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2009年7月15日(水曜日)
[報告]歌声市場
2009年6月26日(金曜日)
[灘中央市場]市場でグルメ!お座敷イベント
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予定なし

2009年7月15日(水曜日)

[報告]歌声市場

カテゴリー: - naddist @ 19時00分15秒

去る7/12日に、市場の店とナダタマのちょっとしたコラボレーションが実現しました。

ナダタマ企画の「水道筋ラジオストリート」と畑原市場のチンタ本店企画の恒例のライブ「チンタライブ」を同時開催するというもの。

今年のナダタマのニュー企画「水道筋ラジオストリート」は、ラジオのディスクジョッキー
スタイルで「オトを話そう」がコンセプトの音楽トークサロン。
5月から毎月1回、沖縄おでん「通い船」を間借りして「ビートルズナイト」と題して
ビートルズを「一晩一盤」のポリシーで毎回1枚のアルバムをじっくりと紹介するスタイル。
1stアルバム『Please Please Me』、『With the Beatles』とお送りしてきた
ところで、ちょうど7月の「チンタライブ」がビートルスをやるって話を聞き、じゃあ
一緒にやりましょうかってことに相成りまして、この日の「ビートルズナイトスペシャル!」
になったわけです。

当日は19:00からDJスタイルの「ビートルズナイト」、そして21:00からチンタのハウスバンド
ハートブレイクチンタバンドの「ビートルズナンバーライブ」という構成。
「今日はオールスタンディングですから」と店長。
え?そんな来ないでしょビートルズ…とタカをくくっていたら大間違いでした。

1部のDJタイムのテーマはアルバム『A Hard Day’s Nigh』
DJのフランクアップルロイド氏とMJ氏の軽妙なラジオトーク。

「おいおい、今日暑いなあ」

そう、続々集まる人人人。
いつのまにか店内は超満員で室温も急上昇。
おそらくあの日灘区で一番暑い場所だったかと。
そしてどんどん薄くなる空気。
マジで死人がでるかと思いましたよ。

DJタイムが終わってライブレポート!といきたいところなんですけど、
実は…
ワタシ、アルコールと高温と酸欠状態にハイテンションが加わって、
ほとんど記憶がありません、ハイ。

以下ライブ曲目リスト
 obladi oblada
 Drive My Car
 Strawberry Fields Forever
 Day Tripper
 〜テキーラタイム〜
 Hello,Goodbye
 Let It Be
 Don’t Let Me Down
 All You Need Is Love
 I Want To Hold Your Hand
 Hey Jude

おぼろげに覚えているのが、みんな歌いまくっていたということ。
最初、ビートルズなんてしらけるんじゃねえか?と思っていたのですが、
老いも(失礼)若きも歌うこと歌うこと!
歌声喫茶ならぬ歌声市場状態。
さすがビートルズ、みんな歌えちゃうんです。
その声は数十メートル離れた場所からも聞こえたという報告も。
おそらく畑原市場80余年の歴史の中で初めてであろう、Hey Judeの大合唱で
市場の夜は更けていったのでした。


(写真提供:ちゅーやんさん、みかんさん)







[水道筋ラジオストリート7,8月の予定]

「渋谷系ナイトVol.1」
1980年代後半から90年代にかけて音楽だけでなくファッションやデザインまで
影響が及んだムーヴメント「渋谷系」。そのキャッチーでグルービーなサウンドを
水道筋スペイン坂サテライトスタジオ(笑)からお届け。
日時:7月19日(日)19:00〜
場所:通い船(灘区篠原南町7丁目1の18・水道筋旧西灘劇場から北へ5分)
参加費:500円
詳細はこちら

渋谷系ナイトvol.1

「ビートルズナイトVol.4」
一晩一盤のビートルズナイトvol.4は「No Reply」から「みんないい娘」まで
4thアルバム『Beatles For Sale』完全網羅。
日時:8月9日(日)19:00〜
場所:通い船(灘区篠原南町7丁目1の18・水道筋旧西灘劇場から北へ5分)
参加費:500円
詳細はこちら
ビートルズナイトvol.4

いずれも参加申込が必要です。
問合せ、参加申込は info@nadatama.com 「水道筋ラジオストリート係」まで


2009年6月26日(金曜日)

[灘中央市場]市場でグルメ!お座敷イベント

カテゴリー: - naddist @ 19時37分12秒

灘中央市場事務所

6月28日に水道筋の奥座敷、灘中央市場の大広間でちょっとオモロいイベントがあります。
ナダタマ読者なら毎年秋の水道筋ミュージックストリートでは「沖縄おでん通い船アネックス」
として大バコライブ会場になる大広間をご存じかと思います。
入り口にある戦車とハトの乗り物、通称「戦争と平和」が目印の灘中央市場事務所。
この3階にある普段一般の人が入れない「天空の大広間」を解放して
市場で遊ぼうというイベントです。
つまりですね。市場自体をでっかいバイキングに見立てて買い物をした後、
市場の3階にある大広間でまったりお食事を楽しんでいただこうという、1Fで買った物を2Fで食べる
沖縄の那覇公設市場ならぬ「ナダ公設市場」ライクなイベント。
お刺身、コロッケ、お寿司に総菜、焼鳥、天ぷら、和菓子まで。
わてほんまによお言わんわ、わてほんまによお言わんわ。

