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2008年8月14日(木曜日)
市場の夏 鱧皮の夏
2008年7月14日(月曜日)
畑原市場ニューヨークへ行く?
2008年6月16日(月曜日)
目には摩耶舌に島酒初鰹
2008年6月2日(月曜日)
ニョロニョロのスナフキン和え
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2008年8月14日(木曜日)

市場の夏 鱧皮の夏

カテゴリー: - naddist @ 17時00分51秒

金鳥の夏 日本の夏
そんな美空ひばりのCMが流れていたのは何年前だったでしょうか。
子どもごころに「蚊取り線香を日本の夏の代表にしてもいいのか」という
疑問が常につきまとうCMでした。
だって蚊ですぜ、蚊。
いや、もちろん蚊取り線香なんて夏売らなきゃどうすんのよ!ってのは
わかるんですけどね。
そして、能面のごとく異常に涼しげな美空ひばり。
てめえ、今日灘区は光化学スモッグ警報出てんだぜ!
プール入れねーし、目が痛ぇんだよ!
なんて、突っ込みたくなったものです。
もちろん灘区内には美空ひばりの芸能興行を取り仕切っていたT岡氏がいるので
大きな声では言いませんでしたけど…

市場の夏、と言えばやっぱり鱧です。
関東方面ではあまり見かけませんが、関西では夏になると、どの魚屋さんにも
夏鱧が並びます

魚屋さんだけじゃないんですね。鱧が並ぶのは。
例えば市場のフライ屋さん。
この時期「鱧のフライ」が出回ります。
関西ならではの少し贅沢なフライです。
外はサクサクなんだけど、中身がしっかりとした弾力感があってこれでビールを
飲るのもたまりませんな。

あと、かまぼこ屋さん。
鱧は高級蒲鉾の材料でもあります。
ぜいたくです。上等です。市場のかまぼこは。
そして隠れた逸品が、かまぼこを作る際に出る鱧の皮を焼いた「鱧皮」。
基本的に鱧は高級魚とされています。
湯引きでもそこそこの値段はしますし、京都なんぞでそれなりなところで
しかるべき鱧なんかを注文しちゃった日にゃあ、そこそことられるわけです。
阪急京都線で京都慕情なんぞを口ずさみながら「早く灘に帰りたい」なんて
ちょっぴり涙ぐんじゃうわけです。
でもかまぼこ屋さんで売ってるのは「皮」。
いわば「ほるもん」ですね。
これが安くて旨いのね。
なんともいえないコラーゲンチックな弾力感がたまりません。
で、1パック220円。
「ウチのは新鮮やし、冷凍したら10日くらい持つよ」
と灘中央市場のかまぼこ店「みつの屋」のお姉さん。
うん、ここの皮が私の好みです。

そのままオーブンでカリカリっとあぶって酒肴にしても、わかめと和えて
酢の物にするのもいいのですが、我が家では、夏の昼飯としてそうめんと組み合わせます。
そうめん(できれば灘目)に焼鱧皮、ごま、ミョウガ、大葉を乗せ、ごまだれをかけて
ズルズルっといっちゃってください。
「焼鱧皮スタミナそうめん」
香ばしい鱧皮に爽やかな大葉がなかなか合います。

鱧皮そうめん

それと…
なんでも鱧皮にはコンドロイチンが多く含まれ、夏場荒れ気味な女性の肌
にも良い「美容食」だそうで。
市場の鱧皮でプリプリ美肌を。
やっぱりNHA(灘の鱧のコンドロイチン)だね!


2008年7月14日(月曜日)

畑原市場ニューヨークへ行く?

カテゴリー: - naddist @ 23時55分59秒

現在、HAT神戸の兵庫県立美術館で開催中の「冒険王・横尾忠則」
いやはや堪能してまいりました。
特に60〜70年代のグラフィックデザインワーク群というかプロセス群。
スケッチから原画、版下、色指定紙までが数百点どひゃーっと展示。
いやこれが面白いのなんのって、もうどうにも前に進めない進めない。
写植(写真植字)のツメやらカラーチップの貼り方、印刷業者への指示稿などなど。
パソコンDTP全盛の今では忘れられた手の痕跡、あ〜たまんねーなー…

え?市場と全然関係ないって?
しかも県立美術館は中央区じゃないかって?

ごもっともです。
本題に戻しましょう。
えー、今回の展覧会観覧のもう一つの目的はですね、
「横尾氏の作品群の中に畑原市場を探しに行く」なのです。
以前当ブログで、横尾氏の水道筋・畑原市場来訪を紹介したことを
覚えておられる方がいるかもしれません。
1年前、横尾氏は畑原市場にあの「畑原Y字路」を見に来たのです。
ということは、彼の代表的なシリーズ「Y字路」に畑原市場が描かれている
かもしれない。
ま、そんな淡い期待をこめて美術館を訪ねたわけです。

結果。
ありませんでした。畑原Y字路は。

うん、なんとなく理由はわかるような気もします。
しかし、ナダタマはあきらめない。
こんな企画があったのです。

  「冒険王・横尾忠則」公開制作のためのY字路写真募集

 兵庫県立美術館では、特別展「冒険王・横尾忠則」の開催に
 あわせて、横尾忠則氏による公開制作を行います。
 横尾氏がライフワークとして数多く描いてきた多彩な「Y字路」。
 8月19日(火)から22日(金) まで当館のアトリエで行われる
 今回の公開制作では、兵庫県内のY字路がテーマです。
 その題材となるY字路の写真を募集します。
 横尾氏自らがセレクトされますので、
 ふるってご応募ください。

応募しますとも。
もしも、もしもですよ。
畑原市場のY字路が選ばれてですよ。
作品になってですよ。
その絵がですよ。
海を渡ってニューヨーク近代美術館の所蔵になるかもしれない。
そうするとニューヨークに畑原市場が再現される。
汽笛亭が、チンタが、久保田精肉店が、サンデーパパが、錦屋が、とうない
惣菜店がニューヨークに出現するという、灘的にとてもシュールでグローカルな
事件になるかもしれない。

公開製作は8月19日。
全く期待しないで待っててください。


2008年6月16日(月曜日)

目には摩耶舌に島酒初鰹

カテゴリー: - naddist @ 20時30分12秒

「カツオありまっせ!」
「今日はええカツオが入ってるで」

今の時期市場を右往左往していると各魚屋さんにそんな言葉をかけられます。
そう、私カツオ好きなんです。
その辺の顧客データをもとに、声をかけてくれるわけです。
春と秋、上りと下りどちらのカツオも好きなのですが、最近はどちらかと
いうと春のカツオ、つまり上りカツオの方が好みになってきました。
さっぱりしてるんですよ。
キャンディーズで例えれば、最初はスーちゃんが好きだったのに、
そのうちランちゃんになって最終的にはミキちゃんだよな〜という感じ。
あ、そんなもんに例えなくていいですか?
すいません。

さて上りカツオの食べ方ですが、たたきにしてポン酢でというのが
定番でしょうか。
脂がのってないのでたたきにしないで、刺身っつーのもいいかもしれません。
江戸っ子を気取るなら辛子で食べるのもオツですな。
灘クミン的には「醤油ケンコーマヨネーズ」で食べるのもフンイキですね。
あ〜よだれでてきたわ。

水道筋の市場界隈の飲食店でも、この市場のカツオを出してくれる店が何軒がありますが
その中から今日は変わり種をご紹介します。
東畑原市場の真ん中を南北に走る「昭和感」がそこはかとなく漂う細い路地。
オールド灘クミンには「西灘劇場の縦筋」と言った方がわかりやすいかもしれません。
古道具屋がごちゃっと集まってる「水道筋骨董通り(バッタ筋)」といわれているストリート。
最近は「異食屋 TUBOMAN」「ビストロTHE屋台 離の宴」「お好み焼き 西村」など、
コアでユニークでデリシャスな飲食店が軒を連ねるエリアでもあります。
ここに6月13日にオープンしたのが、沖縄おでんと泡盛が楽しめるカウンターだけの
小さな店「通い船(かゆいぶに)」。
といっても金土のみ営業の「週末沖縄おでん屋」というコアな店です。
この店のコンセプトは「昔から縁が深い灘と沖縄・奄美をつなぐゆんたくサロン」。
単なる沖縄居酒屋ではなく「灘の市場モン」がメニューにあるのがミソです。
今の旬の市場モンとしてカツオがラインナップされています。
このカツオに合わせるのが「沖縄のさしみ味噌たれ」。
沖縄本島北部のカツオ漁の町、本部(もとぶ)町特製のミソだれです。
沖縄では刺身は酢みそで食べるのがポピュラーなのですが、
このミソだれは泡盛古酒とニンニクが入った「カツオ用」。
このたれで畑原市場のカツオを食すという、いわゆる「沖灘料理」です。
少し濃厚なたれがあっさりとした上りカツオに合います。
日本酒ならポン酢があうでしょうが、泡盛にはやはり沖縄のみそだれが
しっくりときます。
かつて奄美市場と呼ばれた市場もあった、この界隈で食べる初夏の味も乙なものです。

