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2007年10月8日(月曜日)

スケッチ日和

カテゴリー: - mj-soul @ 10時30分00秒

朝9時。動物園の開園と同時に、数人の人たちが門を入って行きます。
「おはようございます」「やっと涼しくなりましたね」と、互いにあいさつを交わしながら。
切符切りのお姉さんも、掃除のおばさんも、飼育員さんもすっかり顔なじみのようです。
Nさんは毎週火曜日にここへ来ます。門を入ってまっすぐ向かうのはインドゾウのところ。
15歳の青年ゾウ、マックが迎えてくれます。「おーい、おはようマック。元気かあ」Nさんはしばらく話をします。
「僕がしゃべること、ほぼ分かってくれてるみたい。お辞儀してくれることもあるんやで」とNさん。
でも、いたずら好きのマックは、油断していると、隠し持った砂を前足で撒くこともあるそうです。  
マックがあっちへこっちへぐるぐる歩き回り、年上の彼女のズゼと柵越しにささやき合ったりするのを
木陰のベンチで眺めながら、Nさんは青谷ベーカリーのパンと園内で買ったコーヒーで朝食をとります。
ようやく秋の気配が混じり始めた風が、ときどき吹き抜けていきます。
「今年の夏は暑かったけど、ここは別世界やったよ。足元は土やし、大きな木がたくさんあるし。
木を見てると季節の変化もよく分かる。このあいだはカシの木にドングリがなってるのを見つけた」
ひと息つくと、バッグの中からスケッチブックを取り出します。
Nさんは動物たちを、なかでもゾウを描くために動物園に通っているのです。ちょうど1年になります。
入口で出会った常連さんも、それぞれスケッチブックやカメラを持ち、それぞれ「定位置」があるのだそうです。

実は、Nさんは全国にファンを持つ神戸発ブランドのデザイナー。元町の海岸ビルヂングに店を構えています。
昔やっていた絵の勉強をもう一度したいと考えていたころ、ひょんなことで動物園を訪れ、
表情豊かで、姿かたちも個性的な「モデル」たちにすっかり魅せられたといいます。
「最初に来た日は6時間かけて、いろんな動物を描いて回ってね。サイ、スローロリス、タンチョウヅル……。
めちゃくちゃ楽しかったんやけど、どうしてもうまく描かれへんというか、俺ってヘタやなあと思う動物があって」
それが、ゾウでした。
「ほら、鼻が長くて、耳が大きくて……ていうマンガっぽいのは描けるんやけどね。
いざ向き合ってみると、どこから描けばいいのか分からへんわけ。体が多角形で、面が大きいでしょ。
のっぺりした絵になるんよね。そういえばゾウの骨格とか、体の部位とか全然知らんかったなあって」
鼻に隠れた下あごの形、真ん中がくぼんだ頭蓋骨、耳の穴の位置、背中の曲線、足の爪の形。
マックやズゼや最長老の諏訪子さんを繰り返し繰り返し描いていくうち、
「生きもの」としてのゾウのかたちがNさんの中で結ばれていきました。
手元をアップにしてみましょう。これはマックです。 

こっちは諏訪子さん。  

園内の資料館に行けばゾウの骨格標本があり、心ゆくまで詳細に観察できます。
写真や文献も豊富でとても勉強になる、とNさん。
ゾウたちのことを知れば知るほど、彼らへの親愛の情も日に日に深まっていきます。
絵の練習だけでない、もっと大切なものを彼らにもらっていると、最近強く思うようになりました。
「この子たちって『素』やからね。どこにもウソがない。向き合ってると、ほんまに心が洗われるというか、
自分が恥ずかしくなることもあるよ。服の作り方もね、ちょっと変わったなって最近思う。
見た目のかっこ良さじゃなくて、着てる人がうれしくなるような、内面から笑みがこみ上げてくるような
そんな服を作りたいなあって」

この夏、Nさんが作ったTシャツにはズゼがデザインされていました。
「ほら、あの子の目はこんな感じやねん」と説明してくれる顔は実に楽しそうです。
右は、あるミュージシャンのためにデザインしたTシャツ。このモデルも王子動物園のマナヅルだそうです。
灘区王子町3丁目に住む動物たちが人気ブランドの服を支えているなんて、とても素敵だと思いませんか。

