▼ ちょうど1カ月前になるが、学童保育の子どもたちに沖縄の文化や歴史を通じて命の尊さを学ぶ機会をと「命どぅ宝 沖縄からのメッセージ」が8月29日に神戸市灘区の地域コミュニティ施設「風の家」で行なわれた。区内の学童保育所の子ども60人と父母、学童保育所の指導員が参加した。7月末の都賀川での水難事故の傷が癒えない子どもたちを沖縄の風景や歌で元気づけ、沖縄での戦争について知って改めて命について考えるきっかけになればと、沖縄民謡を習っている父母らが企画した。ちんぴんなど沖縄のお菓子も手作りで出された。
六甲風の郷公園にある「風の家」
▼ 与那国島出身の新城さん(姫路市在住)が唄三線で沖縄の民謡やポップスを歌い、苦しい時代を歌とともに乗り越えてきた沖縄の人たちのたくましさや明るさを話した。スライド上映では、「身近な沖縄 神戸と沖縄」と題し、神戸は花崗岩の石垣が多いが沖縄でも琉球王朝時代から伝わる高度な石垣建築の技術があることや、ウルトラマンやウルトラセブンの作品の多くが沖縄出身の金城哲夫さんによって書かれたことなど紹介された。神戸港でウルトラセブンが「金城」をもじったロボット「キングジョー」と戦ったシーン(1968年放映)では、歓声が起こった。
神戸港で戦うキングジョーとウルトラセブン
▼ 後半は沖縄戦の写真が上映され、艦砲射撃で穴だらけになった街や集団自決と思われる様子、爆雷を抱えて突撃しようとして殺された少年兵の姿など、子どもらは息を飲んで見つめていた。「できるだけ多くの子どもたちに触ってもらって、命の重さや平和の重さを実感してもらえれば」と、沖声灘語が沖縄でボランティアでの遺骨収集を続ける具志堅隆松さん(那覇市在住)から預かった、遺骨とともに出土した手りゅう弾3個と置き時計が並べられた。子どもたちは、真剣な面持ちで持ったり握ったりしていた。
沖縄から送られた、壕から出た日本軍兵士の手榴弾などに触れる子どもたち
▼ 後日、参加した子どもたち全員が作文を書き、怖いと思いながらも遺品や写真に真剣に向き合った様子などを綴った。
「しゅりゅうだんをさわって、ぼくが兵士だったら、そんなもので人をころしたくないと思ったり、そんなものは、もちたくありません。せん死した人は、まだ先のみらいをあゆまれなくて、かなしかっただろうな、と思いました。その人たちの分も生きていこうと思いました」(小学2年生、男子)
カチャーシーで締めた
(写真は灘区在住の薬人さん撮影)
※「灘にあった南西諸島連盟」は休みます