笑)

市場は「日常品」を買う場所です。
つまり普段の暮らしの中に組み込まれるべき場所です。
そして灘の市場には、活きのいいネタだけではなく活きのいいオトもあります。
SMSというハレのお祭りもいいですが、日常のオトも是非楽しんでいただきたい。
ふだん自分の暮らしている街でぶらっと散歩に出たついでに、
小さなライヴをのぞくことができたら……。
それが本当の豊かな灘ライフだと思うのであります。


2008年10月27日(月曜日)

NADA LUNCH 200@畑原市場

カテゴリー: - naddist @ 20時00分47秒

最近食事をデジカメで撮る人が多いのですが、これ、見ていてあまり気持ちの
いいものではないですね。(私もやっちゃうんですがね)
もう、グルメ番組に出てるイケメンタレントの不細工な箸の持ち方くらい気に
なる。お皿の上の料理はいわば生き物の屍であって、それを「いただきます」
の前にバシャバシャカメラで撮るというのは不謹慎でして、せめて撮影は
「いただきます」の後にしたいものです。さらに撮ったものをブログで、まき
散らすのもきわめて下品な行為なんじゃないかと思うわけです。
ということで昼ごはんを撮ってアップする、当ナダタマの昼ごはんデータベース
「灘の昼ごはん」も実は相当行儀の悪いコーナーなのです。
なので、撮られた食事に対する供養の意味をこめて、100食アップされるごとに
イベントをすることにしています。

NADA LUNCH 200
灘区で採取されためくるめくランチを「アテ」に飲むというイベントを、去る
10月21日(火)に八百万の食の神が宿る市場の中で開催しました。
昨年の100食越えの時は、1〜100食のランチを紹介しましたが
今回は101〜200食を紹介。
暗闇に映し出されるめくるめく昼飯。
そしてその昼飯をとりまく様々な物語の生語り。
このイベントのキモはこれです。
ウマいだの、マズいだの、自然食だの、体に良いだの、
お口の中でとろけそうだの、爽やかな香りが鼻腔をくすぐるだの、
コシがしっかりしてるだの、肉汁がジュワっとだの、食感がシャキシャキだの、
そんな陳腐なグルメ系ウンチクをいくら語っても
な〜んにもおもしろくないのですよ。
それよりも昼メシの周辺で紡がれる笑いあり涙ありのメシ物語の方が
断然おもしろいのではないか。
そんなこんなで、昼メシのまわりの「オカズ(メシ物語)」を「生で語る」という
トークイベントスタイルが確立されたわけです。
メシ話(街話)のおもしろさはネットだけでは絶対に伝わらないのです。

場所はやはりめくるめく食材が売られている市場が合います。
今年は昨年の汽笛亭に引き続き同じく畑原市場の「チンタ醉宵食堂」で開催。
当日の参加者は19名。
何回も書きますが、ウマいマズいという評価軸はナダタマではどうでもいいのです。
誰がなんと言おうとオレはフナフナのかきあげが好きだとか、
コシのない麺にこの上ない慈悲を感じるとか、
初めて灘区で食べた思い出の店だとか、
オレも引っ越ししてきた日にその店で食ったっス!とか
店員の素っ気なさがステキだとか、私は苦手ですとか、
どこそこの大将は亡くなったけど奥さんががんばって味を守ってるだとか、
マスターは無愛想だけどそれをおぎなうママのホスピタリティにメロメロだとか、
ボクそのマスターのモノマネできますとか。
そんなメシ話の向こうにぼんやり立ち上がってくる灘の街。
めくるめくメシ話に恍惚としながら、気がついたら終了時刻を大幅に
オーバーしていましました。チンタさん、すいません。

そしてナダタマの下品なコーナー「灘の昼ごはん」は300食を目指します。
ログイン後どなたでも投票できますので、どしどし投稿してください。
もちろん撮影は「いただきますの」後で。

(写真提供:ちゅーやんさん)


2008年10月17日(金曜日)

路地裏カフェの市場スイーツ

カテゴリー: - naddist @ 15時00分02秒

水道筋の市場商店街というと「レトロ」「懐かしい」「昭和」「ノスタルジック」など
の枕詞がつきがちです。
もちろんそれはこの界隈の大きな魅力の要素であり、大事にしなければならないものだと
思います。でもそれだけではなんか物足りない。
観光商店街ならまだしも、ここは生きた商店街であって欲しいので、懐かしさ+α
が必要かと思います。