そして3時からは…
昨年の水道筋ミュージックストリートのとき、ここで演ったカサスリム氏と小竹親氏の
ユニット「夜な夜な」のご両人、いたくお気に入りだったようで、
「うわぁ、ここエエわ〜、お座敷ライブとかやりたいわ〜」
なんて言ってたのが実現することに。
名付けて「お座敷ブルースライブ」(入場無料)
昭和な市場の昭和なステージで笑いと感動のお座敷ライブ。
食べて飲んで歌って笑って。
市場な一日をお楽しみください。

灘中央市場・天空の大広間

「ナダチュウで遊ぼう 市場でグルメ!買い食い天国」
市場でランチ?市場の食べ物を買って持ち込んで飲食していただけます。
会場ではおにぎりと飲み物を販売しています。
来場者には「市場ウォーカー」進呈
もちろんナダタマ後援イベントです。
日時:6/28(日)12:00〜17:00
場所:灘中央市場(水道筋)
主催:灘恵比寿会

15:00〜
「お座敷ブルースライブ@灘中央市場」
カサスリムと小竹親、関西で大人気の二人が贈るブルースユニット
「夜な夜な」の笑いと感動のお座敷ライブ
(入場無料)

※入場者が多い場合は時間制・入場制限させていただく場合があります。


2008年7月14日(月曜日)

畑原市場ニューヨークへ行く?

カテゴリー: - naddist @ 23時55分59秒

現在、HAT神戸の兵庫県立美術館で開催中の「冒険王・横尾忠則」
いやはや堪能してまいりました。
特に60〜70年代のグラフィックデザインワーク群というかプロセス群。
スケッチから原画、版下、色指定紙までが数百点どひゃーっと展示。
いやこれが面白いのなんのって、もうどうにも前に進めない進めない。
写植(写真植字)のツメやらカラーチップの貼り方、印刷業者への指示稿などなど。
パソコンDTP全盛の今では忘れられた手の痕跡、あ〜たまんねーなー…

え?市場と全然関係ないって?
しかも県立美術館は中央区じゃないかって?

ごもっともです。
本題に戻しましょう。
えー、今回の展覧会観覧のもう一つの目的はですね、
「横尾氏の作品群の中に畑原市場を探しに行く」なのです。
以前当ブログで、横尾氏の水道筋・畑原市場来訪を紹介したことを
覚えておられる方がいるかもしれません。
1年前、横尾氏は畑原市場にあの「畑原Y字路」を見に来たのです。
ということは、彼の代表的なシリーズ「Y字路」に畑原市場が描かれている
かもしれない。
ま、そんな淡い期待をこめて美術館を訪ねたわけです。

結果。
ありませんでした。畑原Y字路は。

うん、なんとなく理由はわかるような気もします。
しかし、ナダタマはあきらめない。
こんな企画があったのです。

  「冒険王・横尾忠則」公開制作のためのY字路写真募集

 兵庫県立美術館では、特別展「冒険王・横尾忠則」の開催に
 あわせて、横尾忠則氏による公開制作を行います。
 横尾氏がライフワークとして数多く描いてきた多彩な「Y字路」。
 8月19日(火)から22日(金) まで当館のアトリエで行われる
 今回の公開制作では、兵庫県内のY字路がテーマです。
 その題材となるY字路の写真を募集します。
 横尾氏自らがセレクトされますので、
 ふるってご応募ください。

応募しますとも。
もしも、もしもですよ。
畑原市場のY字路が選ばれてですよ。
作品になってですよ。
その絵がですよ。
海を渡ってニューヨーク近代美術館の所蔵になるかもしれない。
そうするとニューヨークに畑原市場が再現される。
汽笛亭が、チンタが、久保田精肉店が、サンデーパパが、錦屋が、とうない
惣菜店がニューヨークに出現するという、灘的にとてもシュールでグローカルな
事件になるかもしれない。

公開製作は8月19日。
全く期待しないで待っててください。


2008年4月10日(木曜日)

水道筋発、市場系カフェ

カテゴリー: - naddist @ 10時00分00秒

道頓堀のくいだおれが倒れるというニュース。
どんな人気者でも、本当にささえる人がいないと倒れちゃうわけです。
なんだか寂しい話です。

しかしここ水道筋界隈は春を待っていた桜が一斉に咲くかのごとく
なんだか新店ラッシュです。
バー2軒、カフェ1軒、美容院2軒、鉄板焼、焼肉などなど…
そして市場の中も新しい花が咲きました。