「目には摩耶 舌に島酒 初鰹」


2008年6月2日(月曜日)

ニョロニョロのスナフキン和え

カテゴリー: - naddist @ 23時50分32秒

市場は食材の森であり海であります。
なので、季節によって店頭の風情や匂いが変わります。
それを感じることも市場の楽しみ方の一つです。
今日から近畿地方も梅雨入りした模様。
市場にもぼちぼちと梅雨系の食材がならび始めます。
目立つのは梅やらっきょといった漬系。
ゴロゴロと八百屋さんの店頭に積み上げられ、市場の通路には梅雨の
訪れを告げる香りがほんのり立ちこめます。

ここで嗅覚の感度を少し上げると、鼻の奥の方で少々刺激的な香りを
キャッチできます。
梅やらっきょといった、いわゆる「梅雨メジャー」の陰に隠れるように
ひっそりと、しかもほんの数日間だけ姿を見せる香り。
小粒でピリリと辛い「生の実山椒」。
もちろん佃煮屋さんには常時醤油で炊かれた実山椒がありますが、
生はこの時期しか手に入らない限定季節食材であります。

堂々と梅雨時期の主役を張れる梅やらっきょではなく、
脇役なんだけどしっかり主張して、知らない間にすっとフェイドアウトしていく。
こういう食材に弱い。
たとえば市場がムーミン谷だったとします。
そうなると梅がムーミンで、らっきょがノンノン。
さしずめ実山椒は市場のスナフキンって感じでしょうか。
ある日ひょっこり現れて、
「キミも大人になったらこの味がわかるさ」
なんてムーミン相手に辛口のウンチクを垂れる。
そんで「ムーミン、僕は旅に出なくてはならない」
なんていいながら、すぐに市場から姿を消してしまいます。
「雨にぬれ立つ おさびし山よ 我に語れ 君の涙のそのわけを〜」
なんて、どう考えても子どもには難しすぎる辛口の歌を口ずさみながら。
「スナフキン、行っちゃやだ!行っちゃやだ!」
ムーミンが泣いてももうスナフキンは帰ってきません。

そんなさすらいの旅人感を実山椒に感じてしまうのです。
で、思わず買ってしまうわけです。
さて実山椒を何に使うか。
所詮スナフキンですから主役にはなれないわけでして、間違って
「実山椒丼」とか「実山椒のかき揚げ」とか主役級の扱いをして
しまうと、口の中がヒリヒリのイガイガでえらいことになってしまいます。
かといって、ちりめん山椒や佃煮作るのもなんだか普通っぽすぎるしなあ…。
スナフキンと何を合わせるか?
なんて考えながら市場を物色していたらいました、いいキャラが。
ニョロニョロです。
ピリ辛のスナフキンに合わせるのはやはりニョロニョロしかいない。
てことでこんな初夏のメニューを考えてみました。
オリーブオイルにゆでた実山椒と塩を入れて「スナフキンオイル」を作り
それで旬の剣先イカの刺身(ニョロニョロ)を和えてみました。

題して「ニョロニョロのスナフキン和え」
ニョロニョロの甘みと、それを引き立てるスナフキンの爽やかな辛さがうれしい、
初夏のムーミン谷…じゃなかった、市場の小肴です。


2008年5月22日(木曜日)

山の市場の本屋さん

カテゴリー: - naddist @ 21時00分55秒

摩耶山リュックサックマーケット(5月)

毎月第三土曜開催の摩耶山上の市場「摩耶山リュックサックマーケット」が3年目を迎えました。
毎月店の風情が変わる様子は、まさに摩耶山の自然のごとし。
ユルユルと流れる空気感は、摩耶山のそよ風のごとし。
同じ市場ということで当ブログでも、逐次この山上市場の様子をお伝えして
いこうと思っております。

5月17日、五月晴れとはいえないけど、おだやかでまずまずのリュックサック日和。
今回は92組(目視)の素敵な店が掬星台にちりばめられました。

ブッククロッシング

4月のリュックサックマーケットから新しいお店が登場しました。
いや、お金のやり取りはないので「コーナー」といった方が正しいかもしれません。
巷で話題の「本に世界を旅させる」活動、ブッククロッシングの「摩耶山ゾーン」です。
人に読ませたい本を登録して「リリース」すると、その本がいろんな人の手を経て
いろんなところに旅します。
おもしろいのがウェブサイトでその本の位置や、他の人が書いた感想も見ることが
できるってところ。
で、摩耶山でもいろんな本が放流されていました。
まさか灘モノはないだろうと思っていたのですが、
ありましたよ、灘本。

マルコポーロ

灘文化堂でも紹介した元灘クミン、陳舜臣さんの『マルコ・ポーロ』!
早速ゲットさせていただきました。
どこでリリースさせるか楽しみです。

本がらみでもう1店舗。
「物語屋」さんです。
お客さんにお代を出してもらって、即興で物語をつくるお店。
くじをひきお題の頭文字を決め、お題をリクエスト。
約15分で原稿用紙に物語がしたためられていきます。

物語屋さん

私が引いた頭文字は「ゆ」だったので、なんとなく「勇気」という
お題にしてみました。
深い意味はありません。
灘的には「弓の木町」にすべきだったかな?
(できあがった小説はこちら

さてさて、そのお隣は「朗読屋」さんです。
なんと、朗読を買えるわけです。
店主の甲斐祐子さんといえば…
そう、取り壊される灘駅舎で開催したイベント「灘駅で本を読む日。」で朗読を
していただいた灘ゆかり(?)の朗読家さんです。

朗読屋さん

0歳から99歳という年齢を題材にした短編集から、好きな年齢を「注文」すると
自分のためだけに隣で朗読してくれるという案配。
5歳と41歳と42歳を注文させていただきました。
耳元をくすぐる初夏の風のような朗読でございました。

朗読中

摩耶山と本って意外と相性いいのかもしれない。
また一つ摩耶山での新しい過ごし方が生まれてきそうな予感がする、
五月曇りのリュックサックマーケットでした。


2008年5月15日(木曜日)

キュートな魔法のエコたわし

カテゴリー: - naddist @ 21時00分55秒

来週末、神戸で「G8環境大臣会合」が開催されます。
洞爺湖サミットのエコ系プレ会合ってところでしょうか。

エコ系の言葉遣いでよく、
「地球に優しい」「環境に優しい」とか言いますよね。
この言葉がどうも納得できない。
大体「地球に優しくする」なんて、何様やねん。
地球に優しくして「あげる」という人間の傲慢さ。
これはエコではなくエゴじゃないかと。
つまり地球とか環境は私の[外]にあるという考え方。
これではいつまでたっても自分の問題にならない。
こういうことだから「やっぱ心配なのは熱帯雨林よね〜」
なんて言いながら近所のスーパーに車で行くなんていう
輩が減らないのです。
「地球に優しい」なんて言ってるかぎり、地球環境なんてますます
悪くなるばかりかと、かように思うわけです。

「地球に優しい」同様のおバカ語に「まちづくり」という言葉があります。
大体「まちをつくる」なんて、何様やねん。お前ら神か。
街は「つくるもの」だという人間の傲慢さ。
つまり街とか地域は私の[外]にあるという考え方。
街は我々がつくるものではなく、我々自体が街の一部なはずなのに、
「まちづくり」なんて言ってるかぎり、街なんてますます…

すんません、なんかボヤキブログみたいになってきましたので、
話を戻します。

え〜。
そうそう市場です。
今回はG8環境大臣会合記念ってことで市場でエゴ商品…じゃなくて
エコ商品を探してみたわけです。
数ヶ月前「毛糸って、天然のエコ素材なんですよ!」と熱く語ってくれた
六甲山牧場勤務のIさんの言葉を思い出して、以前純毛パッチを紹介した
毛糸店、灘中央市場の「やはたや」へと。