       ※Nさんのお仕事は「MANUAL LABOUR」でどうぞ。日記にゾウたちのことも書かれています。

MJプロフィール
神戸新聞記者を経て、フリーの記者/編集者。編集集団「140B」在籍。人物ルポやインタビュー、ニュース記事を手掛けつつ、街の雑誌やフリーペーパーも……というのが本職だが、もうひとつの人生の仕事は「歌うこと」。ソウル/R&B、ゴスペル、ブルースをこよなく愛するシンガー「MJ」として活動する。水道筋の[な也]でシリーズライヴを展開中。担当ナダログ:
灘ノオト


2007年8月27日(月曜日)

夏の夕べのヨシハルウォーク

カテゴリー: - naddist @ 10時00分37秒

今年の夏はすさまじく暑かった。
いやまだ暑いのですが。

千葉のレッサーパンダが熱中症で死ぬという悲しいニュースがありましたが、
王子動物園でもホッキョクグマを始め多くの動物がグロッキー気味なようです。
しかしこんな暑い中でも日光浴が大好きな動物がいます。
ケヅメリクガメのヨシハル。

いやこのヨシハル、でかいんですわ。
甲羅の大きさ60cm、体重45kg。
なんでもケヅメリクガメってのは、ガラパスコゾウガメ、アルダブラゾウガメ
に次いで大きいカメらしい。
ひょっとしたら手足から炎を出して回転しながら飛んでいくんじゃないか?
ってくらいの貫禄。
でヨシハル、いつもは「太陽の動物舎」で紫外線を浴びているのですが、
やっぱり自然の紫外線がいいってことで、夏場の夕方だけ園内を闊歩して日光浴
するわけです。

最初この散歩の様子を見た人は
「で、でかいカメが脱走してる!」てなもんで驚くわけです。
あるいは少し古めの灘区民なら、八幡神社の裏にあった池に住んでいた
伝説の巨大カメを重ね合わせ、拝み始めたりするわけです。
あるいは天城通あたりに住んでいる人ならハケを持って甲羅を洗おう
するわけです。
あるいは「火水木金火水木金 火星や金星 どこか〜のほ〜し〜の〜」
なんて目を潤ませながらガメラマーチを歌い始めたりするわけです。

そんな外野の混乱も意に介せず、ヨシハル君は悠然と園内を散歩します。
もうできるなら、ヨシハルの背中に乗って涼しい竜宮城まで連れて行って
もらいたい。

あ、ヨシハルはリクガメなので泳げないですがね。


2007年3月4日(日曜日)

大空を翔ぶ夢を見た

カテゴリー: - aiai @ 07時59分50秒

「玄関開けたら5分でパンダ」の好条件に恵まれた我ら灘クミン。
イノシシ問題もさることながら、灘の「動物度」は高い。

ところで、のっけから動物の話でなくて恐縮ですが、 『新明解国語辞典』をご存じでしょうか。日本語を独自の解釈で説明する、ユニークな辞典として知られています。

個人的見解のような語句説明への批判を踏まえてるのかどうか知りませんが、版を重ねるごとに内容が変化していきます。「新解さん」の愛称で親しまれるこの国語辞典の中でも、とびきり有名な「説明」があります。

 

「動物園」

 

版ごとに異なる、「動物園」の説明を抜き出すと、次の通りです。

 第二版・第三版「鳥獣・魚類などを(自然に近い状態で)飼い、観覧者に見せる公園風の施設。」

第四版「生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し捕らえてきた多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀なくし、飼い殺しにする人間中心の施設。」

第六版「捕らえて来た動物を、人工的環境と規則的な給餌とにより野生から遊離し、動く標本として都人士に見せる、啓蒙を兼ねた娯楽施設」

 

第四版の説明だけを覚えて育った子どもがいたら、きっと動物園が嫌いになるだろうなぁ・・・という疑問を胸にそっと仕舞いつつ、王子動物園のゲートをくぐります。

 

もちろん、平日の昼下がり。男一人で動物園。

そんな「ひとりde動物園」が気になるかと思いきや、真剣に動物をスケッチする若い女性や、子ザルを抱えているのかと間違えそうなぐらい巨大なカメラを胸に抱いているオッチャンなど、「ひとり客」にも優しい王子動物園です。ちょっと安心。

 

・・・いや、実は安心してる場合ではありません。
今回は、尊いミッションを果たすために来園したのです。

本日の目的はただ一つ。新明解第四版の「動物園」の解釈を凌駕するぐらい、最も自由に生きている(気がする)動物をスカウトしに来たんですっ!!