ニュー場内食堂の登場です。
市場の食堂といっても、もちろん東京の築地市場の食堂みたいに、
「プロが集まってそうで、とてもトーシロは入れないような微妙な空気感があって、
おまけになんだかわかんないけど丼や皿から海老フライの尻尾なんかがはみ出てて、
[メンコロドミソダクダク汁なし小!]なんてわけのわかんない符丁が飛び交ってて、
時には味噌汁がカウンターに飛び散ってて、それをカウンターに置いてある共用の布巾で
客が拭かなければならなかったりして、そんなことしながらちんたら食ってたら、
後ろからつつかれそうで」的な店ではありません。

また震災後、新しい市場シーンをつくった「新家」「汽笛亭」「離れの宴」「チンタ醉宵食堂
モンク」といった「畑原ナイトスポットムーブメント」ではなく、昼間のイートインショップです。

サンドイッチ&カフェ「ふっくら」。
場内食堂というよりは場内カフェといったたたずまい。
まず明るい。そんでまったりしたポップ感。
明らかに周りのテンションと違う。
これなら市場初心者の皆さんにとってもハードルが低いはず。
例えて言うなら、
まるで「アパッチ野球軍に水原勇気が入団してしまった感じ」と申しましょうか…
いや、ちょっと違うな…
まるで「ジャズ漫画漫談の木川かえるに木村カエラが弟子入りしてしまった」ような…
わかりにくいな…

ロゴなんてこんな感じなんですから。
看板
どうです。
もう「ゲゲゲの鬼太郎の屋敷に、突然はばタンが遊びにきちゃった」ようなもんです。
ま、とにかく市場がほんわか明るくなったわけ。

さて肝心の商品ですが、場内食堂というと思い出す[丼物、カツ物、刺身物]という
「場内食三羽烏」ではなく、カフェ系サンドイッチです。

カフェ系のサンドイッチっていっても、ボサノバ好き系でバンダナ系でナチュラルメイク系の
おねいさん系がつくる、イケア系のデザイン系な食器に盛りつけられた系の、スプラウト系が
サンドされた、なんだかスカした系でおままごと系のちょこまか系オーガニック系、多様に
見えて実はステレオタイプ系な、いかにも系カフェ飯とはひと味違います。

どうです、この柔らかトンカツサンドの厚み!
柔らかトンカツサンド

どうです、このチーズバーガーの直径!
チーズバーガーセット

で、しっかりと手作りな味もすこぶる誠実なわけですよ。
衒いがない。素直に旨い。
まさしくボリューム、味とも「市場系」であります。

サンドイッチを頬張りつつ外を見れば、そこには石畳の小径でも、緑あふれる中庭
でもなく市場の風景が広がります。
この視点、かなり新鮮です。
市場を「眺めながら」のランチ。
ありそうでなかった市場の過ごし方です。

「水道筋の風情が気に入ったんです」
と、元々大阪のオフィス街でサンドイッチカフェをされていたオーナーさん。
うれしいじゃありませんか。

市場はスーパーのような「1つの施設」ではないと思うのです。
スーパー的な物に代替されるような、やわな空間では決してない。
市場は[状態]かもしれません。
長年育まれ、熟成されてきた多様な個性が集まった[状態]ではないかと。
いわば水蒸気が集まってできる「雲」のような感じ。
決して人が一朝一夕につくることはできないものです。
この市場系カフェのような新しい水蒸気が新たな市場の[状態]をつくり出し、
新しい市場好きが増えてくれたらうれしい限りなわけでっす。

水道筋発、市場系カフェ。
岡本系とはひと味違います。(おそらく)

※まだ開店したてで、市場者(イチバー)がどひゃっと押し寄せて、
 ご迷惑がかかるといけませんので、あえて場所は伏せます。ご了承ください。


2007年11月9日(金曜日)

ピースフルな奥座敷(その2)

カテゴリー: - naddist @ 10時45分52秒

11月10日の水道筋ミュージックストリートの日だけ灘中央市場
協同組合事務所
に沖灘ゆんたくサロン「通い船(かゆいぶに)」が
開店します。
希望、絶望、悲喜こもごもの人間模様を乗せて神戸と奄美、沖縄を
結んだ大島運輸の南島航路を歌った戦後のヒット曲『通い船』から
命名されたこの店は、昨年、水道筋1丁目のcafeP/Sで月1回第1火曜日
だけ開店する「沖縄おでんと島野菜の店」としてスタートしました。

水道筋1丁目の通い船

メインメニューは沖縄おでん。
豚足(テビチ)が入った濃厚な沖縄風のおでんは、那覇「重吉」の
おでんをベースに、石垣島「メンガテー」のコクをプラス。
泡盛に合うおでんです。

