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naddistアーカイブス > 2001 > 2001年4月 > [010420-87]喫茶「カウボーイ」幻想【さら灘07】
[010420-87]喫茶「カウボーイ」幻想【さら灘07】
投稿者: Naddist 掲載日: 2001-4-20 (1921 回閲覧)
...n a d d i s t
...010420-87
...
...naddism Edit.


■CONTENTS==================================================



・さらば愛しき灘よ07
 第七話 喫茶「カウボーイ」幻想
・灘声灘語02
・naddist NEWS(naddistからのお知らせ)
   〜春の摩耶山不思議発見ツアー再び!のお知らせ



============================================================



愛しき灘を書き綴った、連載「さら灘」は今回で第七話。
えーっ!?終わっちゃうんですか???
[naddist 010330-85]でご紹介した、喫茶「カウボーイ」です。



==========================================さらば愛しき灘よ07



●DECO様(元・学遊飲住愛憎喜怒哀楽クミン)



■第七話 喫茶「カウボーイ」幻想



 naddist4月10日号における喫茶「カウボーイ」をめぐる一連の逸
話を読んだ僕は、この「さら灘」シリーズがもはや完全に過去の作
品と化したということを悟らずにはいられなかった。社会主義体制
の崩壊が、恐慌待望論者たちを沈黙させたように、インターネット
の普及がパソコン通信を駆逐してしまったように。



 残念ながら(というべきなのだろう)、僕は「カウボーイ」を知
らない。でも数々の証言から、その佇まいを、光を、匂いを、感じ
ることができた。夢と現実を行き来する神秘的な舞台、謎と魅力に
満ちた登場人物、カップやドリンク、フードなど混沌と混濁を表象
する舞台装置、そしてC&Wとブルーグラスとヨーデルをミキサーに
かけ、ステアとシェイクを交互に数回繰り返した後、ふたたび分離
したような音楽を連想させる弾き語りのギター‥‥‥。
底知れぬ諧謔と充溢する物語。多くの証言者は口をそろえて言う。
あれは夢だったのか、と。ノヴァリスは書いている−−−世界は夢
となり、夢はまた世界となる。このトートロジカルな言葉の意味を、
僕はこのときようやく理解した。難解な問いの答はいつも意外なと
ころにある。意外でないところにあるのなら、見つけているはずだ
からだ。
 もし僕が「カウボーイ」を知っていたら、生ギターを持参して、
マスターと深夜のセッションに興じたことだろう。もし僕が「カウ
ボーイ」を知っていたら、西部開拓民が愛用したダッチ・オーブン
について、マスターと朝まで語り合ったことだろう。
でも本当に僕が「カウボーイ」を知っていたら、店の扉さえ開ける
勇気はなかっただろう。



 思えば去年の春に「第一話 君はクラブ○レーを知っているか?」
を書いて以来、次の「さら灘」のネタに窮するというようなことは
一度もなかった。だが何事にも潮時というものがある。この期を逃
すと、僕は永遠に「終わり」を見つけられないような気さえしてい
る。やがてネタは枯渇し、スタイルは疲弊し、文体は磨耗し、ただ
ニュートンの第三法則にしたがって、思想なき試行と思考なき決定
がくり返される。記述のオートマティズムによる飽くなき支配‥‥。
悲惨である。まるで、硬派で斬新だったロック・バンドが「ラブ・
ビーチ」なんていうふやけた豆腐みたいなアルバムを出してしまう
かのようである(ELPファンの方ごめんなさい)。
 引き際さえも野心に満ちているべしという信念を、身をもって教
えてくれたのは僕の祖父であった。何をかくそう僕の祖父は、生死
の境目をさまよいながらも、看護婦さんに「いま何がしたい?」と
訊かれて「君とデートがしたい」と答えた偉大なる人物である。そ
んなわけで、この第七話を「さら灘」の最終話から数えて三番目の
話としたい。潮時のわりにはひっぱるじゃねえか、というお叱りは
ごもっともであるが、どうしてもあと少し書いておきたい話があっ
たのである。祖父は彼女とデートする前に亡くなってしまったが、
その無念を晴らすためにも僕が最後まで連載をつづけることをどう
か赦してほしい。このように、話の核心をずらして別の矮小な問題
に回収してしまうのは○○○○○○○らがよく使う論法であるが、
僕の場合は矮小な問題を卑近な話にすり替えているだけである。
つまりこれは、完全に筆者の恣意に依拠した状況設定でありながら
も一切の政治的・倫理的問題を派生しないという点で、いがらしみ
きおがその主著である「ぼのぼの」の中で、ラッコの直立歩行を前
提しているわりにシマリスのバタフライやアライグマのほふく前進
を描写しないのと似ている。
 というわけで、次回「灘生活の終焉」、次々回「後日談」をもっ
て「さら灘」はその短い歴史の幕を閉じる。たぶん。