そう、つまりそういうことなんですよ、動物(&飼育員)のみなさん。やっと分かっていただけたようなので、大リーグのスカウト並みに厳しい目線で選び抜いた動物をご披露しさせていただきます。

あ、その前に、他の動物の写真も撮ってきたので、少し紹介させてください。

 

コバタン:キバタンなどと共に、白色オウム「COCKATOO」の仲間です。2004年に開催された「第13回ワシントン条約締約国会議」でコバタンは、学術目的以外に輸出入を禁止する、とても厳重な保護措置の対象となったそうです。生息地はインドネシアのスラウェシ島等。

ちなみに、言わずと知れた兵庫国体のマスコットキャラクター「はばタン」のモデルだと、僕が勝手に思い込んでいる鳥でもあります。もちろん、はばタンは不死鳥フェニックスをモデルにしてるんです。でも、見れば見るほど、コバタンとはばタンは似てます。

スズメ:スズメ目ハタオリドリ科(スズメ科)。飼育ゲージに勝手に入り込んでエサに群がっているあたりは、灘っ子の逞しさを彷彿とさせます。鳩やカラス同様、彼らも地元民ですから優しい目で見守ってあげてください。

 

ユキヒョウとアムールヒョウ:どちらもお休み中でした。ニャンコの仲間ですから、仕方ありません。ユキヒョウは中央アジア、アムールヒョウはアムール川流域に生息しているそうです。似た模様の猫なら、灘区内をウロウロしてるような気もしますが、大きさと危険度が違いますね・・・。

 

諏訪子とコウコウ:諏訪子は1943年生まれ。激動の時代を生き抜いてきた、灘の動物業界の生き証人(象です)とも言うべき存在。灘を見つめてきた諏訪子さんは、驚くほど「人間っぽい」目をしています。

パンダのコウコウは、ご存知の通り二代目です。出身地では龍龍(ロンロン)と呼ばれていたそうです。初代コウコウ(興興)が「オトナの事情」で帰国せざるを得ず、先代のピンチヒッターとしてやってきました。1995年に「中国保護大熊猫研究中心(センター)」で生まれ、2002年に来日してコウコウを襲名したのが、現・コウコウ氏なのであります。性格的には、先代に比べてやんちゃ者だそうです。

 

ミナミシロサイ・アカカンガルー・ダチョウ

ミナミシロサイ君は思いのほか活発に動いていて、軽快に敷地内を駆け回っていました。体重は2-3トンぐらいあるのですが、ものすごく軽やかにスキップをしてるサイ君を見て、ちょっとびっくりしました。

カンガルーは「あ、こういう家族おるおる。日曜日の夕方とか、まさにこんな感じや〜」と、生物としてのDNAに刻み込まれた家族愛を再確認することができる動物のようです。

それからダチョウですが、コイツは来園者の男性から無意味な会話を引き出してしまう動物のようです。

[若いカップル]
男「ダチョウとクジャク、間違えそうや」(笑顔いっぱいに)
女「開く方がクジャクやろ・・・」(冷めた感じで)

[親子連れ]
父「ダチョウや、ダチョウダチョウ。ダチョウやぁぁ。」(なぜかダチョウを連呼)
子「あー」(1歳ぐらい)

[老夫婦]
夫「ダチョーン?!」
妻「・・・・・」

 

引き続き、写真のみですがご覧下さい。

 

さて。

そろそろ、本題に入ります。

「ナダタマ・コンパニオン・アニマル」として推挙したい、イチオシの動物はこちら!