沖縄おでん

酒はオリオンビールとシマー(泡盛)。
シマーは毎月変わりました。
月毎にテーマ(島)を変えて飲み比べてもらい、南島焼酎文化の奥深さを
味わってもらうという主旨です。
月変わりで沖縄の様々な映像を見てもらう「西灘キネマ」という企画や
2007年1月20日には「1.17ライブ」を開催しました。
オトがらみでいえば、通い船のロゴはBEGINのCDジャケットのデザインで知られる
浦崎善隆さんのデザインです。

通い船看板

そう、この店を単なる「沖縄風の居酒屋」だと思っていると手痛いしっぺ
返しに合います。
南島の文化や香りを灘区に運ぶ「通い船」というサロンなのです。

そして、通い船は決まった店を持っていません。
その名の通り、船のようにいろんな場所に現れます。
例えば、都賀川。
川のせせらぎに合わせ、三線をつまびきながら焼きテビチを食らったり。
ラッキョチャンプルーを焼いてみたり、ホーメルのウインナーをたこさん
焼きにしてみたり。

都賀川の通い船

例えば、市場(マチグヮー)。
水道筋界隈はかつて「奄美市場」「奄美廉売市場」など南島系の市場が
あったことからも、南島との関わりが強い街です。
(そのあたりの詳細はナダログうちなだんちゅさんの「沖声灘語」で)
今年の8月18日には、この「灘中央市場協同組合事務所広間」にて約60名を
集めての「大ゆんたくサロン」が開催されました。三線を弾きたい人は弾き、
歌いたい人は歌い、踊りたい人は踊る。もちろん語りたい人は語り、呑みたい
人は呑む。自然発生的なグルーブ、それぞれバラバラでありながら緩やかに
セッションしている感じ。
「民謡歌声ディスコ」というジャンルの確立を目の当たりにしました。

灘中央市場の通い船

そして11月10日、通い船は再びこの「市場の広間」に帰ってきます。
通い船ステージでの演奏は
さすらいの旅人(たびんちゅ)、丸山茂樹さん、
沖縄とも関わりが深い牧師にしてブルースシンガー、川上盾さん、
伝説のベーシスト、天野SHOさん、
魂の庶民派・凡人、TOZY、
そしてクロージングまでは「沖灘ゆんたくセッション」となります。
この広間が持つ温かな空気感とソウルフルな音があいまって
きっとピースフルでハートフルな空間になることでしょう。
もちろん三線、三板、太鼓、笛の持ち込みもOKです。
いつものように、沖縄おでん、オリオンビール、そしてもちろん各種泡盛
も取り揃えて皆様のお越しをお待ちしております。

あ、店長は灘夫人(なだぶにん)さんですので。
お間違えなく。

入り口


2007年11月1日(木曜日)

ピースフルな奥座敷(その1)

カテゴリー: - naddist @ 10時00分01秒

今回は灘中央市場北筋の名建築を探訪します。

入り口

最近はすっかり有名になった、「戦争と平和広場」の奥にある
レトロな人研ぎ(人造石塗り研ぎ出し仕上げ)の階段。
飴色の古風な看板。
そして携帯電話が普及した今では絶滅したはずの「電話室」。
良き昭和の灘の香りを残すこの建物が「灘中央市場協同組合事務所」
です。
灘中央市場の中枢、ヘッドオフィスといったところでしょうか。
市場の皆さんの会合、祭事にも使われているようです。
もちろん一般の方は入れませんが、今回はナダタマで特別にご案内いたします。

2階へと上がります。
清楚な階段です。凛とした上品さがあります。
壁をご覧なさい。
最近の新建材にはない暖かさを感じるかと思います。
そして木製の手すりには市場の人たちの人生を支えて来た
やさしさと風格があります。

階段

窓はもちろんスチールサッシ。
アルミにはない質感と繊細さはやはりスチール独特のもの。
青空が余計に青く見えるから不思議です。

スチールサッシ

2階には事務室、小会議室、便所(トイレではありませんよ)など
があり、階段はさらに3階へと続きます。
3階に上れば「え?この建物こんな広かったの?」と驚くぐらいの
広間が現れます。ここが「灘中央市場大広間」です。

広間

奥には床の間と神棚。
これぞ知る人ぞ知る「中央稲荷大明神」と「えびす大神」であります。
まさかこんなところに神社があるとは誰も気づかないでしょう。
逆にこれを知っている人は相当のイチビストでしょうね。

神棚

年季の入ったクーラー(エアコンではありませんよ)と、これまた
ベテラン感あふれる首振り扇風機が日本の夏を演出してくれます。

クーラー

扇風機

湯茶接待ができるように小さな流しがあります。
水を出してみます。
夏ならひんやりとした冷感。
冬ならほんのり暖かい温感。
お察しの通りここの水は井戸水です。
豆腐屋さんやら魚屋さんやらが使う井戸水がこの建物にも引かれています。