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DECOさんありがとうございました。
「さら灘」完結…
全灘10万人の「さら灘」ファンにとってはショッキングな発表だ
ったかもしれません。
思い起こせば「第一話 君はクラブ○レーを知っているか?」での
衝撃的デビューから約1年、数々の話題を提供してくれたnaddist
きっての名物シリーズだっただけに寂しいですね。
なにか引退発表をしたキャンディーズの『微笑がえし』を聞いてい
るような気持ちで第七話読ませていただきました。
「灘一番が〜化粧したての○レーのママに〜」なんて口ずさんでし
まいそうになりました。
ともかく最後の渾身の二話、楽しみにお待ちしています。
ところで「カウボーイ」情報がパタリとなくなってしまいました。
どしどし情報お寄せ下さいね。



なお、DECOさんから前号[naddist 010330-85]さら灘号外の記述に
関してお詫びと訂正を頂きました。



■お詫びと訂正



前回「さらば愛しき灘よ・号外」のなかで一部あやまりがありま
した。



   <誤>「別冊りぼん」 → <正>「りぼん」



「別冊りぼん」というのは存在しないようです。関係者および読者
に多大なるご迷惑をおかけすることはなかったと思いますが、これ
によって気を悪くされた方、胸を悪くされた方、外交関係を悪くさ
れた国家、などがあればお詫びします。



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好評灘ネタ辛口新聞風コラム「灘声灘語」お送りします。
早速の第二弾ありがとうございます。
今日も▼印は絶好調。



==================================================灘声灘語02



●灘声灘語様(灘ジャーナリスト)