 

 

鳥が好きなんですよね。

 

ペンギンは飛べないですけど、水の中では飛べるんです。
その姿が、何だかとても楽しそうで。

「俺、飛べないけど、水の中だったら、ほんまにすごいねんで」

そんな、一芸に秀でたところが好きです。

ダチョウも飛べませんが、足の速いヤツとは仲良くなれなさそうです。

 

それから最後に、「モモジ追悼」写真を紹介して終わります。

「モテモテコアラ」モモジ 逝く 王子動物園

本当に立派な方(コアラ)だったようです。合掌。

モモジのお隣にお住まいのマリアさん。どこか寂しそう。

モモジの同僚、ピックスさん。どこか虚ろな表情?

 

aiaiプロフィール:「灘の旅人」担当。1997年に来灘し、2001年よりnaddist氏に師事。人文地理学を専攻する研究者(の卵)。「見えない地理学」をテーマに、場所への愛着・地蔵再生・災害の記憶などの研究をしている。最近では経済的理由のため外食ができず、食べ物ネタに参加できない日々が続く。個人ブログ「めだかのがっこう@灘区」。静岡県出身。元灘大学講師。


2007年2月19日(月曜日)

お気に入りを探してみた

カテゴリー: - wack @ 01時34分36秒

学童の指導員なんて仕事をしていると、
動物園に行く機会には恵まれているだろうと思われるかもしれないが、
実は年に一度行くか行かないか、である。
というのも、子どもたちを動物園に誘っても
「家でしょっちゅう行くからイヤや」
と返されてしまうからである。
大学で生物学を専攻していた僕としては
自分の能力を発揮できる数少ない場所なのに…と、もどかしく思う。
普段からちゃんと連れて行ってもらっていることを
喜ぶべきなのかもしれない。

さて、本題。
カメレオンとマダガスカル島が好きな僕の第一希望は
カメレオンの新規導入とそのサポートだったりするのだが、
無茶言っても仕方がないので園内を見回してきた。

カメラ目線@旦旦ちゃん カメラ目線@旦旦ちゃん

 

 

 

あーん♪@旦旦ちゃん あーん♪@旦旦ちゃん
食事時に通りすがれたのはラッキーだった。
飼育員さんの手からニンジンをもらう。

 

 

オヤヂな食べっぷり@興興くん オヤヂな食べっぷり@興興くん
こちらは無頼にガツガツと。

 

 

 

にらめっこ@諏訪子さん にらめっこ@諏訪子さん
新たに人が来るたび、鼻をもたげていた。
彼女なりの挨拶なのかもしれない。

 

 

 

高貴なお顔付きでいらっしゃる@ニホンジカ 高貴なお顔付きでいらっしゃる@ニホンジカ
王侯貴族な雰囲気を醸し出していた。
厳島の鹿とは大違いだ。

 

 

 

岩尾なお顔付きでいらっしゃる@カピバラ 岩尾なお顔付きでいらっしゃる@カピバラ
フットボールアワーのね。
同じ顔がズラッと並んでいた。

 

 

そして哀愁@カピバラ そして哀愁@カピバラ
この一頭だけズラッと並ばずにいた。
大きな背中が小さく見える。

 

 

 

お父さん邪魔!って言われてそう@アカカンガルー お父さん邪魔!って言われてそう@アカカンガルー
もはや野生を捨てている。

 

 

 

大阪のおばちゃん@オランウータン 大阪のおばちゃん@オランウータン
どこかで会ったことある気がするんだよな。

 

 

 

もこもこ〜@コアラ もこもこ〜@コアラ
癒し系。
運良く起きてた。他の子はみんな寝てた。

 

 

たれっクマ@シロクマ たれっクマ@シロクマ
癒して欲しい系。
もう一頭は、いつ見ても歩き回っている。

 

 

 

専門の知識が全く活きていないコメントで申し訳ない。
目を付けた動物がcalmさんとかなり被ってしまった。
サポーターが付いている動物って結構いるんだということもわかった。
かねてからのお気に入り動物には大体既にサポーターが付いていた。

夜行性動物ゾーンで文字通り日の目の当たらぬ生活をしている動物に
スポットライトを当ててみるという趣向で
スローロリスなどいかがだろうか。

霊長目 ロリス科
スローロリス
Slow loris
Nycticebus coucang
バングラデシュからベトナム、マレーシア等南西アジアに分布。
夜行性でのろのろ動く樹上生活者。森林の生い茂ったところにしか生息しない。
ほとんど昆虫食で果実、ゴムや樹脂も食べる。