さすが市場は裏切りませんよ、みなさま。
ありました。とても素敵なエコグッズが。

やはたやの毛糸のたわし

やはたや特製の「毛糸のたわし」でございます。
そうかつて一世を風靡した(大げさか…)毛糸のたわし。
台所の蛇口とかにぶら下がっていた、なつかしの台所用品です。
大体子どもの頃は、毛糸がたわしになるっていうのが
オドロキだったわけです。
毛糸ってのは、帽子になったり、セーターになったり、手袋になったり、
ま、防寒系服飾品になるのが普通なわけですよね。
それで、皿を洗っちゃうのですよ。
普通食器を洗うスポンジなんていうものは装飾なんてないものです。
しかし、この毛糸のたわしは思いっきり装飾的なわけです。
もう、灘の婦人会の人たちなんかは「マリーゴールドたわし」とか
「あじさいたわし」とか「パンダたわし」とかつくっちゃう。
それで、コップとか洗ってるわけですよ。
そうこのたわし、基本は「手作り」なのです。
各家々の流しにそれぞれのオリジナルたわしがある。
ステキですね。
これが「まちづくり」なんかでは到底つくれない街の豊かさです。

もちろんこの商品もやはたやのお母さんの手作りであります。
「見た目もかわいいけど、汚れもよお落ちるんよ。
 ガラスのコップとか茶碗の茶渋とかピカピカになるんよ」
と、やはたやのお母さん。
そうこのたわし、かなりの高性能らしい。
なんせ、中性洗剤がいらないんですよ。奥さん!(お嬢さん!)
黄色い洗剤、青い洗剤、道頓堀の灯りじゃないんだから
そんなものはいらないんですよ、奥さん!(お嬢さん!)
この毛糸のたわしで、かるーくやさしくこするだけ。
ほら、見て見て見て見て、
毛糸の繊維が、汚れをどんどんこそげとる。
コップにお皿にちゃわんに急須、ついでにダンナも洗っちゃえ。
油汚れなんのその。
おまけに奥さん、洗剤使わないから手も荒れないときたもんだ。

むっちゃエコですやん!
もっと大々的に売りはったらええのに。
「手作りやからねえ。あんまり数作られへんのよ」
いいですね、この奥ゆかしさ。マイスターの心意気。
ひっそり息づく市場の逸品。
手作りの愛らしいシルエット。
魔法のエコたわしはやはたやで。


2008年4月24日(木曜日)

ねぎ[氷見]ま鍋

カテゴリー: - naddist @ 15時00分34秒

「食い倒れの新開地 着倒れの水道筋」

数年前、灘の古老に聞いた言葉です。
「新開地の人は芝居や外食に金をかけ、水道筋の人(=灘中の手住民)は食べ物は
始末してその分エエべべ着てる」てことらしい。
(本当はもう少し強烈な皮肉があったのですが)

そう言われれば、水道筋かいわいには呉服屋や洗い張りの店が多いし、
小さいころ「水道筋ディナー」ってあんまりした覚えがない。
「お外でごちそう」的な店は少なかったかもしれない。
食べ物を始末する=外食をしないってことなのでしょう。
やはり市場で食材を買い物をして家でつくるという、家食文化の街なのかもしれません。
なんせおいしい素材がごろごろしているワンダーランドがあるのですから。

いつものように市場へ買い出し。
少し肌寒かったのでなんとなく小鍋っぽいものでもすっか、
なんて考えながらウロウロしていると「魚辰」の大将、

「鮪の鍋、どう?」

あ〜いいですね。
濃いめの出汁でねぎま鍋なんて酒が進んでしょうがないっす。
なにやら奥の冷蔵庫からドカンと出てきました。

「氷見のマグロや。うまいで!」

氷見マグロ。
氷見と言えばアータ、寒ブリで有名な富山の漁港。
マグロもなかなか絶品でございまして。
なんせ氷見から北上し、青森あたりで穫れるマグロがあの高級ブランド「大間マグロ」
らしいのですから。
もちろん本マグロなんですが、今回いただいたのは頭、あばら、そしてテール肉。
つまりサクをとった後のあら肉です。
なのでフトコロにもうれしい。

「いちばんよお動いとおとこやからおいしいで。DHAもたっぷりやで」

そうでしょうそうでしょう、しかもブランドもんの本マグロっすからね。
スーパーにある、よーわからんマグロのアラとは訳が違う。
スーパーのはアラじゃなくて「マグロのアレ?」ですね。
アレ?これってマグロ???ホントに???
あるいは「マグロのアララ」って感じかも。
やったら赤いけど亜硝酸塩まみれ?アララ…。

市場のは「アレ?」でも「アララ…」でもない真っ当な「アラ」
「1000円分くらい入れとこか」
と入れてもらったマグロ、マグロ、マグロ。
てか、むっちゃ量あるんですけど!

氷見マグロのアラ

「あまったら焼肉のタレにつけてジンギスカン風にしてもおいしいで。
 野菜といっしょにワシワシと。昨日ウチはそないして食べてん」
ひ、氷見マグロのジンギスカンっすか!
本マグロを野菜といっしょにワシワシっすか!
贅沢っすね〜。
矢崎滋あたりが「まるっ!」て叫びそうなレシピです。

ま、そんなこんなで、
甘辛のすき焼き風割下で「ねぎ[氷見]ま鍋」をつくってみました。
あわせる野菜は白葱ではなく、やはり旬の淡路の新玉ねぎに。
もちろん市場もの。
この玉ねぎが甘いのなんの。
鮪といっしょに生玉子につけていただきます。
脂っこくなく身が締まって旨さが凝縮してる感じ。
なんだろ?
田淵じゃなくて、金本って感じ?
ちょっと違うかもしれませんが、旨いですよこれは。

ねぎ[氷見]ま鍋

そして、仕上げはうどんでも雑炊でもなく「ちょこっと汁かけごはん」に。
そ、いっぱいかけたら駄目なんです。スプーン1杯くらいの旨味が凝縮した
甘辛出汁をちょこっと。
これ、寿司源(水道筋5)のオネエサンに教えてもらった食べ方です。

ちょこっと汁かけごはん

至福。

ジンギスカン風は「昌原商店」(灘中央市場)の自家製焼肉のたれにつけ込んで
フライパンで焼いて、レタスにトッピング。
バカウマ。

氷見鮪のジンギスカン風

至福2。

灘中の手の人たちが外食しない理由。
なんとなくわかるような気がします。


2008年4月17日(木曜日)

山桜と市場おむすび

街の桜は散り始めた今日この頃ですが、灘の桜前線は摩耶ケーブル、ロープウェー
を北上し摩耶山へ。
山上はこれから花見シーズンを迎えます。
灘区の春は2度楽しめる。
この贅沢さを灘区民はもっと誇りに思っていいと思うのですよ。
同じ桜でも街桜と山桜とではたたずまいが全く違います。
この時期、街から摩耶山を仰げばちらほらとピンク色の山桜が濃緑に混じって
いるのが見えます。
この「ちらほら風情」がいい。
王子動物園のように徒党を組んだ桜は迫力があり、ある種「春の狂気」的
なものを体現しているのにくらべ、山桜は徒党を組みません。
様々な植物に囲まれて、緑の中に「ぽっと」可憐に咲く味わい深い桜です。

3月から再開した摩耶山リュックサックマーケットは3年目の春を迎えます。
口コミやブログでじわじわと定着してきた「第3土曜のお山のイチバ」の醍醐味は、
毎月装いを変える山の自然をのんびりと楽しめるということ。
4月の摩耶山リュックはやはり花見。
花より団子というわけではありませんが、花見と言えばやはりお弁当が欲しく
なります。
もちろんリュックサックにお弁当を入れて持っていってもいいわけですが、
背中で揺られているうちに、しっちゃかめっちゃかになったりするわけです。
だし巻玉子に襲い掛かるハンバーグ、たくあんが塩鮭にフライングニーパットを
かまし、あげくの果てに昆布の佃煮がデザートのオレンジにコブラツイストをかける、
トマトケチャップは場外乱闘の末リュックサックに鮮血をぶちまける…。
山上に到着して、弁当箱のふたをあけるとこんな阿鼻叫喚の世界が展開されていた
ことはありませんか?
山上の花見はやはりスマートにおむすびで決めたいものです。

「おむすびの中身って昆布とか梅干しとか単調でさぁ、物足りないのよね」
とお嘆きの貴兄には是非灘の市場のおにぎりをお試しいただきたい。

もうすっかり摩耶山名物となった畑原市場のサンデーパパの特製おむすび
「山賊おむすび、海賊おむすび」。
このおむすび、従来のおむすびの価値観を裏切る「幕の内弁当型おむすび」。
つまり、お弁当のおかずがおむすびの具というわけ。
しかも具の種類、量が半端じゃない。
季節の食材を使った手作り惣菜5種類以上を内蔵。