阪神御影の「灘ラーメン」を、ついに食した。「パチもんやし、マ
ズいに決まっとう」期待と「うまかったらどないしょう」不安がひ
とつになって、過ぎ行く日々などわからないクリスタルキングの心
境で箸をつけた。酒粕仕立てだった▼こと日本酒に関し、我々は東
灘に気後れしている。豊富な銘柄、生産量。灘五郷酒造組合本部は
御影にある。よそから来た人に「灘五郷というからには、灘区が本
場なのね」と尋ねられた時、「あたりまえやんっ」といいつつ苦瓜
を噛み潰したような顔をしてしまうのは、この抑圧感のせいだ。同
時に、石屋川の合戦で東灘の二重三重の酒蔵城壁に敗走する我々の
姿が脳裏をよぎる▼東灘日本酒武装戦線に正攻法ではとてもかなわ
ないので、ここは「灘ラーメン」にケチをつける小手先の戦術を試
みよう。店構えは最近の6坪中華店にありがちなキン赤仕様で、
「Pあまんぷく図鑑」に載りそうだ。読者に関係者がいては困るの
で「こOBEウオーカー」とはいわないが、情報誌がすぐ飛びつく
あざとい飲食店カルチャーを私は「東灘系」と呼ぶ。ほど近い御影
石町に日本酒使用のカレー店があるが、ここも情報誌御用達だ。酒
文化をダシにする商法は、東灘の専売特許だ▼酒粕を使ったラーメ
ンはすでに京都・伏見に存在する。伏見は灘五郷に比べ大小酒造メ
ーカーの町に対する愛着が強く、街と酒蔵や関連商店が一体化して
いる。街の人に広く親しまれるそのラーメン屋は、そいつを「伏見
ラーメン」と呼ぶようなあざといマネはせず「酒粕ラーメン」とい
たって謙虚だ。ともに味も値段もまあまあだが、どちらにせよご当
地商品的な「万人受け良品的安心感」に我々正統灘クミンは安堵す
るのである▼「このラーメン、醸造アルコールがきついで。今日は
福徳長の本醸造使とうな」「今日のカレー、ちょっと甘い。ははー
ん。澤之鶴純米カリーか」。いずれ、このようなつぶやきが水道筋
界隈のメシ屋で聞かれるであろう。「C級」「チープ」「ディープ」
的わかったような言い回しではとうてい表現できない場末感とキワ
どさが、正統灘クミンが欲する灘ラーメンや灘カレーには必要だ▼
すでに、水道筋あたりに「灘モノ」を供する場末店の計画があると
聞く。その店はK戸高校の学園祭パンフに協賛広告掲載されても、
「ぴAまんぷく図鑑」「みEET」には載らないだろう。おやじ酒場
さえ情報誌化される昨今、情報誌やグルメが敬遠する「灘モノ」は
新鮮であり貴重である。サンズイが取れればただの「難モノ」だが。



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●          naddist NEWS            ●
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●  春の摩耶山不思議発見ツアーいよいよ明日!だけど…  ●



先月雨にたたられた「春の摩耶山不思議発見ツアー」が明日に迫り
ました。でもなんか雲行きが怪しい…うーん東灘の陰謀か(うそで
す)でもでも、少々の雨なら開催します。だって、抹茶団子も予約
しちゃったし、天上寺の副住職による「マニアックツアー」もお願
いしちゃったしなあ。雨の摩耶山も結構しっとりいいものですよ。
深山幽谷感も盛り上がります。マイナスイオンもいつもよりたくさ
ん出るはずです。
只今参加希望者16名、抹茶団子にはまだ余裕があります。
参加希望の方は今すぐnaddistまでメールを。
詳細情報お送りいたします。



日時:4月21日(土)明日です!
   1200〜1700
   ※少雨決行ですが、土砂降りだったら翌日22日(日)に順
   延しようかなと思っています。参加申込みされた方には、当
   日朝、開催決定通知メールを差し上げます。
集合:1200 阪急王子公園東口改札集合(厳守)
   (12時18分のミニバスをバスジャックします)
見所:王子公園からミニバスジャック〜ケーブル下駅からケーブル
   ジャック〜爆裂インドマンション見学〜摩耶観光ホテル探検
   〜空飛ぶ市バスジャック〜旧奥摩耶遊園地施設跡探訪(摩耶
   コースター、奥摩耶スケート場、野外劇場等)〜天上寺マニ
   アックツアー〜青谷道より下山〜山岳民族爆笑アイテム観察
   〜神戸市内唯一の茶園の茶室で、できたて抹茶団子とヤマザ
   クラでアジアの極楽(雨天時プログラム変更あります)
   ※なお、遠足打ち上げを観音寺のお食事処「ぺれ」さんで行
   なう予定です。お時間ある方は是非ご参加下さいませ。
   
参加ご希望の方はnaddistまでメールでお知らせ下さい。



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○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 
△ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ 



          たん吉様(元下宿クミン)作 てる灘ぼーず



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お気軽に「町話」「感想」お寄せ下さい。



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・灘区との関わり(適当につけて下さい)
(例)元クミン:元灘区在住
   現クミン:現灘区在住
   (クミン=区民ではないので、他地区の方大歓迎)
等を明記して頂ければ幸いです。



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町は夢となり、夢はまた町となる
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