コアラのようなやわらかそうな毛並みに
これまたコアラのような穏やかでなめらかな動き。
大きなクリッとした目がチャームポイント。
ワニだボアだと硬質な爬虫類ゾーンを抜けた先で
ホッとさせてくれる存在。
ロリスとは道化師という意味だそうだ。
では写真でご紹介。

スローロリスがいるのよ
だってフラッシュ焚いたらダメなんだもーん。
オフィシャルHPの動物図鑑にもリンクが無い彼ら。
見たけりゃ現地に足を運んでくださいな。

WACK!プロフィール
西区に住まえど心は灘クミン。愛する灘区で愛する学童っ子たちと戯れる日々。生粋の神戸っ子だが、灘との関わりは大学時代から。貪欲な好奇心で浅い灘歴をカバー。得た知識でマニアックな灘っ子を育成する。心も体も灘区のものとすべく、安くてウマい物件を探索中。
[担当ナダログ]
灘っ子日誌


2007年2月5日(月曜日)

灘を彩った猿たち

カテゴリー: - naddist @ 17時00分01秒

ナダタマサポートアニマルを選ぶにあたって、もう少し
灘アイドルアニマルの系譜について考察してみよう。

王子動物園はサル系アイドルを多く輩出してきた。

チンパンジーのジョニーとハッピーの間に生まれた1匹のサル。
悲しいことに母ハッピーは出産後この世を去った。
残されたベイビーモンキーは人口哺育され、やがて王子動物園の
アイドルへ。
彼こそが「神ちゃん」。
正面ゲート近くには「神ちゃんハウス」が設置され、
育ての父、亀井さんとともに入園者の人気を一身に集めた。

ローランドゴリラのザーク。
その巨漢ぶりは、正に横綱の風格。
1975年6月8日、計量が行われ電光掲示板に現れた数値は「285kg」
ついに「世界一重いゴリラ」として認定された。
灘区では6月8日は「ザーク計量記念日」とされ、その伝説は灘クミンの
語り草だ。
また、その時使われた体重計は今も大事に保管されているという。

忘れてはならないのはキンシコウ。もう灘にはいないが、もしいたならば、
きっとナダタマサポートアニマルにノミネートされていたはずだ。
最初の来神は1985年のグリーンエキスポまでさかのぼる。
これをきっかけに、1992年から王子動物園で「キンシコウ日中共同飼育繁殖研究」
が始まった。そして一躍王子動物園の人気者になった。
彼らは中国の動物ではなく、実はチベットの標高3000mの地に生息する山岳動物。
チベットといえば山岳仏教の聖地。
我が灘区の霊峰摩耶山との関連も深い。
その山麓、王子動物園での飼育はまさに適地ということになる。
そしてそのルックス。
別名ゴールデンモンキーとも呼ばれるその美しい体毛はアイドルに相応しい。
一説では孫悟空のモデルとされているが、むしろ同じく80年代半ばに
ブルーアイドソウルのアイドルグループとして人気を博した「ブロウモンキーズ」のナルシストボーカル、Dr.Robertが思い浮かんでしまう。キンシコウ来神に前後して80年代、阪急六甲近辺に乱立した女子大生狙いのカフェバーでヘビープレイされていた「Digging Your Scene」のオシャレ感と王子動物園のキンシコウのイメージがなぜかダブってしまうのだ。

「キンシコウ」と「ブロウモンキーズ」。
バブルの頃、風に吹かれて灘にやってきた猿たちは、もう灘にはいない。

キンシコウ

●ベスト・オブ・ブロウ・モンキーズ ~コンプリート・シングルズ
80年代の六甲坂道を駆け抜けた猿たち。
OLD/NEW六甲、ウェザーリポートなど「第一次灘カフェ時代」を彩るオト。
「It Doesn't Be This Way」「Digging Your Scene」は、
高い天井のシーリングファンとともに、今でも僕らの脳裏で回り続ける。


2007年1月29日(月曜日)