流し

最近の灘で失われつつあるピースフルでハートフルな空間が
ここには残っています。
こういうバイプレーヤーの存在が市場の奥行きを
さらに深いものにしているのです。

11月10日、水道筋界隈で開催される水道筋ミュージックストリート
この大広間がメジャーデビューします。
「沖灘ゆんたく広間〜通い船」として1日だけのライブ会場になるのです。
そのあたりはまた来週。           
                           (つづく)


2007年10月18日(木曜日)

畑原市場ほろ酔い場内食堂

カテゴリー: - naddist @ 10時00分59秒

前回に引き続きまして市場の中にある場内食堂ネタです
畑原市場に新しい「場内食堂」がオープンしました。
いや正確にはリニューアルオープンです。
9月末で閉店した「スタンド・チンタ・リカーホール」が
「食堂」になったわけです。

チンタ醉宵食堂

その名も「チンタ醉宵食堂」
スタンドチンタ時代の「雑多で怪しく混沌としたボーダー感溢れる豊かな空間」が
若干スッキリと。カウンターもL字になり席数も多く広くゆったり。
インテリアのスッキリ感や、店名から「スタンド」と「リカーホール」の文言をとって
「食堂」と名乗ったことに、
「前よりもゆったりフードを楽しんでもらいたい」
というマスターの思いが込められています。

チンタ醉宵食堂店内

食堂車をイメージしたということですが、そういわれてみれば
南アジアの国を結ぶ怪しげな国境列車の食堂車のような雰囲気も
そこはかとなく漂います。
食べ処を意識したという言葉通り、カウンターの上には少し大きめの
アジアンテイストなカトラリーがセットされています。

「場内食堂」ですから、もちろん市場仕入れのメニューも。
前店からの人気メニュー上モモ、つくね、皮など各種焼き鳥や
コリコリとした食感が楽しい「鶏ヒップ刺」は鳥一(灘中央市場)から。
「今回はマグロを押していこうかと思てますねん」
ということで、食堂長おすすめの一品の「市場マグロ」は山岡鮮魚店
(東畑原市場)から仕入れ。
あぶり、刺身などお好きな食べ方で。
もちろん食べるだけでなく従来の気楽な呑み処としても使って欲しいということで
店名には「食堂」の前にちゃんと「醉宵」の2文字が入っています。
ということで、醉宵食堂なのです。

ヒップ刺身
マグロ炙り

この店でもう一つ特筆すべきことはクラブバンドがあったりすること。
店内ライブもあるとのこと。
そして来月に迫った水道筋ミュージックストリートでこの店は
「畑原市場会場」になります。
この日は昼間っからソウルフルな酒とアテと音楽が市場の中で楽しめる、
市場好きにはこたえられない1日になるという案配です。
ひょっとしたら昨年みたいに、お隣「前野豆腐店」の男前ソップが
「水道筋ミュージックストリート特価」で売られていたりするかもしれませんね。

ということで左党紳士淑女のための市場の場内食堂、
醉宵食堂で今宵もヨヨイの酔と。
くれぐれも千鳥足でシャッターにぶつからないよう。

チンタ醉宵食堂


2007年10月4日(木曜日)

水道筋的ジョーナイショクドー

カテゴリー: - naddist @ 22時40分54秒

市場の場内食堂。
いい響きです。
「イチバのジョーナイショクドー」
カタカナにしても字面がいいし音もいい。
バ、ジ、ド。
なんてったって濁音が3つもあるのがいいですね。
「オカモトのカフェ」
濁音ないですね。
なんだか締まりが悪い。
街には濁音がないと面白くない。澱みと濁りが。

んで、そのジョーナイショクドーなんですが、なんとなく食材が
良さそうで、プロが集まってそうで、でもトーシロは入れないような
微妙な空気感があって、おまけになんだかわかんないけど丼や皿から
海老の尻尾なんかがはみ出てて、「メンコロドミソダクダク汁なし小」
なんてわけのわかんない符丁が飛び交ってて、時には味噌汁がカウンター
に飛び散ってて、それを客が拭かなければならなかったりして、そんな
ことしながらちんたら食ってたら後ろからつつかれそうで、
それでいて旨い。そんな飯処がいわゆるジョーナイショクドー。
でも最近はその雰囲気まるごとパッケージ商品化されて観光コース
に入れられたり、情報誌でカタログ化されたりしちゃって、
「このメンコロドミソダクダク汁なし小、パネェウマ!」
なんていうおバカが増えたりするもんだからなんだかつまんなかったりする
ジョーナイショクドー。
もう少しユルくて、まったりできるジョーナイショクドーはないものか?
そんな悩みを抱えている人も多いかと存じます。

なかむら

そんな貴兄には水道筋の市場の「場内食堂」を是非ご利用いただきたい。
ええ、観光コースにも入ってませんし、情報誌にもほとんど載りませんから。
もちろん水道筋の市場は「卸売市場」ではないので、そこにある食堂も
いわゆる「場内食堂」とは呼べないかもしれませんが、
「素材と澱みと濁り」は確かです。