最近ではこの界隈にも従来の昭和な喫茶店に混じって、平成な路地裏カフェも増えてきました。
あかちゃ家」に「あんご」、そして畑原市場には「のら」、東畑原市場には
ふっくら」。少し離れていますが畑原市場汽笛亭のカフェ部門「もなちゃこ」。
注目は店名です。
スカしたフランス語なんかじゃなくて、見事に全部ひらがな店名なのです。
実に水道筋らしい。
ナダタマではこれらを「水道筋ヒラガナカフェムーブメント」と読んでいます。

そして8月24日にまた一つ新しいカフェができました。
kakke cafe
以前紹介した水道筋骨董通りの沖縄おでん屋「通い船」と同じ場所です。
つまり通い船が休みの日曜日にのみオープンします(*)。
水道筋精鋭のビーチャー(飲み助)が集まる店が、一夜明ければ
アンニュイなカフェに早変わり。
あのごちゃごちゃした裏路地にカフェ。
めまいがするほど新鮮な風景かもしれません。
店長のkakkeさんは、もともと元町のカフェで働いていて、その後摩耶山リュックサック
マーケット
にお菓子屋さんを出店。そしてふもとの水道筋に下りてきてリアルなカフェを
オープンしたという、いわゆる「摩耶組」であります。
「このあたりの市場は歩いていて面白いし、皆さんあたたかいです」とkakke店長。
すでに市場の魚屋さんからコーヒーの出前注文もあったというから大したものです。

このカフェ自慢の手づくりお菓子に市場モノを使用したメニューがあります。
以前紹介した畑原市場の「佐藤豆腐店」さんのソップ(豆乳)を使った市場スイーツであります。
「豆乳とほうじ茶プリン」
買い物途中に、水道筋のオバちゃん達が「ぷは〜」と飲んでいるあのソップが、
見事にカフェメニューに仕上がっています。
もともと豆乳があまり好きではなかった店長も、市場で出会った「しっかり豆の味がして
しかも飲みやすい豆乳」の魅力に目覚めたようで、もうすぐ「豆乳のパンナコッタ」も
ラインナップされるようです。
古い市場の店と新しいカフェがゆるく手をつなぐ。
「空き店舗使ってます」とか「地産地消です」とか、なんとなく「まちづくりしてますよ」的な
そういうあざとい感じじゃなく、そっとひっそり手をつなぐ感じ。
いいですね。
こういう出会いの連続こそが、この市場界隈をただ単にノスタルジックな場所に
終わらせないはずです。

路地裏カフェでいただく市場スイーツ。
毎週日曜日のお楽しみです。(*)

(*)不定期に日曜日以外も開店することもありあます。
開店情報はkakkeのつれづれ日記


2008年10月7日(火曜日)

畑原のバリカタ木綿

カテゴリー: - naddist @ 18時00分00秒

子どもの頃、なぜ市場は同一業種の店がこんなにダブってあるのか不思議に思った
ことがあります。
当時はまだ市場全盛期で、灘区内各所に市場があり、たいてい同市場内に同業種は
2店舗くらいあって、水道筋あたりになると肉屋さんとかが7〜8店舗とかあるわけです。
そごうのデパ地下だって肉屋は大井しかなかったのです。(当時は)
さんちかだって八百丑しかないのです。(当時は)
それが水道筋ときたら、西から水野、土居、大倉、梅田、土居東、水野、中西、山本、山地…
って何軒あるねん、つーくらいあるわけで、もう、どっちが豊かかってことは子ども心に
わかりましたね。
よりどりみどり。めくるめく焼豚&コロッケ。
商品の豊かさではなく商店の豊かさです。
その反面、こんなに同じもの売ってる店が多くてケンカせえへんねやろか、なんて若干
心配にもなったものです。
当時、親について買い物に行くと、同業種でも微妙に使い分けていたように思います。
焼豚はあの店、コロッケはあの店みたいな感じで。
その影響で今でもあっちで買ったりこっちで買ったり右往左往しています。
まったく浮気な客です。