茶目子を選んだワケ

カテゴリー: - naddist @ 23時55分34秒

動物園に目的意識を持って訪れることなど滅多になくなった。
なんとなくぽわ〜んと訪れて、ぽわ〜ん動物を眺める。
というのが動物園での一般的な観覧行動であろう。
しかし、しかしである。
当企画「ZOOマニア」では、ナダタマアニマルを見い出し、かつサポートする
という明確な目的がある。
何を基準に選べば良いか?
園内で呆然と立ち尽くす私の脳裏に、王子ZOOでのとある記憶が甦った。

王子動物園写生大会。
そう、小学生の頃は王子ZOOでの写生大会というものがあり
「動物を描く」というノルマが与えられた。
動物をゆっくり見て楽しむ余裕などない。
とにかく「コイツ!」という動物を早急に選び、
そして描かなくてはならない。
毎年私の描く動物は決まっていた。たぶん6年間描き続けたと思う。
それは、カバの茶目子だった。
別にカバが好きなわけでもなく、茶目子が23頭出産の日本記録を
持っているからでもない。
下記のような様々なファクターがからみあいもつれあい、
茶目子が選定されたのだった。

まず写生の鉄則、モデルの動きがのろいこと。
たまにリスザルなど描いている友人もいたが、
正直「アホか」と思った。
そしてフォルム、色調が単純なこと。
たまにクジャクなど描いている友人もいたが、
内心「ダボか」と思った。

そして建物。
オリに入っている動物はオリがじゃまで観察しにくい。
その点カバは柵のみなので見やすい。
獣舎のデザインも重要な要素だ。
カバのフォルムが単純なだけに、背景の建物のデザインが悪いと
なんとも間抜けな構図になってしまう。
カバ舎のミッドセンチュリーなモダンデザインとグラマラスな
茶目子との組み合わせはまさにベストマッチだった。

水面も必要だ。
なんといっても「ドバ〜〜ッ」と塗ってしまえば、画面の半分は完成してしまうのだから。
私は「王子動物園カバ舎の池色」というオリジナル色の開発に成功し、
毎年それを塗ることで、徹底した省力化を図った。
またその配合を友人に教えて、かわりに一燈園の串かつをおごってもらう
という「世渡り」に目覚めた。

作業環境も極めなければならない。
メイン園路からゆるやかに分断されたカバ舎前の通路は、落ち着いて
製作に没頭することができた。大きな木陰は天然のパラソルになり、
水場も近く迅速な筆洗が可能だった。

これらの試行錯誤は作業効率だけでなく作品のクォリティにも反映された。
毎年神戸大丸で開催されていた、兵庫県小中高絵画展で数回の入賞も
果たした。こうして私は「茶目子描きのスペシャリスト(チャメカー)」
としての地位を確立していった・・・・・・・・。

そうだ、写生大会の動物を選ぶ感覚でナダタマアニマルを
スカウトしてみてはどうだろうか?

私は、ゆっくりと園内を歩きだした。   
                             (つづく)

↓バリアフリー化前のカバ舎

旧カバ舎

naddistプロフィール
灘クミン。神戸市灘区生まれ。地域倒錯型お楽しみ系超ローカルメールマガジンnaddist【灘区冒険手帳】発行人。座右の銘は「視点に延髄切り、記憶にパイルドライバー」。灘を離れるも震災を機に帰灘。「灘愛」を基本原理とするお楽しみ系地下活動セクト[naddism Edit.]設立。
[担当ナダログ]
私を市場に連れテッテ
灘道中膝栗毛


2007年1月22日(月曜日)

大人の動物園

カテゴリー: - calm @ 08時30分00秒

王子動物園をとことん楽しむ「ZOOマニア」。まずは、ナダタマがサポートすべき動物を選ぶところから始まります。ということでしばらくはナダログブロガーによる「動物選び」。トップバッターは王子動物園直近クミン、かつ子連れのナダロガーcalm氏です。それではよろしく(naddist)

こんにちわ、calmです。
動物園にはたまに行きます。
ユニバなどはそりゃ家族で行けば楽しいんでしょうが何かと高くついてたまりません。
その点、王子動物園は安上がりで子どもも大喜び。
さすがに小学生中学年ともなると一緒に動物園に行ってくれませんので
チビと嫁とでGo。本気で動物を見るのは何年ぶりだろう?

