「市場って入りにくいのヨネ〜」
そんな声をよく聞きます。
入口から奥を見ると、各店の店主が手ぐすねひいて待っている。
誰からも干渉されず、好きなものを好きなだけ買い物ができる
スーパーに慣れた人は、そんな風に感じてしまうのかもしれません。
ここでひるんでいたら、めくるめく豊かな市場ライフを享受する
ことはできません。思いきって一歩を踏み出しましょう。
最初は買わなくてもいいと思います。
まず「これは道なんだ」と思うこと。
実際市場の通路って「公道」なんですよね。
税金はらっているのですから、堂々と通ればいいのです。
「目が合ったら買わなきゃいけないのヨネ〜」
いえ、買わなくても結構。
お店の人も「なんで買わないんだ」なんて思っている人
なんか1人もいませんから。
この「道」の両側には様々な風景が展開されます。
旬の魚、野菜、果物。
それぞれを風景としてみることで、素敵な散歩道になる
はずです。
魚屋さんなんて、水族館だと思ってしまえばいいんです。
「サゴシってこんな魚なんや」
「アオリイカとモンゴイカはこんな風に違うンや」
スーパーの切り身ばかり見ていては、料理の腕もあがらん
でしょう。
商品の他にもいろんなものを発見できます。
ひっそり佇む井戸、海水で1つだけさびているマンホール、
電話室や、公衆トイレなどなど。
普通の道ではなかなかお目にかかれない物件に出合えるはずです。
お店の人にはあだ名をつけちゃいましょう。
「お、鳥羽一郎、今日も調子よさそうやな」
とか。
「いらっしゃい、いらっしゃい」
「買おて、買おて〜」
こんな売り声も、鳥の囁き、虫の音色と思えばプレッシャー
にはならないでしょう。
逆に「あそこの店主エエ声してるな〜」とか「季節や時間で
声が変わるんや」とか思えるようになればもう大丈夫。
そのうち「今日は声に張りがないなァ、どないしたんやろ」
なんて思えるようになってきます。
こうして散歩道になってしまう頃には、お店の人達も
「なんか知らんけど、たまに通る人」と思い始めるでしょう。
「市場は道」だと思うこと。
初心者の方は、まずここから始めてみてはいかがでしょうか?