お豆腐屋さんも市場に数軒あります。
例えば今晩は豆腐チャンプルでも作ろうかと思いたったとき。
え?そんなものつくろうとは思い立たないって?
まあ思い立ってくださいよ。
ご存知のように沖縄の郷土料理である豆腐チャンプルに使われる沖縄豆腐「島豆腐」は、
縄で縛れるくらいとても固い豆腐です。
ひょっとしたら沖縄では豆腐の角に頭をぶつけて死ぬ人がいるかもしれない
というくらい固い。
固いがゆえに、炒めていても水が出ない。崩れない。
これを日本の豆腐でやると、水切りしたりなにかととめんどくさい。
しかし、灘の市場はこんなニーズにも応えてくれます。
畑原市場の前野豆腐店の「バリ固木綿豆腐」であります。
これが、島豆腐なみに固いんですわ。
三匹のこぶたならこの豆腐で家を作っちゃうかもしれないくらい固い。
シンデレラならこの豆腐につまづいて、ガラスの靴が割れちゃうくらい固い。
ま、それは言いすぎですね。
とにかくこうやって手でグワシとつかんでもビクともしないくらい固い。
それでずっしりと重い。

「カチカチのん欲しいいう人もおるし、ちょっと固いのん欲しいいう人もおるし、
 柔らかめの固いのん欲しいいう人もあるし、木綿の固さも4〜5段階くらいあるよ」
とご主人。
柔らかめの固いのんって柔らかいのか固いのかどっちやねん、て感じですが、
市場のお客さんもなかなかわがままなようです。
「無造作に水に浸けてるみたいやけど、実は固さごとに並べてるねん。手前が固いの奥のが柔らかいの」
おお、そうやったんや!
そういう陳列スキルは市場マニアにはたまらないっス。
で、固さの違いって何の違いなんですか?
「型に入れたときの端っこが一番固いねん。中心が柔らかい。
 それを切って柔らかい豆腐と固い豆腐にわけるねん」
なるほどねえ。

「むちゃくちゃ固い豆腐はよう出るね。沖縄の炒めもんとかに使うねんて」
そうそう、それですよそれ。
さすが南島と縁が深い街。チャンプルユースの需要も高いようです。
てことで、畑原市場のバリカタ木綿 で作ったゴーヤチャンプルは、水切りをしなくとも
とてもうまく仕上がります。
沖縄と灘を結ぶ「沖灘メニュー」なのであります。

たまに近所のこの店でも使用されていますです。ハイ。


2008年9月22日(月曜日)

摩耶ノオト

カテゴリー: - naddist @ 12時00分45秒

ひさしぶりに摩耶山上の市場「摩耶山リュックサックマーケット」のレポートです。
なんで久しぶりかというと、今年は摩耶山の1年を占う摩耶詣祭が雨で流れたせいか、
リュックサックマーケットを始め山上のイベントがことごとく雨に悩まされているのです。
ま、リュックサックマーケットは雨でも開催できる(笑)素晴らしいフォーマット
なんですが、やっぱり晴れて欲しいというのが正直なところです。ハイ。
てことで、9月20日に開催された今年7回目のリュックサックマーケットは久しぶりの好天に
めぐまれ、おだやかな初秋の空の下たくさんの店が開店しました。
うん、おそらく過去最高の出店者数だったかもしれませんね。

今回私は三線をテンクテンク弾きながら、11月16日に開催される水道筋ミュージックストリート
の前売チケットでもさばこうと目論んでいたのですが…
三線持ってくるの忘れた…。
ま、それは良しとして、今回は秋風に乗ってなにやら様々な音色が。
まわりを見渡せば、音店がいろいろと。

「二胡屋」さん。
中国の楽器、二胡を1曲100円で演奏してくれます。
山で聞く蘇州夜曲。
こりゃいいですな!
大阪湾の風景がなんとなく水墨画に見えてくるから不思議です。

ブルージーなギターの音に誘われて行ってみると「ブルース屋」さんが出店中。
ブルース系のCDとギターを販売されていました。
早速水道筋ミュージックストリートのちらしを持って行くと、
「水道筋ミュージックストリートですか、去年行きましたよ!」
おお!こんなところにもSMSのお客さんが!
是非今年も来てください!