こうやってみると「観覧車」があるなんて立派な動物園だな〜。 

おなじみの入口のフラミンゴ。開園してすぐにはいったのですが、
朝は一本足打法がすくなかったです。昼から一本足になるんでしょうか。
トーク・トークの"It’S My Life"のPVが頭にすぐ浮かんできます。

 

孔雀はまったくサービス精神がありません。遠目では孔雀かどうかもさだかじゃありません。
しっかり羽根を拡げてほしいものですね。

朝っぱらからガッツガッツと食欲旺盛、人が見ていようが全く意に介さず。
必死なほどに笹を食べておりました。いや〜腹が据わってます。
もっと効率のいい食べ物を選べばいいのにと思う私は現代人ですね。

 

上がシロミミキジで下がミミキジ。クロミミキジにしてくれたら覚えやすいですね。

  

 

アシカ。なかなか可愛い顔して寝てます。
しかし泳ぎ出すと2mは超えそうなその巨体に圧倒されます。海では絶対出会いたくないですね。

シロクマは本当にデカイです。撮影したところからだいぶ離れていましたが
その大きさは充分に伝わってきます。おまけにパンダと違ってとても獰猛そうです。
気になったのはペアのシロクマとの距離です。20m以上はあったでしょうか。
3mの関係どころではないですね。

猿達。我々の親戚そうなのもいればリスみたいなのもいますね。

 

ギャング風な彼ら。悪巧みしてそうです。

怯えてるのかな?なんか可哀相になりましたが顔はとてもかわいいです。

 

カバは臭いです。とても堪えられません。しかしアマゾンではその糞が小魚達の
貴重な栄養源だとか。色んな栄養の取り方がありますね。

サイも臭いです。朝だったからでしょうか。とにかく寝てる動物が多かったです。
走って飛び乗ってロデオできそうな背中していました。

ダチョウ。なかなかいいフォルムしてます。マンガみたいですね。
足は恐竜の子孫であることを証明していますね。イカツイです。

ニホンジカ。かしこそうです。逆にこっちがウォッチされているようでした。

定番のキリン。後ろから見ると馬に似てますね。背中はなだらか過ぎて乗れそうにありませんが…
キリン目キリン科と書いてあったので馬とは親戚でもないんでしょうね。

  

全然うまく録れなかったニホンオオカミ。格好いいです。
可愛いです。犬のようで愛着が持てます。飼ったら平気で指の一本二本持っていくんでしょうね。

 

山嵐の背中は本当に凶器ですね。自然にこんな防御服ができるんなんて本当不思議ですね。
他の動物も近づけないでしょう、そりゃ。
スカンクに比べて防御の仕方が格好いいです。

 

フクロウ。目が前についている鳥。おじいさんのイメージがありますが
小ねずみなどを食べる肉食ですね。タフなじいさんですよ、まったく。

    

マナヅル。昔話しでもおなじみの美しい鳥。

ア○フラック!アヒル?これが結構かわいいんですよね。
水浴びが好きなようで清潔で綺麗です。本当に羽根が綺麗でした。

  

名実ともに一番お世話になっているニワトリ。格闘家の体はほとんどニワトリから出来ている
と言っても過言ではないでしょう。卵も朝からお世話になっています。感謝感謝。

 

そんな訳でこれはニワトリの鎮魂塔なんでしょうね。こんな所にあるなんて
全然知りませんでした。思わず手を合わせてしまいました。
みなさんも行かれた時は手を合わせて下さいね。

あと猛禽類、象も見たのですが他の方のネタのために割愛させていただきます。
これ以上は長すぎますしね。

いろいろ回ってナダタママスコットアニマルにいいと思ったのは数種類。
ライオンやゾウ・パンダはありきたりなのでダメですね。
…………….アヒル(まさかあれはガチョウなのか?)
違いの分かる方教えて下さいm(_ _)m

calmプロフィール
灘北通クミン。生まれも育ちも兵庫区という生粋の「ヒョウガー」だったが灘区に魅せられ震災後灘区へ移住。格闘技とラリーカールトンとコナモンを愛する、2児の父ナダロガー。
担当ナダログ:ナダコナ
http://www.nadatama.com/modules/wordpress6/


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