とんかつや鰻の蒲焼き、はたまたハンバーグまで「おむすびの具」なんですぜ。
ずっしり重いおむすびはむしろ「砲丸」と呼んだ方がいいかもしれません。
山賊おむすびは肉などの陸の食材、海賊おむすびは魚などの海の食材で構成
されています。
かぶりつく場所によって具が違うというのも楽しい。
黒ひげ危機一髪的なアミューズメント性もあるわけです。

このおむすび、もちろん市場謹製なのですが、実は市場では売られていません。
ケーブルカーに乗らないと買えないおむすびです。
最近はこのおむすびだけを買いに摩耶山まで来る人もいるとのこと。
3月から11月の毎月第三土曜日リュックサックマーケット開催時に
摩耶ロープウェー虹の駅に開店する茶店「虹の茶屋」で販売されています。
「虹の茶屋」は灘区連合婦人会のおねえさん方が運営する、灘な逸品を集めた
セレクト茶屋。おむすびの他には萩原珈琲、青谷のお茶、岩屋パンなどが販売
されています。

摩耶山の山桜と山賊&海賊おむすび、そしてリュックサックマーケット。
ばらばらなんだけどつながっている森羅万象の豊かさ。
どれも多様な個性が共存している摩耶山の世界観を表しているものでもあります。
今週末は是非摩耶山に出かけて山桜と市場おむすび、そしてお山のフリマをゆるりと
お楽しみください。

摩耶山リュックサックマーケット

4月の摩耶山リュックサックマーケットは…

日時:4/19(土)11:00〜16:00
場所:摩耶山掬星台(まやビューライン星の駅下車)
   摩耶ケーブル下までは…
      阪急王子公園より徒歩25分
      各線三宮駅、JR六甲道駅、阪急六甲駅から
      神戸市バス18系統乗車摩耶ケーブル下下車
荒天時問い合わせ:078-861-2998(まやロープウェー星の駅)

※リュックサックマーケットの開催情報は
 ナダタマ内リュックサックブログでもご案内いたします。
 http://www.nadatama.com/modules/weblog/


2008年4月10日(木曜日)

水道筋発、市場系カフェ

カテゴリー: - naddist @ 10時00分00秒

道頓堀のくいだおれが倒れるというニュース。
どんな人気者でも、本当にささえる人がいないと倒れちゃうわけです。
なんだか寂しい話です。

しかしここ水道筋界隈は春を待っていた桜が一斉に咲くかのごとく
なんだか新店ラッシュです。
バー2軒、カフェ1軒、美容院2軒、鉄板焼、焼肉などなど…
そして市場の中も新しい花が咲きました。

ニュー場内食堂の登場です。
市場の食堂といっても、もちろん東京の築地市場の食堂みたいに、
「プロが集まってそうで、とてもトーシロは入れないような微妙な空気感があって、
おまけになんだかわかんないけど丼や皿から海老フライの尻尾なんかがはみ出てて、
[メンコロドミソダクダク汁なし小!]なんてわけのわかんない符丁が飛び交ってて、
時には味噌汁がカウンターに飛び散ってて、それをカウンターに置いてある共用の布巾で
客が拭かなければならなかったりして、そんなことしながらちんたら食ってたら、
後ろからつつかれそうで」的な店ではありません。

また震災後、新しい市場シーンをつくった「新家」「汽笛亭」「離れの宴」「チンタ醉宵食堂
モンク」といった「畑原ナイトスポットムーブメント」ではなく、昼間のイートインショップです。

サンドイッチ&カフェ「ふっくら」。
場内食堂というよりは場内カフェといったたたずまい。
まず明るい。そんでまったりしたポップ感。
明らかに周りのテンションと違う。
これなら市場初心者の皆さんにとってもハードルが低いはず。
例えて言うなら、
まるで「アパッチ野球軍に水原勇気が入団してしまった感じ」と申しましょうか…
いや、ちょっと違うな…
まるで「ジャズ漫画漫談の木川かえるに木村カエラが弟子入りしてしまった」ような…
わかりにくいな…

ロゴなんてこんな感じなんですから。
看板
どうです。
もう「ゲゲゲの鬼太郎の屋敷に、突然はばタンが遊びにきちゃった」ようなもんです。
ま、とにかく市場がほんわか明るくなったわけ。

さて肝心の商品ですが、場内食堂というと思い出す[丼物、カツ物、刺身物]という
「場内食三羽烏」ではなく、カフェ系サンドイッチです。

カフェ系のサンドイッチっていっても、ボサノバ好き系でバンダナ系でナチュラルメイク系の
おねいさん系がつくる、イケア系のデザイン系な食器に盛りつけられた系の、スプラウト系が
サンドされた、なんだかスカした系でおままごと系のちょこまか系オーガニック系、多様に
見えて実はステレオタイプ系な、いかにも系カフェ飯とはひと味違います。

どうです、この柔らかトンカツサンドの厚み!
柔らかトンカツサンド

どうです、このチーズバーガーの直径!
チーズバーガーセット

で、しっかりと手作りな味もすこぶる誠実なわけですよ。
衒いがない。素直に旨い。
まさしくボリューム、味とも「市場系」であります。

サンドイッチを頬張りつつ外を見れば、そこには石畳の小径でも、緑あふれる中庭
でもなく市場の風景が広がります。
この視点、かなり新鮮です。
市場を「眺めながら」のランチ。
ありそうでなかった市場の過ごし方です。

「水道筋の風情が気に入ったんです」
と、元々大阪のオフィス街でサンドイッチカフェをされていたオーナーさん。
うれしいじゃありませんか。

市場はスーパーのような「1つの施設」ではないと思うのです。
スーパー的な物に代替されるような、やわな空間では決してない。
市場は[状態]かもしれません。
長年育まれ、熟成されてきた多様な個性が集まった[状態]ではないかと。
いわば水蒸気が集まってできる「雲」のような感じ。
決して人が一朝一夕につくることはできないものです。
この市場系カフェのような新しい水蒸気が新たな市場の[状態]をつくり出し、
新しい市場好きが増えてくれたらうれしい限りなわけでっす。

水道筋発、市場系カフェ。
岡本系とはひと味違います。(おそらく)

※まだ開店したてで、市場者(イチバー)がどひゃっと押し寄せて、
 ご迷惑がかかるといけませんので、あえて場所は伏せます。ご了承ください。


2008年4月4日(金曜日)

市場スイーツに街を見る

カテゴリー: - naddist @ 19時00分07秒

神戸は洋菓子のイメージが強い街です。
いわゆる「神戸スイーツ(笑)」ですな。

だいたいなんなんだ? スイーツ、スイーツって。
「お菓子」でいいだろうが、お菓子で!

などとお嘆きの貴兄。
実は神戸では昔っから「スイーツ」って呼んでたんです。
ほら、さんちかですよ。コーベブックスの近くにあったでしょ?
「スイーツタウン」
下のマップは35年前のさんちかマップです。

さんちかマップ
『Santica Town ‘73 AUTUMN No.4』(さんちかタウン発行)


ユーハイム、モロゾフ、そして灘のゴンチャロフ。
亀井堂、風月堂、御座候。
和洋まとめて「スイーツ」って言うあたり、神戸人特有の軽薄さ、バタ臭さが
感じられるネーミングです。

てことで、今回は市場スイーツ(笑)です。
4月に入っても肌寒い日が続きましたが、ようやく都賀川の桜も満開に近づいて
まいりました。年度末のばたついた感じも一段落って感じで街もなんとなく
のったりとしているように見えます。市場のスイーツも春めいてきました。

さくら咲く

灘中央市場入り口の美吉堂さんの店頭にも「さくら餅」のPOPが踊ります。
そして、淡いピンクと緑。
春の陽気のせいもあるのでしょうか、普段甘い物をあまり食べない人でも
「買っちゃおうかな〜」って気分になってきます。
「いちご羽二重」なんてのもあります。
もちろんいちごは市場モノ、灘中央市場藤原商店の「あまおう」使用。
このあたりが市場スイーツたる所以です。

さくら咲く

そして桜をモチーフにした創作菓子「さくら咲く」。
桃尻をイメージした…
失礼、桜の花びらをイメージした黄身餡入りの羽二重餅は菜の花と桜が出会う
都賀川の春を、抹茶ようかんは瑞々しい摩耶山の新緑を思わせます。
いや勝手に私が思ってるだけですが。

