「カツオありまっせ!」
「今日はええカツオが入ってるで」
今の時期市場を右往左往していると各魚屋さんにそんな言葉をかけられます。
そう、私カツオ好きなんです。
その辺の顧客データをもとに、声をかけてくれるわけです。
春と秋、上りと下りどちらのカツオも好きなのですが、最近はどちらかと
いうと春のカツオ、つまり上りカツオの方が好みになってきました。
さっぱりしてるんですよ。
キャンディーズで例えれば、最初はスーちゃんが好きだったのに、
そのうちランちゃんになって最終的にはミキちゃんだよな〜という感じ。
あ、そんなもんに例えなくていいですか?
すいません。
さて上りカツオの食べ方ですが、たたきにしてポン酢でというのが
定番でしょうか。
脂がのってないのでたたきにしないで、刺身っつーのもいいかもしれません。
江戸っ子を気取るなら辛子で食べるのもオツですな。
灘クミン的には「醤油ケンコーマヨネーズ」で食べるのもフンイキですね。
あ〜よだれでてきたわ。
水道筋の市場界隈の飲食店でも、この市場のカツオを出してくれる店が何軒がありますが
その中から今日は変わり種をご紹介します。
東畑原市場の真ん中を南北に走る「昭和感」がそこはかとなく漂う細い路地。
オールド灘クミンには「西灘劇場の縦筋」と言った方がわかりやすいかもしれません。
古道具屋がごちゃっと集まってる「水道筋骨董通り(バッタ筋)」といわれているストリート。
最近は「異食屋 TUBOMAN」「ビストロTHE屋台 離の宴」「お好み焼き 西村」など、
コアでユニークでデリシャスな飲食店が軒を連ねるエリアでもあります。
ここに6月13日にオープンしたのが、沖縄おでんと泡盛が楽しめるカウンターだけの
小さな店「通い船(かゆいぶに)」。
といっても金土のみ営業の「週末沖縄おでん屋」というコアな店です。
この店のコンセプトは「昔から縁が深い灘と沖縄・奄美をつなぐゆんたくサロン」。
単なる沖縄居酒屋ではなく「灘の市場モン」がメニューにあるのがミソです。
今の旬の市場モンとしてカツオがラインナップされています。
このカツオに合わせるのが「沖縄のさしみ味噌たれ」。
沖縄本島北部のカツオ漁の町、本部(もとぶ)町特製のミソだれです。
沖縄では刺身は酢みそで食べるのがポピュラーなのですが、
このミソだれは泡盛古酒とニンニクが入った「カツオ用」。
このたれで畑原市場のカツオを食すという、いわゆる「沖灘料理」です。
少し濃厚なたれがあっさりとした上りカツオに合います。
日本酒ならポン酢があうでしょうが、泡盛にはやはり沖縄のみそだれが
しっくりときます。
かつて奄美市場と呼ばれた市場もあった、この界隈で食べる初夏の味も乙なものです。
「目には摩耶 舌に島酒 初鰹」