
ナダ「おいタマ!タカバシが落ちてるぞ!」
タマ「落ちたんじゃなくてJRの軌道跡が埋められたんですよ」
ナダ「これじゃ灘のタカバシじゃなくてヒクバシじゃねえか」
タマ「ま、確かに低くはなったけど」
ナダ「100年前の夢の架け橋がこれかよ」
タマ「欧州航路連絡列車がこの橋の下を通ったとは誰も思わないでしょうね」
ナダ「そうよ。この橋の下を通ってヨーロッパに行ったんだぜ」
タマ「そう考えるとすごい橋ですよね」
ナダ「全ての道はタカバシに通ず」
タマ「それは言い過ぎ」
ナダ「それがなんだよ。これじゃ歩道橋の端切れじゃねえか…(泣)」
タマ「泣かないでくださいよ。下手すりゃ撤去されてたかもしれなかったんすから」
ナダ「でも線路とかベンチとか添えれられちゃってさ、すっかり遺跡風情だぜ」
タマ「確かに橋は何かを越えてナンボですからね」
ナダ「越えるものがなくなったタカバシの心中を察すると不憫でならない」
タマ「すげえな、橋の心の中までわかるのか」
ナダ「タカバシの老後を考えて、思い切ってこの下に川流すとかどうだ?」
タマ「思い切りすぎです」
ナダ「新聞の見出しは『老橋タカバシ、第二の人生は三途の川を越えて』」
タマ「死んじゃってますけど」