そう、市場スイーツって「街」が見える菓子なんですよ。

「4月5日は都賀川のさくらまつりでも販売するねんで!」
と、看板娘のご両人。
おお、それは素晴らしい。お花見スイーツ。
これです。
敏馬の雫 うえの山

「敏馬の杜」と「うえの山」。
灘酒、沢の鶴のお酒を使用したという「敏馬の杜」。
目を閉じて頬張れば、西郷の新酒の香り、宮水を運ぶ牛車の車輪が軋む音、
そして敏馬の浜ではイワシを捕る威勢の良い声、と思えば芸妓さんの三味の音。
灘浜の手にたしかにあった街の風景が広がるはずです。
あるいは、青谷の茶畠をイメージした「うえの山」。
芳しい新茶の香りと青谷を渡るウグイスの声、春を告げる行者のホラ貝の音が
聞こえてくるかもしれません。

市場スイーツはデパ地下スイーツでは見えない「街」が見える菓子なのです。
灘のお花見には、どうか市場スイーツをお忘れなく。


2008年3月27日(木曜日)

春の市場でいたや貝と出会う

カテゴリー: - naddist @ 20時00分18秒

突然ですが、貝をホジホジしているとなんとなく落ち着きませんか?
アサリしかりサザエしかり。
ホジホジして食べる「ホジホジ食材群」において有名なのはカニ。
ホジホジ界に君臨しているキングオブホジホジといっても過言ではありません。
それは認めましょう。
でも、どっちかっていうと貝をホジホジしている方が好きなんですよね。

カニホジはなんとなく殺気立つ感じがありませんか?
終始無言。一心不乱。猪突猛進。
「一ホジも無駄にしない」という鬼気迫る厳しさがあります。
食事というより作業といった方がぴったりくるノルマ感。
一方、貝ホジはなんとなくのんびりしています。
破顔一笑。温厚篤実。気宇壮大。
「ま、そこんところテキトーでいいじゃん」というユルさがあります。
日本人と貝は石器時代からの付き合いがあります。
長い間に培われたあうんの呼吸、信頼関係がそう感じさせるのかもしれません。

冬の厳しいカニホジから解放され、ようやくうららかな貝ホジの季節がやってきます。

てことで春になるとなぜか貝が食べたくなります。
そんなこんなで、春は市場でも貝に目がいくわけです。
瀬戸内のあさりの身もぷっくりと太ってきます。
貝殻しまんないんじゃないかと思うくらいの育ちっぷり。
新わかめとアサリの酒蒸しを熱燗で。
王道ですね。
もうセンバツ高校野球の送りバントぐらい王道。
ちょっとはずしたいような…
そんな私の気持ちを見透かしたかのような魚屋さんの一声。

「いたや貝食べたことある?」
「いたや貝?いや、ないです」
「いっぺん食べてみて、おいしいから」

こういった対面販売ならではのいわゆる「寄り道買い」での素材との出会いも
楽しいものです。

「どこで捕れるんですか?」
「山陰とか北陸やな。今がおいしい時期やで」

いたや貝

一見、帆立風の貝。
大きな卵もついています。
レモンをきゅっとしぼって、そのまま食べても美味そうな風情。
「沖すきくらいのお出汁で焼豆腐と炊いてもおいしいよ」
う〜ん、いいですね。
おかずにもなりそう。

「マグロもまけとくで」

すいません、いつもおまけしてもらって。
てことで今夜は若干洋風に
「いたや貝とまぐろの紅白カルパッチョ風」てことに決定。
うわ、柔らかっ!
美味いわ、この貝。うん帆立よりうまいかも。
スーパーなどでは気づかない、見知らぬ素材との出会いができるのも
市場のよさかもしれません。

「寄り道で 春に誘われ 初いたや」

いたや貝とまぐろの紅白カルパッチョ風


2008年3月21日(金曜日)

帰ってきた灘浜ラーメン

カテゴリー: - naddist @ 20時30分27秒

石原裕次郎も驚きの、掬星台風速31m。
台風さながらの低気圧の接近により、3月20日に開催が予定されていた
摩耶山春山開きの行事「摩耶詣祭」は残念ながら中止となりました。
これでは灘区に春が来ないではないか!
とお嘆きの貴兄、
ごもっともです。
そして灘に春を呼ぶ灘メニュー「摩耶鍋」の販売も中止されました。
無念です。
摩耶鍋のない灘の春なんて、襟裳の春より何もない。
まるで、クリープを入れないコーヒーみたいなものです。
…いや、六甲牛乳の生クリームを入れない萩原珈琲みたいなものです。
なにかもの足りない。
なにかこう黄砂に立ち向かう気力がない。
なにかこう花粉症に抗う気力がない。
それは摩耶鍋を食べていないせいかもしれません。
気力減退、精力減退をお嘆きの貴兄、
市場は皆さんを見捨てません。

灘酒の新酒の酒粕で仕込まれた「摩耶鍋スープ」を使った
ラーメンが3月21日より東畑原市場に期間限定で登場します。
「灘浜ラーメン」
実はこのラーメン、3年前摩耶鍋を復活する際に生まれた副産物です。
摩耶鍋は粕鍋なのですが、豚肉を使用するためかなりコクのあるスープ
になります。
この摩耶鍋の残りに中華麺を入れたら実に美味かったというわけ。
さらに麺との相性や、具材の切り方等に工夫を加えて完成させた
酒粕ベースの和風ラーメンが灘浜ラーメンなのです。

灘浜ラーメン

春になると新酒のいい香りに包まれた灘浜。
そして灘浜で釜揚げし乾燥させたイワシは、味の良い高品質な
「灘浜ブランドのいりこ」として喜ばれました。
そんな灘浜の手の春の記憶をラーメン名に冠しました。
灘地方で隆盛を極めた水車を使った菜種油業。
ラーメンにそっと添えられた菜の花も、街の歴史を伝える春の彩りです。

本日復活初日。
「灘浜ください」
「灘浜2つね」
旬の味を待ちかねたお客さんの注文が次々と。
肌寒い初春にぴったりの春ラーメン。
この時期しか食べられない旬の限定メニューですので、売り切れないうちに
是非お早めにお召し上がりください。

灘の春告げご当地ラーメン「灘浜ラーメン」は、東畑原市場「新家」にて。
750円也。(夜のみのメニューです)


2008年3月14日(金曜日)

春飯ラララ

カテゴリー: - naddist @ 14時30分24秒

春です。
石野真子でなくても「ラララ」と口ずさんでしまう季節です。
そして春のお約束、灘の市場にも「いかなごの釘煮」を炊く甘ーい香りが漂っています。
各魚屋さん自家製ですので、魚屋の数だけ味のバリエーションがあるわけ。
豊かですね。実に豊かです。

それに異論はないのですが、いつごろからいかなごの釘煮が神戸名物に
なったのでしょうか?
市場だけでなく、スーパー、はたまた日本郵便やヤマト運輸までも
釘煮釘煮とかまびすしい。

昔、こんなに盛り上がってましたかね? いかなご釘煮って。

少なくとも我が家ではこのような「いかなご釘煮フィーバー」は皆無でしたし、
近所には灘ソースの香りは流れていても、釘煮を炊く匂いなんかしなかったもんな。
神戸市内のT区なんか歌まで作っちゃってはしゃいでるし、
N区などでも釘煮コンテストだのなんやかやと。
ま、神戸の西部では昔からそうだったかもしれませんが、灘区のある神戸市東部では
そこまで盛り上がってなかったように思います。
おそらく最初は「○ープ神戸」あたりが販促がらみで全市的に盛り上げちゃったんじゃないかと。
ま、バレンタインやホワイトデーと根っこはいっしょじゃないかと。
それに市民が乗っかったんじゃないかとふんでいるのですが、いかがでしょう?
どうもこの手のマチヅクリやカッセイカのネタにするような盛り上がりは苦手でして、
やはりこういう文化は「しっとりと」日常に根付いて欲しいものです。

歴史的に見るとやっぱり灘は「イワシ」の方が重要なはずです。
季節の香りは「ジャコの釜揚げ」であって欲しいわけです。
といっても、灘にはイワシを水揚げする浜もなくなったので、
イカナゴで我慢するわけです。

新子釜揚げ

てことで、個人的にはくぎ煮より「新子釜揚げ」が好きです。
市場の魚屋さんではホタルイカとともにたくさん並ぶ春アイテム。
少し暖かくなった春の夜の灘酒ぬる燗と釜揚げ。
いいですね。
ちょっと醤油をたらせば、春のライスキラーアイテムにもなります。

うすい豆

そして同じく八百屋の春アイテム「うすい豆」。
グリーンピースじゃないですよ。
うすい豆は、関西に春をもたらす春告げ豆なのです。
で、この時期ならではの春飯。
釜揚げオンザうすい豆ご飯ウィズ菜の花のおひたし。
灘の春はこれに限ります。

「豆新子 しみじみ味わう  灘の春」

釜揚げオンザうすい豆ご飯


2008年2月21日(木曜日)