灘中央市場にあるお好み焼き「なかむら」
市場のフツーのお好み屋であります。
もちろん食材は灘中央市場調達。
「キャベツ一つでもその辺のスーパーとは違うからねえ」
とご主人。
ま、こういう店はある意味市場の試食コーナーでもあります。
ここで食べる豚肉やイカやキャベツが旨かったら、
市場で買って帰ろうかなとなるわけで。

なかむら

で、もちろんそんな市場素材100%のフワフワ「豚玉」がうまいのは当たり前な
わけですが、このお好み焼き店が場内食堂らしいのは、焼けるまでの間に刺身を
つまんでるお客さんがいること。
「もうちょっとしたらサワラの刺身旨いで」
なんていう感じで市場の「昼網」があったりすること。
「なんやかんや言うても魚と肉はやっぱり市場がうまいで、
 ワシお好み焼き嫌いやねん、ガハハ!」
コテコテ感を創出しつつ、実は瓶ビールが「ハートランド」だったりする外し方。

あーいいなーユルくて。もちろん味はユルくない。
変な符丁も飛び交わないし、
味噌汁も拭かなくていい。
そんな灘のジョーナイショクドー、是非一度お試しあれ。


2007年9月17日(月曜日)

東畑原市場ゴーヤガーデン

カテゴリー: - naddist @ 20時00分12秒

畑原市場を灘中央筋から東に進み畑原Y字路を過ぎ、くの字に曲がった
畑原シケインを越えるとそこから東畑原市場。旧太田川マンホールを越え、
さらに進んでいき「モンク」の赤い提灯が見えたらそこからは畑原東商店街
になるわけですが、その手前にある「おもろい店」、そのまた手前
に不思議な空間があります。
隣は灘駅弁や摩耶鍋の製作でおなじみ創作料理の店「新家」。
一部で「東畑原ポケットパーク」と呼ばれているこの空間はいつも
板戸が閉められていますが、たまに少し戸があいている時があります。
隙間から覗き込むと、なんとも懐かしいような小さな空き地。
ガラクタのようなものが見えたり洗濯物が見えたり、
そして地面と青い空と建物を覆う緑。
東畑原市場の庭といった風情。
昔、灘のいたるところで見られた様な空き地。

東畑原ゴーヤガーデン

この小さいけれど日当りの良い空き地にはゴーヤが植えられています。
というか育ちまくっています。
この空き地のある東畑原市場は元々、多くの奄美や沖永良部など南島の
方が商売をされていた市場。
今ではそんな風情はありませんが、この空き地のゴーヤだけがこの場所の
歴史を語っているようです。

で、このゴーヤで佃煮を作っているのが空き地の隣「新家」のお母さん。
新家はもともと「あらた寿司」として昭和20年代、東畑原市場の創世記に
開店。先代はやはり沖永良部の方です。
でも、ゴーヤ佃煮を作っているお母さんは生粋の灘っ子(五毛っ子)。
このあたりのチャンプルー具合が灘らしいじゃありませんか。
1回で5〜6kgも炊くという「東畑原のゴーヤ佃煮」は、
いまや界隈の隠れた名産です。といっても販売されているわけではなく、
ご近所さんや知り合いにお裾分けされているわけです。
お裾分けっつーのが灘らしいじゃありませんか。
これが結構美味いんですよ。
そんなに苦くないのでゴーヤの苦みが苦手な人でも大丈夫。
でもちゃんとゴーヤです。

ゴーヤの佃煮

「このゴーヤの佃煮を東畑原市場のイカナゴにできへんかな思てるんですよ」
と、新家店長のテルさん。
なるほどイカナゴの釘煮が春を告げる市場の味なら、
ゴーヤの佃煮は夏を告げる市場の味。
初夏を告げる南島の味、東畑原市場のゴーヤの佃煮。
いいじゃないですか!
じゃ来年の5月8日(ゴーヤの日)発売という事で。
東畑原市場のゴーヤの佃煮、新たな灘印良品の予感です。


2007年9月7日(金曜日)

畑原市場のクーラー

カテゴリー: - naddist @ 12時00分55秒

いやはや猛暑でした。
9月にはいってもなんとなく残暑感がねっとりと残っています。
今年の夏は道を歩いていてもクラクラとめまいが…。
道にクーラーがあれば、なんて思ったことはありませんか?