そしたら、またまたギターの音色が。
「あ、このギターですか?そこのお店で買いました」
買ったギターを早速弾いてるってのもリュックサックマーケットのいいところ。
で、お兄さんは何売っとってですか?
「ダメ外国人カードです」
な、なんなんですかダメ外国人カード屋って。
「阪神にいたダメ助っ人のカード売っています」
おお懐かしい、クールボー、グリーンウェル。
クリークて誰やねん??
このノリが摩耶山リュックなのです。

と思えば見たことも無いような楽器も
「バラライカです」
おお、神戸の老舗ロシア料理店と同じ名前の楽器。
これも商品ではなく、お買い上げ品でした。
楽器の流通は早いようです。

そして「ジューク屋」さん。
100円で好きなレコード(CDじゃないですよ)をリクエストすると
懐かしい電池式ポータブルプレーヤーでかけてくれます。
焼酎、日本酒などのドリンク付きです。
やっぱ野外はスカですね、スカ。
「スペシャルズかけてください!!」
青空と2トーンスカはドンピシャなんです。
で、このレコードプレーヤーのチープな音がたまんない。
ラムなんぞ飲みながら聞きたいところですが、
今日は「ラム屋」さんが来てなかったので芋焼酎。
もう全然いいです。芋焼酎で。
昔、よみうりランドや横須賀でやってたスプラッシュとかのレゲエフェス。
気持ちよすぎてよくブチ切れてましたが、ここは摩耶山。
一足早い秋風と山の香りにつつまれ、日だまりの中でまったりとスカのリズムに
身を委ねるのが実に心地良いのですよ。
そんなこんなで摩耶山上に流れる「摩耶ノオト」に包まれているうちに、すっかり夕方に。
あ、ミュージックストリートのチケット売るの忘れてた…

摩耶山上の市場の音店。
遊びに来てみてください。
いや、むしろ好きな楽器や好きなオトを持って出店してみてください。
次回の摩耶山リュックサックマーケットは10月18日です。


2008年8月14日(木曜日)

市場の夏 鱧皮の夏

カテゴリー: - naddist @ 17時00分51秒

金鳥の夏 日本の夏
そんな美空ひばりのCMが流れていたのは何年前だったでしょうか。
子どもごころに「蚊取り線香を日本の夏の代表にしてもいいのか」という
疑問が常につきまとうCMでした。
だって蚊ですぜ、蚊。
いや、もちろん蚊取り線香なんて夏売らなきゃどうすんのよ!ってのは
わかるんですけどね。
そして、能面のごとく異常に涼しげな美空ひばり。
てめえ、今日灘区は光化学スモッグ警報出てんだぜ!
プール入れねーし、目が痛ぇんだよ!
なんて、突っ込みたくなったものです。
もちろん灘区内には美空ひばりの芸能興行を取り仕切っていたT岡氏がいるので
大きな声では言いませんでしたけど…

市場の夏、と言えばやっぱり鱧です。
関東方面ではあまり見かけませんが、関西では夏になると、どの魚屋さんにも
夏鱧が並びます

魚屋さんだけじゃないんですね。鱧が並ぶのは。
例えば市場のフライ屋さん。
この時期「鱧のフライ」が出回ります。
関西ならではの少し贅沢なフライです。
外はサクサクなんだけど、中身がしっかりとした弾力感があってこれでビールを
飲るのもたまりませんな。

あと、かまぼこ屋さん。
鱧は高級蒲鉾の材料でもあります。
ぜいたくです。上等です。市場のかまぼこは。
そして隠れた逸品が、かまぼこを作る際に出る鱧の皮を焼いた「鱧皮」。
基本的に鱧は高級魚とされています。
湯引きでもそこそこの値段はしますし、京都なんぞでそれなりなところで
しかるべき鱧なんかを注文しちゃった日にゃあ、そこそことられるわけです。
阪急京都線で京都慕情なんぞを口ずさみながら「早く灘に帰りたい」なんて
ちょっぴり涙ぐんじゃうわけです。
でもかまぼこ屋さんで売ってるのは「皮」。
いわば「ほるもん」ですね。
これが安くて旨いのね。
なんともいえないコラーゲンチックな弾力感がたまりません。
で、1パック220円。
「ウチのは新鮮やし、冷凍したら10日くらい持つよ」
と灘中央市場のかまぼこ店「みつの屋」のお姉さん。
うん、ここの皮が私の好みです。