凪さん家のたこさんウインナ

カテゴリー: - naddist @ 23時55分56秒

前回紹介した「バレンタイン天」
こんな感想をいただきました。

「ハート天もいいけどその後ろのモノが気になるんだよね」
「なんだか、てりっとした○○状のモノは一体何?!」

バレンタイン天

さすが、お目が高いナダタマの読者様。
ハート天の後ろでぼんやりと寄り添う2人、いや2匹。

実はこの2匹には、以前からどのシチュエーションでお出まし願おうか
機をうかがっていたのです。
で、前回バレンタインにかこつけてご出演いただいた次第です。
え〜、畑原市場の凪蒲鉾店のたこさんウインナ達です。

凪さん家のたこさんウインナ

「え〜たこさんウインナって売ってるものなの!?」
売ってるのです。
たこさんウインナーを。
市場では。

つまりですね。
ちょっとした手間なんですね。たこさんウインナは。
いや、ビミョーな手間と言った方がいいかもしれません。
この手間がかかり感が弁当における愛情表現の要なわけです。
じゃあ冷凍でいいじゃん、中国で作った方が安いしねってことになっても
「お弁当に大人気!冷凍たこさんウインナ」
というのはなかなか商品化されない。
要はメーカー側としては、
「ま、これくらいだったら家で作れよな」
というニッチな素材なわけです。
弁当アイテムとしてはあれだけメジャーなのに、流通業界及び弁当業界及び
冷凍業界及びウインナ業界及びたこさん業界から完全に見放されたのです。

市場は違います。
懐が深い。
たこさんウインナにも愛情を注ぎ商品化するのですよ。
手間を惜しまず足の切り込みを入れ「商品」にするのです。
もちろん、市場の店は食のプロですから、匠の技をからめてきます。
トーシロのたこさんウインナとはひと味違います。
凪さんちのたこさんウインナの頭部、いや生物学的には頭ではなく胴だそうですが
そんなことはこの際置いておいて、頭部らしきものにご注目いただきたい。
鉢巻きがあるでしょう。
タコと言えばやはり鉢巻きは切っても切れないものです。
「たこのはっちゃん」は、きりりと鉢巻きを巻いていて欲しいわけです。
でもそれが弁当に入るときはなぜか鉢巻き着用率が落ちます。
これは由々しきモンダイです。
弁当のおかずだからって鉢巻きを外すなんてことが許されてはならない。
これでは「安保反対!」を叫び、鉢巻き姿で国会に突入した「全タコ連」の
闘士たちに申し訳が立たない。

でも、市場のたこウインナには鉢巻きがあります。
しかも竹輪。
「春の海 蛸の頭に 竹輪かな」
瀬戸内ののどかな春を詠んだ、こんな一句が浮かびそうなタコさんウインナ。
これこそ匠の技です。
神田川俊郎風にいえば
「お弁当 ちょっと工夫で この美味さ」
でしょうか。

そしてこのたこさん、炒めるのではなくて「揚げている」のです。
通常たこさんウインナは炒めますよね。でもここは天ぷら屋さんですから、
揚げちゃうわけです。
そこの奥さん、よーく聞いてくださいな。
ここ大事です。
なんと一介のたこさんウインナが縁起物に昇華しているのですよ!
つまり「たこ揚げ」。
そう、正月の凧揚げと同じです。
この一品をお弁当に忍ばせることによって、家族の幸運を願うラッキーフーズ
になるのです。

ちょっとしたことなんだけど、家ではできない一手間。
もちろんメーカーでは対応できない(思いつかない)一手間。
ここに市場の生きる道があります。
何気ない「揚げたこさんウインナ」ですが、実はここに大きな示唆があるのです。

お弁当にそっと「市場のたこさんウインナ」を添えてくださいな。
きっとそのお弁当は楽しくなりますって。
そして午後からの仕事や勉強がはかどりますって。


2008年2月11日(月曜日)

凪蒲鉾店のバレンタイン天

カテゴリー: - naddist @ 23時55分01秒

今年もバレンタインの季節がやってまいりました。
私的な話で申し訳ありませんが、私にとってはバレンタインといえば年賀に続く軽い
時候のご挨拶がわりてなもんでして、いつもお世話になっている仕事のクライアントに、
「灘製のチョコレート」なんぞをお送りするわけです。
そしたら
「まあ、いつも神戸のおいしいスイーツをありがとうございます」
「やはり神戸のスイーツはおいしゅうございますねえ」
などおおむね好評なのでありますが、ま、私のことでございますから
「いえいえ、神戸のスイーツではなく『灘のスゥウィーツ』でございます。
 ほら、製造住所をご覧遊ばせ。神戸市『灘区』となってございましょう?
 かように灘区というところは…」
などと灘宣伝が止まらなくなるわけです。
すると先方は
「では神戸といえばやはり灘区なのですね」
などと申されるものですから
「いえ、灘区はあくまでも灘区なのです。たまたま神戸に属しているだけです」
てなことを言ってしまって、あげくの果てには
「灘区は神戸市におけるバチカン市国みたいなものなのです」
などと付け加えてしまって、先方を混迷の淵に突き落としてしまうことも多々
あるのです。
ま、人様にはそんなものを差し上げる私でありますが、実を言うと甘いものが
少々苦手でして、どっちかっていうとコッチの方がアレでして、ナニのほうが
アレなわけです。
わかりにくいですよね。
要するに甘いものより酒のアテ的なものが好きなわけです。
だからバレンタインデーには、私的には
「ブラックチョコレートに見えて実はイカスミ蒲鉾」とか
「断面がハート形のカラスミ」なんぞをいただけるとシアワセなのであります。

そんな私好みのバレンタインアイテムが市場にはあります。
畑原市場、凪蒲鉾店のハート型天ぷら。
コレです。

凪蒲鉾店

どうです。
もうハートを打ち抜かれたような、切ない気分になりませんか?
思春期のど真ん中にほおりこまれたかのような感覚になりませんか?
ギュっと噛みしめたくなる、いとおしさがありませんか?
そのくせ熱燗にも合うオッサン対応バレンタインフード。
いや、焼酎にも合うかもしれません。
あるいはパパのお弁当にちょっと忍ばせておく。
チョコレートだとありきたりだし、ケチャップでハートを描くのもいまさら…
でもなにかしらのバレンタインメッセージをという方にもうってつけの一品です。
なんせ「天ぷら」っすからね。気取りがない。衒いがない。
もちろん正真正銘の市場の職人さん手作り。
どこぞの冷凍食品とは違います。
でもって3本50円ってのもうれしい。
も、こういうの弁当に入れてくれる奥さん、大好きです。

実はこのハート型天ぷら、名前がないんです。
ふつう「ゴボ天」とか「キクラゲ天」とか、天ぷら系商品には名前がついていますよね。
「なんで名前つけないんですか?」
という私の問いに対するご主人の答えが素敵でした。

「名前は付けてないけど、味はちゃんと付けてるで!」

スイーツばかりが神戸じゃない。
ああ、いとおしい、市場の「バレンタイン天」。
今年のバレンタインデーには是非。

バレンタイン天


2008年1月31日(木曜日)

東畑原市場 鬼の宅配便

カテゴリー: - naddist @ 13時00分17秒

もうすぐ節分ですね。
灘クミンそれぞれの節分の過ごし方があるでしょう。
「ウチはサンナッツの豆で鬼退治します」
「ウチは萩原珈琲の豆で邪気を払うね」
なんていう、灘的粋人もいるかもしれません。
もちろん灘の市場にも節分アイテムが並びます。
文字通り、季節の分かれ目。
市場も春に向けて装いが変わっていきます。
乾物屋さんの「豆」。
魚屋さんの「節分イワシ」。
お寿司屋さんの「恵方巻」。
市場でアセンブリーされたアイテムで過ごす節分も、なかなか
味わい深いものです。

丸源寿司の恵方巻

え、なんか足りないって?
そう、鬼です。
やっぱり節分に鬼は欠かせません。
大丈夫、水道筋の市場はなんでもありますから。
鬼のお面?
いやいや、そんなインスタントなものはスーパーででも買ってくださいな。
なんてったって鮮度と手作りそして「ホンモノ」にこだわる市場ですから、
もちろん生です。

東畑原市場の「新家」さん。
灘駅弁」「摩耶鍋」などの、歴々の灘プロジェクトにも果敢に挑戦してくれた店。
名前そのままのファミリー経営、アットホームなお店であります。
夜は創作家庭料理の店、そして現在、昼の営業は手作り弁当宅配の店になっています。
定評のあったお昼の定食をお弁当にして、家庭はもちろん職場から、公園や都賀川の
河川敷まで灘区(山間部は除く)であればどこでも配達してくれます。
もちろん素材は水道筋の市場モノ中心。
うれしいじゃありませんか。

