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2008年8月4日(月曜日)

底抜け!痛快!!船成金の館(51)

カテゴリー: - dr-franky @ 00時13分16秒

 大正12年9月1日、神戸は相変わらず暑かった。

 「二百十日か」と少し頭によぎったが、銀次郎は芳夫人に見送られて
車上の人となった。
 腰高な車に揺られること二十分弱。銀次郎は旧居留地の会社に着いた。
 
 幹部会議、書類の決裁、打ち合わせなどなど雑務をこなす。合間には
頻繁に面会客もある。
 そうこうしているうちに、時計の針は正午を指そうという頃になって
いた。

 と、そのとき、銀次郎は事務所のビルが長い周期で揺れるのを感じた。
 「・・・地震かっ」揺れは1分近く続いただろうか。

 地震の揺れが収まってしばらくして、部下の一人が「東京方面への電
信電話が途絶したそうです。」と飛び込んできた。

 「どこで起こったのか」。銀次郎は神戸海洋気象台にも照会をするよ
う部下に命じた。
 夕方近くなって、秘書が銀次郎に電話を取り次いだ。「川崎造船所の
松方様です」。

 「松方さん、大きな揺れでしたが。」銀次郎が問うと
 「勝田さん、一大事だ。東京・横浜が壊滅だ」。
 一瞬、銀次郎は絶句した。

 「お父上はご無事ですか」。東京には松方の父・正義がいる。
 「いや、まだ何も伝わってこないのだ」。
 銀次郎は、この11日前、川崎造船所が、松方が独逸からもたらした
最新技術を活かして建造した最新鋭の潜水艦・第70号潜水艦が、淡路島
仮屋沖で消息を絶ち、社を挙げての懸命の捜索が続いていることを知って
いた。松方はその捜索の総責任者でもある。そこへ追い討ちをかける様な
今回の地震である。

 「とにかく、神戸として、東京方面の救援体制を立ち上げなくては」。
 銀次郎は説いた。
 「もちろんだとも。おいどんから新聞社に、義捐を募る記事を明日出す
よう話をする。」「よし、ならば行政は私が掛け合いましょう」。
 受話器を置くや否や、銀次郎は秘書に向かって叫んだ。「車だ!市役所
へ乗り込むぞ」。              (この項つづく)
         
 


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