そんな贅沢な願いをかなえてくれるのが市場です。
水道筋にある市場はまさに「クーラー付きの道」です。
え?市場ってスーパーと同じように建物の中じゃないの?
なんて思われる方も多いかと思いますが、市場内の通路はあくまでも
アーケード。つまり道ですな。

そこが涼しいわけですよ。
かなり贅沢なわけですよ。
インドからマハラジャが訪れても、相当に驚くのではないかと。
なんせ道が涼しいわけですから。
かつて「150馬力の冷房力(注1)」を売り物とした灘中央市場の
クーラーも今夏はフル回転。

畑原クーラー

そして昨年の火事で失われた畑原市場のクーラー復活。
小さなニュースですが、私的にはこの夏一番のうれしいニュースでしたよ。
いやほんと。
「前のより冷えるで」と佐藤豆腐店のご主人。
確かに以前のクーラーより冷えがいいような気がします。
前は天井のダクト内を冷気がめぐり、ところどころ吹き出すタイプでしたが
ニュータイプは天井からずらりと吊り下げ型のクーラーがぶら下がり
「道」に冷気を送り出すタイプ。なんだか平五郎稲荷の鳥居列を彷彿
とさせるクーラー群はそれなりに圧巻。
確かに無骨なんだけど、いかにも「どうでっか?冷やしてまっせ!」
って感じがして、なんだか頼もしくていいんですよ。これがまた。

9月2日で畑原市場の大火からちょうど一年が立ちました。
市場全体の建替えも模索されているようですが、難航しているとのこと。
もちろんいろんな考え方の人がいると思うのですが、1ユーザーとしては
このヒューマンスケールで体内のような空間感や、人と人との近さ、ザラザラ
ゴツゴツした手触りは是非残って欲しいなと。
今後、市場が残っていくためにもそんな「市場らしさ」を大事にして欲しいなと。
「そんなものは今の人は求めていない」と切って捨てるのはカンタンですが、
そういうものを求めている人もいる、いやそこに市場の可能性があることを是非
お忘れなく、と言いたい。
水道筋の六甲道化は必要ないのです。
水道筋と六甲道、性格の違う2大商圏があるのが灘の魅力です。
それを同じような街にしちゃってどうするのよ。
今秋水道筋で開催される「水道筋ミュージックストリート」も、そのあたり
の模索の一環です。

ま、ともあれ、ほんとに間に合って良かった。畑原市場のクーラー。

注1)参考:神戸市小売市場連合会20周年史


2007年6月15日(金曜日)

横尾忠則氏畑原Y字路に出会う

カテゴリー: - naddist @ 12時30分44秒

先日、なんとアノ「横尾忠則」さんが畑原市場のスタンド
「チンタ」にふらりと飲みに来ました。
横尾さんといえば、アナタ日本を代表するアーチスト。
チンタのマスターは美大出身ですが、だからといってそんな
大御所が市場に来るとは…。
なぜ彼は畑原市場に来たのでしょう…?

彼は市場の空間そのものにひかれてやってきたのです。
カンのいい方ならピンときたかもしれません。
ご存知のように畑原市場は途中にY字路がありますが、
この「畑原Y字路」を見にきたのです。

横尾さんの最近の代表作「Y字路」は、全国にあるたくさんの
Y字路をひたすらキャンバスに描き続けるシリーズものです。
水道筋が、いや灘区が誇る畑原Y字路が横尾さんのおメガネに
かなったというわけです。
あたりまえですが、こぎれいなビルにはいったスーパーマーケット
だったら彼はここを訪れることはなかったかもしれません。
だってそういうところにはY字路ないですから。
途中で曲がったり、小さな抜け道があったり、とんでもなく
長いトイレへのアプローチがあったり、アップダウンがあったり
川が流れていたり、お稲荷さんがあったり、そこで猫が昼寝していたり。
まるで全体が1つの生き物のような空間が水道筋の市場です。
最近はやりの「○○博物館」や「○○レトロの町」みたいな
精気のないニセ昭和もどき空間にはないリアリティがここには
あります。

そしてY字路。
街のシワのような道。
なんとなくワクワクするようなドキドキするような不思議な道。
Tバック、いやT字路や十字路では味わえないセクシー感。
そして寂寥感。
畑原Y字路がもしT字路だったら…
考えただけでもぞっとしませんか?

もちろん横尾さんは
「単に形の良いY字路があると聞いたんで来たのよ。
 味があるとか歴史がどうのなんて関係ないね」
なんておっしゃるでしょう。
でも、もしまたふらっと「チンタ」のカウンターで飲んでいたら
お聞きしてみたいものです。
「ヨコオ」の目に畑原市場はどう映ったのかを。
そして畑原Y字路の先に何が見えたかを。

畑原Y字路


2007年4月2日(月曜日)

畑原市場のほろ酔い教室

カテゴリー: - naddist @ 15時00分54秒

市場は教室でもあります。
食材の種類、旬、調理法なども教えてくれます。
もしレシピが決まっていたとしてもお店の人に聞いてみてください。
あっとおどろくレシピを伝授してくれるかもしれません。

変わり種ですが市場にはこんな教室もあります。
市場と言えば生鮮品、日用品というのが相場ですが、震災後、一風変わった
飲食店が増えています。
おいおい紹介しますが、その中でもすっかり老舗になってしまった
畑原市場のショットバー「酒庫 汽笛亭」。
この汽笛亭が始めたのが「かもめカクテル教室」。
その名の通りカクテルを学ぶ教室です。
教室といっても、扉をあければそこはバー。
S出、N井の両バーテンダー氏がいつもの笑顔で
「いらっしゃいませ」
いつもと違うのは、止まり木のほろ酔い客がいないことと
カウンターの上にある「教材」
マスターオリジナルのテキストの横にシェーカー、メジャーカップ、バースプン、
アイストングなどのプロ用グッズが整然と並べられています。