新家の宅配弁当

で、この新家さん。
宅配するのは弁当だけではありません。
節分の日には、なんと「鬼」を宅配してくれるのです。
もちろん生鬼ですよ、生鬼。
産地偽装も賞味期限偽装も、もちろん殺虫剤混入もない、まっとうな安全安心の鬼です。
いや、安全な鬼じゃまずいか…
とにかく鬼が宅配されるわけです。
ある意味、市場ホスピタリティの究極のサービスといってもいいかもしれません。
どんな鬼かみたいかって?
こんな感じです。

鬼の宅配

どうです。虎のパンツもりりしい生鬼。
左手にご注目ください。
弁当とおなじく手作りの金棒、いやペットボトル棒。
まさに安全安心であります。
もちろんどこかの「なまはげ」みたいに、灘温泉の女湯に乱入するようなことも
ありません。
難を言えば、このユルさと「泣いた赤鬼」を彷彿とさせるそこはかとない人の良さ、
いや鬼の良さに豆で追い払うのがかわいそうになってしまうことでしょうか。

え?鬼の宅配料ですか?
…無料です。
そのかわり、豆はご用意ください。
また宅配エリアは灘区内に限定させていただきます。
…とのことです。
東畑原市場の「鬼の宅配便」。
今年の節分はあなたのお宅にも「市場の鬼」を。

「市場の鬼の宅配」のお問い合わせ、ご予約は
078-861-3232 新家まで
※すでに問い合わせ多数につき、ご予約はお早めにとのことです。

[関連記事]
神戸新聞灘版「節分に鬼を宅配 神戸・灘」(08/02/04)


2008年1月21日(月曜日)

やはたやの純毛パッチ

カテゴリー: - naddist @ 13時30分12秒

一年ほど前から自転車に乗り始めました。
いわゆるママチャリではなく、なだぎ武演じるディラン・マッケイが
「さあ、今自転車を降りているぞ、間違いなく降りているぞ、よ〜し降りた」
と言いながら降りるようなタイプの自転車です。
元はと言えば、畑原市場のチンタ醉宵食堂を中心とした
「水道筋チャリンコムーブメント」に巻き込まれた格好です。
チンタが本部の「摩耶山ヒルクライムクラブ」というクラブも結成されています。
なんと市場の中に「自転車クラブ」があるのですよ。

摩耶山ヒルクライムクラブ本部

通常、自転車系のサークルというと、パツパツのサイクルジャージに身を包み
ストイックに、そしてあくまでもアスレチックに黙々と走行会をこなす、といった
イメージがありますが、このクラブはスポーツ車はもちろん、ママチャリから
電動アシストまであらゆるチャリンコライドを楽しもうという主旨のクラブです。
もともとは摩耶山をチャリンコで楽しもうというクラブでしたが、現在では
街中お散歩サイクリングも含めて多様なイベントが行われています。

その「摩耶山ヒルクライムクラブ」主催の今年最初のイベントが1月20日に
開催されました。
「真冬の京都まで自転車で飲みにいく大会」と題されたこのイベントは
王子公園から阪急十三まで電車で輪行、淀川沿いに嵐山までサイクリング、
その後銭湯に入って河原町で1杯飲って阪急で帰ってくる、という酔狂な
イベントです。いや、実に粋でエコなイベントです。
真冬の淀川沿いを大阪から京都まで自転車で走るのですから、もはや「耐寒
サイクリング」。防寒装備が重要になってきます。
とくに足。ここをいかに暖かくするかが生死の分かれ目になります。
通常はどこそこのスポーツ用品店や登山用具店で売られているサーモなんやら
とかの高性能ジャージとかで対応するのですが、市場に本部のある自転車クラブ
ですからやはり市場モノで対応したい。
で、今回ご紹介する市場の逸品です。

「やはたやの純毛パッチ(灘中央市場)」
灘中央市場にある毛糸屋さん「やはたや」さんの創業は大正15年。
かれこれ80年を越す老舗。
デッドストックの名毛糸もあるという、この店で売られている純毛のズボン下
(パッチ)が実に高性能なのであります。

やはたや

「お、とうとうアンタも年寄りの仲間入りか?」
「いや、自転車で京都行くんで、防寒用に思て」
「自転車で京都?また物好きやな…それやったらこの純毛ズボン下は最高やで。
 純毛はいっぺんはいたらやめられへんで」
「ほなその純毛もらいますわ」

純毛パッチ

とにかくあったかい。
優しいあったかさといいましょうか、アブない中毒性のある暖かさです。
早速「摩耶山ヒルクライムクラブ冬期アンダーウェア」に認定。
そして、京都へ行って参りました。
氷雨降る中、走行距離70km弱ほどのサイクリングでしたが、足下はポカポカ。
純毛の保温力プラス市場の商品特有の体の芯からあったまるような
「遠赤外線的あったかさ」と「履いていないかのような一体感」。
いや、もちろん同じものはデパートでも売ってると思いますよ。
しかし、市場で買うともっとあったかいような気がする。
おそらくこれを買ったときかけられた一声
「200円引いとくわな。気ィつけて行ってきいな、カゼひかんようにな」
が効いているんでしょうね。

純毛パッチ。
チャリ乗りだけでなく冷え性のあなたにもおすすめしたい市場の逸品です。


【摩耶山ヒルクライムクラブでは現在会員募集中!】
入会希望の方は
info@nadatama.com
「摩耶山ヒルクライムクラブ」係
もしくは畑原市場内「チンタ醉宵食堂」まで
会員の方には、E-mailにて随時サイクリングイベント情報をお知らせします。

摩耶山ヒルクライムクラブ


2008年1月10日(木曜日)

妄想の七草鍋

カテゴリー: - naddist @ 22時30分11秒

1月7日、「春の七草」食べましたか?
邪気を払い万病を除く。
冬の野菜不足を補う。
もしくは正月の暴飲暴食をリセットする。
さまざまな思いで食べられる「春の七草」ですが、なかなかどうして
いい風習だと思うのですよ。
食に関する風習というと、最近はどちらかというと「過剰系」に走りがちかと。
「おせち」しかり。
元々は保存食という意味があったのでしょうが、最近は華美な傾向にあります。
「節分の太巻」。
どっかのメガバーガーじゃありませんが口をいっぱい開けて頬張るという
ところに、飽食の時代の悲哀を感じてしまうのです。
「土用の丑」
脂ののったうなぎも質素という言葉より、どちらかといえば潤沢、奮発
発奮といったような言葉が似合います。へたしたら鰻が5匹乗った「テラ鰻丼」
なんてでてきそうな雰囲気です。

それに比べると「春の七草粥」の質素なこと。
だいたい、草ですよ、草。
もう具が草というだけで「メガ七草粥」なんていう発想にはならない。
7種類も入っているのに「盛りだくさん!」という気にならない。
だいたい、おかゆですよ、おかゆ。
あまりにも低すぎるテンション。
いただきますの代わりに「コホ」と1つ咳をしたいくらいのローテンション。
いいじゃないですか。
きっと「春の七草粥」は日本人が忘れかけている清貧の心に触れるための
イベントなのです。
できれば六甲山牧場あたりで食べたい。
羊やヤギたちと共に草をはみながら、灘の春をじんわりと噛み締めたい。

春の七草

「春の七草?そんなもん青谷川沿いでとったもんや」

などと言う長老クミンの時代に思いを馳せつつ、
今年もいそいそと畑原市場へ春の七草を仕入れにいきました。
「おめでとうごさいます」「おめでとうさん!」
昔より長い市場の正月が明け、ますはごあいさつです。
スーパーではありえない儀式です。

で、春の七草。
まてよ…今年は粥ではなく鍋にしてみようかな…。
そうだ、春を感じる「清貧の鍋」にしてみよう。
そういや、きりたんぽ鍋はセリ入れるもんな…。
いっそ正月の餅(きねまさ製・畑原市場)を入れて、セリを含んだ七草を入れた
きりたんぽ風鍋にしてみようかな…。
やっぱ、きりたんぽ鍋には鶏肉が欲しいよな…。
「ごめん、いつものモモ肉ないねん。赤どりでもええ?」と鳥一(灘中央市場)のおばちゃん。
おお丹波赤どり!
旨いんよなあ!赤どり。
贅沢しちゃおうかなあ!
「エエ色してるやろ?」
どうです、この濃ゆい皮の色。中トロみたいな身の色。
エエ色ちょうだいちょうだい!エエ色ちょうだいちょうだい!