そのままオーブンでカリカリっとあぶって酒肴にしても、わかめと和えて
酢の物にするのもいいのですが、我が家では、夏の昼飯としてそうめんと組み合わせます。
そうめん(できれば灘目)に焼鱧皮、ごま、ミョウガ、大葉を乗せ、ごまだれをかけて
ズルズルっといっちゃってください。
「焼鱧皮スタミナそうめん」
香ばしい鱧皮に爽やかな大葉がなかなか合います。

鱧皮そうめん

それと…
なんでも鱧皮にはコンドロイチンが多く含まれ、夏場荒れ気味な女性の肌
にも良い「美容食」だそうで。
市場の鱧皮でプリプリ美肌を。
やっぱりNHA(灘の鱧のコンドロイチン)だね!


2008年7月14日(月曜日)

畑原市場ニューヨークへ行く?

カテゴリー: - naddist @ 23時55分59秒

現在、HAT神戸の兵庫県立美術館で開催中の「冒険王・横尾忠則」
いやはや堪能してまいりました。
特に60〜70年代のグラフィックデザインワーク群というかプロセス群。
スケッチから原画、版下、色指定紙までが数百点どひゃーっと展示。
いやこれが面白いのなんのって、もうどうにも前に進めない進めない。
写植(写真植字)のツメやらカラーチップの貼り方、印刷業者への指示稿などなど。
パソコンDTP全盛の今では忘れられた手の痕跡、あ〜たまんねーなー…

え?市場と全然関係ないって?
しかも県立美術館は中央区じゃないかって?

ごもっともです。
本題に戻しましょう。
えー、今回の展覧会観覧のもう一つの目的はですね、
「横尾氏の作品群の中に畑原市場を探しに行く」なのです。
以前当ブログで、横尾氏の水道筋・畑原市場来訪を紹介したことを
覚えておられる方がいるかもしれません。
1年前、横尾氏は畑原市場にあの「畑原Y字路」を見に来たのです。
ということは、彼の代表的なシリーズ「Y字路」に畑原市場が描かれている
かもしれない。
ま、そんな淡い期待をこめて美術館を訪ねたわけです。

結果。
ありませんでした。畑原Y字路は。

うん、なんとなく理由はわかるような気もします。
しかし、ナダタマはあきらめない。
こんな企画があったのです。

  「冒険王・横尾忠則」公開制作のためのY字路写真募集

 兵庫県立美術館では、特別展「冒険王・横尾忠則」の開催に
 あわせて、横尾忠則氏による公開制作を行います。
 横尾氏がライフワークとして数多く描いてきた多彩な「Y字路」。
 8月19日(火)から22日(金) まで当館のアトリエで行われる
 今回の公開制作では、兵庫県内のY字路がテーマです。
 その題材となるY字路の写真を募集します。
 横尾氏自らがセレクトされますので、
 ふるってご応募ください。

応募しますとも。
もしも、もしもですよ。
畑原市場のY字路が選ばれてですよ。
作品になってですよ。
その絵がですよ。
海を渡ってニューヨーク近代美術館の所蔵になるかもしれない。
そうするとニューヨークに畑原市場が再現される。
汽笛亭が、チンタが、久保田精肉店が、サンデーパパが、錦屋が、とうない
惣菜店がニューヨークに出現するという、灘的にとてもシュールでグローカルな
事件になるかもしれない。

公開製作は8月19日。
全く期待しないで待っててください。


2008年6月16日(月曜日)

目には摩耶舌に島酒初鰹

カテゴリー: - naddist @ 20時30分12秒

「カツオありまっせ!」
「今日はええカツオが入ってるで」

今の時期市場を右往左往していると各魚屋さんにそんな言葉をかけられます。
そう、私カツオ好きなんです。
その辺の顧客データをもとに、声をかけてくれるわけです。
春と秋、上りと下りどちらのカツオも好きなのですが、最近はどちらかと
いうと春のカツオ、つまり上りカツオの方が好みになってきました。
さっぱりしてるんですよ。
キャンディーズで例えれば、最初はスーちゃんが好きだったのに、
そのうちランちゃんになって最終的にはミキちゃんだよな〜という感じ。
あ、そんなもんに例えなくていいですか?
すいません。