教材一色

用語などの座学を流してから、最初の実技です。
「まずはステアをしていただきます」
まずはメジャーカップ、バースプンの扱いを覚える。

ステア

「ではシェーカーを振ってみましょう」
氷のみを入れての素振り。
これが結構楽しい。

シェキナベイベー

「レモンを切ってしぼってみましょう」
うーん料理教室みたいで、いいねえ。

レモンを切る

実習の合間に、酒の歴史などを学んでいたら
あっという間の3時間。
いよいよ最終実技です。
「では最後にエル・ディアブロをつくっていただきます」
マスターがホワイトボードにレシピを書きます。
ただし分量は書かれません。
つまり配合も考えないといけない。
テキーラとカシス、そしてライムをいかに組み合わせ、
シェーカーでいかに一体化させるか?
やがて参加者それぞれのエル・ディアブロができ上がります。
酒が濃いの、酸っぱいの、各人の個性がカクテルににじみ出ます。
そしてシェーカーの振り方、ステアの仕方でこんなにも味が変わるのか
という驚きを体験することができます。

修了制作

「ここはカクテルの作り方をだけ教える教室ではなく
 おいしいカクテルをつくってもらう教室ですので、
 いいオリジナルカクテルができれば、店で出します」
とのこと。
そうここ汽笛亭は、灘の地名を冠した「西灘」「六甲」「青谷」「六甲山牧場」
などの町カクテルでも知られる店。
この教室の卒業生によって、いろいろな街カクテルが今後増えていくかも
しれません。

畑原市場のほろ酔い教室。
是非マナんでみてください。

「かもめカクテル教室」(要予約)
土・日曜 13:00〜or16:00〜
料金:3000円(教材、ドリンク代込み)
基礎、上級など各種コースあり
お問い合わせは酒庫汽笛亭まで

酒庫汽笛亭
灘区水道筋2-2 畑原市場内
TEL:078-861-1925


2007年3月5日(月曜日)

魅惑の雪隠

カテゴリー: - naddist @ 21時00分28秒

市場の魅力は商品ももちろんですが、空間の魅力も重要な要素です。
特に水道筋界隈の市場は斜めの道があったり、上り坂があったり
下り坂があったり。歩いている内に市場の名前が変わったり。
初めて訪れた人は、必ずといっていいほど、方向感覚を失い、
瞳孔が開き、のどは渇き…とまではいきませんが、迷宮に迷い込んだ
ような感覚に襲われるはずです。
灘の街では失われつつある、この「路地感覚」は重要な市場の魅力です。
作ろうと思っても作れない、歴史の蓄積と人類の叡智、進歩と調和、
出会いと別かれ、涙と笑いがこのような未曾有の癒し系有機的小宇宙を
現出させているのです。
スーパーへ行ってご覧なさい。
商品はともかく、空間的な魅力を感じますか?

市場の空間の面白さで特筆すべきスポットがあります。
トイレです。
「え?市場にトイレあったっけ?」と思われる方もいるかもしれま
せんが、ちゃんとあります。

畑原市場のトイレは南筋にあります。
天井付近にトイレマークがあるのでそれを目安にしてください。
ドアを開けると、そこにトイレはなく細い路地が続いています。
ここでひるまず奥へ進むとやっとトイレにたどりつきます。
桂離宮を思わせる空間シークエンスの妙がここにはあります。
用を足す前にしばし思索に耽ることのできる道がある。
なんと贅沢なんでしょう。
灘区内のトイレでもここよりワクワクするトイレはあまりないと
思われます。(注)

灘中央市場のトイレは、畑原市場とは趣きが少し違います。
ここはとにかく入口の幅が狭い。
半身になってはいらなければならないのです。
バラエティ番組でも「日本一幅が狭いトイレ」(?)的な感じで
紹介されたことがあるくらいですから。
ちょっとお腹が出てきたお父さん達は通れないかもしれません。
私はこのトイレを「灘中央横リンボー」と名付けています。
とにかくこのトイレを利用する度に、お腹の出具合を認識せざるを
得ない。つまり用を足すために痩せなければならない。
こんなヘルシーなトイレがほかにあるでしょうか?

畑原市場WC

灘中央WC

とにかくこの2つのトイレは現代建築が忘れてしまった魅力に
あふれています。

脇役ながらこの個性。

市場へ買い物にいったついでに是非ご利用ください。
くれぐれも立つ鳥後をにごさずで。

写真左:畑原市場
写真右:灘中央市場

(注)参考文献
「畑原トイレ昭和アメイズ」メルマガnaddist031216-172号


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