丹波あか鶏

…ああ、どんどん「清貧の鍋」からかけ離れていく。
…でも、いいのです。
清きものが濃厚なものにいたぶられ堕ちていく快感。
まるで今は亡き西灘シネマで『淫乱蜜寺 尼僧の誘惑』を見ているような感覚。
市場の素材を見ているうちにみるみるうちに妄想が沸き、決めていたレシピが
ガラガラと崩れだすのも市場スローショッピングの醍醐味であります。

七草鍋

できあがりました。
「きりたんぽ風七草鍋〜市場仕立て」
若干リッチさを感じるスープではありますが、凛とした清さがあります。
鶏スープにより七草の「草感」が少し和らげられ、かといって白菜などでは
得られない土の香りや風の香り…
鍋をつつきながら目を閉じればこんな風景が広がります。

  春の油コブシ。
  草の上に寝っころがって村上春樹を読んでいたら干し草のような香りが。
  おお、これは青谷乗馬倶楽部の干し草の香りだろうか?
  それとも神戸大学の馬場の干し草の香りだろうか?
  『トランジスタラジオ』が流れるトランジスタラジオのアンテナに止まった
  モンキチョウが運んできた蜜の香りに鼻腔をくすぐられながらウトウトと。
  「やーだ、ヒロシったらこんなところで寝ちゃ、カ・ゼ・ひ・く・ゾ」
  「なんだジュンコ、来てたの…」
  「そ、四ツ葉のクローバー探しにきたの」
  「ないよ。油コブシに。四ツ葉は」
  「それが…ホラッ!」
  そう言うとジュンコはヒロシの鼻先に小さな四ツ葉のクローバーを突き出して微笑んだ。
  ヒロシの眼前を青臭い香りが横切った…

ちょっと目を閉じたスキに想像力がかき立てられ、こんなにもたくさんの香りを連れてきて
くれる鍋なのです。


2007年12月25日(火曜日)

メリークリスマ寿

カテゴリー: - naddist @ 18時00分36秒

クリスマスには皆さん何を食べていますかね?
いや、別にクリスマスだからって特別なモノを食べる必要は
全くないのですよ。
しかし灘区では、松蔭や海星の鐘がカンコロカンコロ鳴り出す夜、六甲台あたりに
住んでいた駐留米軍将校の霊が灘の街に降臨し、
「アナタタチモ ナンカエエモン タベナサーイ」
などと枕元でささやくものですから、ま、なにかしらの御馳走的な
ものをいただくようにしております。

私はここ15年ほど「クリスマスは自宅で寿司」と決めています。
てのも、12月は忘年会やなにやらで胃腸が酷使されがちでありまして、
クリスマス近くになると「モウカンニンシテーナ」という悲鳴が腹部から
聞こえてきます。
そこへ「牛フィレのなんやらかんやら」とか「フォアグラのどーたらこーたら」
とか食べちゃった時にゃ、もう大変なわけです。
そういう「IY(胃腸読めない)」なことをやってしまうと、正月近くまで
後遺症が残ってしまう可能性もあります。
ということで選択肢としては和食系になります。
かといって「鍋モノ」は、忘年会で飽き飽きしているので、
寿司ということに相成ります。
ラジオからジョンレノンの「Happy Christmas」やポールマッカートニーの
「Wonderful Christmastime」なんかが鬼のように流れはじめると、我が家では
「クリスマスシはどこの寿司にするか問題」が浮上してきます。
これが血で血を洗う壮絶な争いに発展したりする時もあります。
今年は寿司問題の民主化を叫ぶアウンサンスーシーを支持する一部市民による
デモ隊と政府軍との小さな衝突がありましたが、あっけなく鎮圧され
畑原市場の「寿し豊」と灘駅前の「宝寿司」が2007年クリスマスシに選出され
たのでした。

寿し豊

東畑原市場の「寿し豊」さん。
水道筋界隈の市場の場内食堂では唯一のお寿司屋さんであります。
イワシの寿司が有名ですが、今日は上にぎりの折り。
トロも追加してクリスマスバージョンにしていただきました。
この「折り」というのも重要なポイントです。
もちろんお店で食べるのもいいのですが、酒が入ると
「じゃあ追加でヒラメと、中トロもらっちゃおうかな」
なんてことになって、結局胃を引きずって帰る羽目になりがちですが、
折りなら大丈夫。

寿司ってなんとなくクリスマスっぽくないですか?
色とりどり感が日本のクリスマスに実に似つかわしい。
そしてこのコンパクトな賑々しさが楽しい。
片手でつまめる気軽さも嬉しい。

上にぎり

タイやヒラメの舞踊り。
もちろん周りの鮮魚店などで仕入れた逸品です。

イカ

三宮の高級店仕込みの、
イカにもイカしたお仕事。

アテももちろん市場で調達。
シマアジ、ホタテ、タイのお刺身と吸い物用のハマグリは揖沢商店で。
水道筋シーフードオールスターを堪能いたしました。
市場の聖夜。
Merry Xmas & happy new year.
and war is over.


2007年12月16日(日曜日)

幸せを呼ぶ青いパンダ

カテゴリー: - naddist @ 23時55分08秒

日本人はポイントカードが好きな人種なのでしょうか。
世の中にはたくさんのポイントカードが氾濫しています。
やたら分厚い財布の中身がほとんどポイントカードだったときの
脱力感を経験したことはありませんか?
ほんとうに得かどうかはわかりませんが、なんとなく「ポイント」
が増えるワクワク感が人々を魅了しているのかもしれません。

水道筋の市場・商店街にも「すいすいカード」という
ポイントカードがあります。
「すいすい」の「すい」は水道筋の「すい」。
ただし水道筋全店で使えるわけではありません。
90店舗弱の灘中央ポイントカード会に加盟している店に限られます。
デザインはこんな感じ。

すいすいカード

キャラクターはパンダのたまる君。
デザインは神戸出身のイラストレーターおさないまこと氏作。
王子動物園のパンダにあやかった水色のパンダであります。
招き猫をモチーフにしたオーソドックスなデザイン。
ま、水道筋的にはもう少しアクのあるデザインが良いかと
思うのですが、アクがありすぎて子どもたちに怖がられている
「水道筋汗かきえびす」とのバランスを考えると妥当かもしれません。

で、このカード、買い物をするたびにポイントがたまっていきます。
「今日はポイント倍つけとくわな」
などという、ボーナスポイントデイが各店によって設定されていたりもします。
あるいは
「もうすぐ満点やね。多めにポイントつけて満点にしとくわ」
などという、突発的ボーナスポイントをつけてくれる時もあります。
このあたり、スーパーなどのポイントカードのようにレジでピッピッと杓子定規に
事務処理されるのとはひと味違います。人が介在する事によって、無機質で冷たい
システムがファジーに運用され暖かくなります。
市場・商店街ならではの対面販売がもたらす、血の通ったポイントカードシステム
といえるかもしれません。
そして50000円分のポイントがたまると高らかなファンファーレとともに満点に
なります。この「満点カード」は500円の商品券として使えたり、銀行に預金
できたりするのですが、なんといってもワクワクするのはイベントです。

しばらくなかったお楽しみ抽選会が本日久々に開催されました。
「すいすいの抽選会はよく当たる」という声をたびたび聞かれます。
かくいう私も以前、
「丹波の松茸+3000円くらいの商品券+発泡酒+洗剤その他もろもろ」
というバカ当たりを経験したことがあります。
早速市場で上等の肉を買って「松茸入りすき焼き」を楽しんだことは
言うまでもありません。

今年の抽選会は
特賞:六甲山ホテルの「おせち料理」
1等:数の子・ハム・米・お酒(いずれか選択)
2等:お米・発泡酒・カップ麺&春雨スープセット・食用油・洗剤セット(いずれか選択)
たまる賞:年末ジャンボ宝くじ(1枚)
でありました。
六甲山ホテル、灘ハム(伊藤ハム)、灘酒など地域密着な賞品群に心が躍ります。
たまる賞、いわゆるハズレくじなのですが今年は年末ジャンボ宝くじ。
心が躍ります。
ハズレなのに、1億円当たる可能性もあるのです。
六甲山ホテルのおせちなら2500年分にあたります。

てことで、私、5枚の満点カードで参戦しました。

結果。
1等:灘酒2本
2等:お米(2kg)
たまる賞:年末ジャンボ宝くじ3枚

ふむふむ、なかなかの戦績かと。
あとは年末ジャンボ宝くじ3枚が大晦日に大化けすれば、我が家もベリーホットな
正月になるかと。
水道筋の小さな幸せの青いパンダで、是非あなたも小さな幸せをゲットして
みてください。


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