さて上りカツオの食べ方ですが、たたきにしてポン酢でというのが
定番でしょうか。
脂がのってないのでたたきにしないで、刺身っつーのもいいかもしれません。
江戸っ子を気取るなら辛子で食べるのもオツですな。
灘クミン的には「醤油ケンコーマヨネーズ」で食べるのもフンイキですね。
あ〜よだれでてきたわ。

水道筋の市場界隈の飲食店でも、この市場のカツオを出してくれる店が何軒がありますが
その中から今日は変わり種をご紹介します。
東畑原市場の真ん中を南北に走る「昭和感」がそこはかとなく漂う細い路地。
オールド灘クミンには「西灘劇場の縦筋」と言った方がわかりやすいかもしれません。
古道具屋がごちゃっと集まってる「水道筋骨董通り(バッタ筋)」といわれているストリート。
最近は「異食屋 TUBOMAN」「ビストロTHE屋台 離の宴」「お好み焼き 西村」など、
コアでユニークでデリシャスな飲食店が軒を連ねるエリアでもあります。
ここに6月13日にオープンしたのが、沖縄おでんと泡盛が楽しめるカウンターだけの
小さな店「通い船(かゆいぶに)」。
といっても金土のみ営業の「週末沖縄おでん屋」というコアな店です。
この店のコンセプトは「昔から縁が深い灘と沖縄・奄美をつなぐゆんたくサロン」。
単なる沖縄居酒屋ではなく「灘の市場モン」がメニューにあるのがミソです。
今の旬の市場モンとしてカツオがラインナップされています。
このカツオに合わせるのが「沖縄のさしみ味噌たれ」。
沖縄本島北部のカツオ漁の町、本部(もとぶ)町特製のミソだれです。
沖縄では刺身は酢みそで食べるのがポピュラーなのですが、
このミソだれは泡盛古酒とニンニクが入った「カツオ用」。
このたれで畑原市場のカツオを食すという、いわゆる「沖灘料理」です。
少し濃厚なたれがあっさりとした上りカツオに合います。
日本酒ならポン酢があうでしょうが、泡盛にはやはり沖縄のみそだれが
しっくりときます。
かつて奄美市場と呼ばれた市場もあった、この界隈で食べる初夏の味も乙なものです。

「目には摩耶 舌に島酒 初鰹」


2008年6月2日(月曜日)

ニョロニョロのスナフキン和え

カテゴリー: - naddist @ 23時50分32秒

市場は食材の森であり海であります。
なので、季節によって店頭の風情や匂いが変わります。
それを感じることも市場の楽しみ方の一つです。
今日から近畿地方も梅雨入りした模様。
市場にもぼちぼちと梅雨系の食材がならび始めます。
目立つのは梅やらっきょといった漬系。
ゴロゴロと八百屋さんの店頭に積み上げられ、市場の通路には梅雨の
訪れを告げる香りがほんのり立ちこめます。

ここで嗅覚の感度を少し上げると、鼻の奥の方で少々刺激的な香りを
キャッチできます。
梅やらっきょといった、いわゆる「梅雨メジャー」の陰に隠れるように
ひっそりと、しかもほんの数日間だけ姿を見せる香り。
小粒でピリリと辛い「生の実山椒」。
もちろん佃煮屋さんには常時醤油で炊かれた実山椒がありますが、
生はこの時期しか手に入らない限定季節食材であります。

堂々と梅雨時期の主役を張れる梅やらっきょではなく、
脇役なんだけどしっかり主張して、知らない間にすっとフェイドアウトしていく。
こういう食材に弱い。
たとえば市場がムーミン谷だったとします。
そうなると梅がムーミンで、らっきょがノンノン。
さしずめ実山椒は市場のスナフキンって感じでしょうか。
ある日ひょっこり現れて、
「キミも大人になったらこの味がわかるさ」
なんてムーミン相手に辛口のウンチクを垂れる。
そんで「ムーミン、僕は旅に出なくてはならない」
なんていいながら、すぐに市場から姿を消してしまいます。
「雨にぬれ立つ おさびし山よ 我に語れ 君の涙のそのわけを〜」
なんて、どう考えても子どもには難しすぎる辛口の歌を口ずさみながら。
「スナフキン、行っちゃやだ!行っちゃやだ!」
ムーミンが泣いてももうスナフキンは帰ってきません。

そんなさすらいの旅人感を実山椒に感じてしまうのです。
で、思わず買ってしまうわけです。
さて実山椒を何に使うか。
所詮スナフキンですから主役にはなれないわけでして、間違って
「実山椒丼」とか「実山椒のかき揚げ」とか主役級の扱いをして
しまうと、口の中がヒリヒリのイガイガでえらいことになってしまいます。
かといって、ちりめん山椒や佃煮作るのもなんだか普通っぽすぎるしなあ…。
スナフキンと何を合わせるか?
なんて考えながら市場を物色していたらいました、いいキャラが。
ニョロニョロです。
ピリ辛のスナフキンに合わせるのはやはりニョロニョロしかいない。
てことでこんな初夏のメニューを考えてみました。
オリーブオイルにゆでた実山椒と塩を入れて「スナフキンオイル」を作り
それで旬の剣先イカの刺身(ニョロニョロ)を和えてみました。

題して「ニョロニョロのスナフキン和え」
ニョロニョロの甘みと、それを引き立てるスナフキンの爽やかな辛さがうれしい、
初夏のムーミン谷…じゃなかった、市場の小肴です。


2008年5月22日(木曜日)

山の市場の本屋さん

カテゴリー: - naddist @ 21時00分55秒

摩耶山リュックサックマーケット(5月)

毎月第三土曜開催の摩耶山上の市場「摩耶山リュックサックマーケット」が3年目を迎えました。
毎月店の風情が変わる様子は、まさに摩耶山の自然のごとし。
ユルユルと流れる空気感は、摩耶山のそよ風のごとし。
同じ市場ということで当ブログでも、逐次この山上市場の様子をお伝えして
いこうと思っております。

5月17日、五月晴れとはいえないけど、おだやかでまずまずのリュックサック日和。
今回は92組(目視)の素敵な店が掬星台にちりばめられました。

ブッククロッシング

4月のリュックサックマーケットから新しいお店が登場しました。
いや、お金のやり取りはないので「コーナー」といった方が正しいかもしれません。
巷で話題の「本に世界を旅させる」活動、ブッククロッシングの「摩耶山ゾーン」です。
人に読ませたい本を登録して「リリース」すると、その本がいろんな人の手を経て
いろんなところに旅します。
おもしろいのがウェブサイトでその本の位置や、他の人が書いた感想も見ることが
できるってところ。
で、摩耶山でもいろんな本が放流されていました。
まさか灘モノはないだろうと思っていたのですが、
ありましたよ、灘本。

マルコポーロ

灘文化堂でも紹介した元灘クミン、陳舜臣さんの『マルコ・ポーロ』!
早速ゲットさせていただきました。
どこでリリースさせるか楽しみです。

本がらみでもう1店舗。
「物語屋」さんです。
お客さんにお代を出してもらって、即興で物語をつくるお店。
くじをひきお題の頭文字を決め、お題をリクエスト。
約15分で原稿用紙に物語がしたためられていきます。

物語屋さん

私が引いた頭文字は「ゆ」だったので、なんとなく「勇気」という
お題にしてみました。
深い意味はありません。
灘的には「弓の木町」にすべきだったかな?
(できあがった小説はこちら

さてさて、そのお隣は「朗読屋」さんです。
なんと、朗読を買えるわけです。
店主の甲斐祐子さんといえば…
そう、取り壊される灘駅舎で開催したイベント「灘駅で本を読む日。」で朗読を
していただいた灘ゆかり(?)の朗読家さんです。

朗読屋さん

0歳から99歳という年齢を題材にした短編集から、好きな年齢を「注文」すると
自分のためだけに隣で朗読してくれるという案配。
5歳と41歳と42歳を注文させていただきました。
耳元をくすぐる初夏の風のような朗読でございました。

朗読中

摩耶山と本って意外と相性いいのかもしれない。
また一つ摩耶山での新しい過ごし方が生まれてきそうな予感がする、
五月曇りのリュックサックマーケットでした。


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