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おもろうてやがて悲しき諏訪子カレー
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2008年5月26日(月曜日)

おもろうてやがて悲しき諏訪子カレー

カテゴリー: - naddist @ 17時30分15秒

5月25日、前日の土砂降りもなんとか上がり、諏訪子が旅立った1ヶ月半前と
同じような曇り空の下、
「諏訪子49日インドカレー法要」が厳かに…
もとい、にぎにぎしく開催されました。

インド仏教的には四十九日目に地獄に落ちるか、人間に生まれ変わるのか、
はたまた動物に生まれ変わるのか決まるとされています。
ま、それはともかく「四十九日法要」とは故人を偲び、残された人々が集まり、
それを縁に生や死について考える日なのであります。

日本の仏教で法要の時の食事のことを「お斎(おとき)」といいます。
インド生まれの諏訪子さんは、インドマザー摩耶夫人ゆかりの摩耶山麓、
しかもインド人の多い青谷の地で半生を過ごしました。
そんな諏訪子さん法要のお斎はやはりインドカレーしかない。
ということで、お斎製作は摩耶山リュックサックマーケットがご縁のカレー屋さん
「ヒンホイ」さん(県庁前)に担当してもらうことになりました。

「諏訪子法要にふさわしいカレーを」
こんな無茶な依頼にもしっかり応えてくれました。
そして、世界で一つしかないオリジナルカレー「諏訪子カレー」が完成したのです。
諏訪子が大好物だったリンゴ、バナナ、カボチャ、キャベツ、ブロッコリーが
たっぷり入った北インド系のカレー。
お斎にふさわしいベジタリアン振り、流石です。
そしてスパイスはマスター自らの「遠足や写生大会の時の諏訪子との思い出」。
いやはや予想以上の諏訪子愛に満ちたステキなカレーが仕上がりました。

   

確か諏訪子、パンも食べてたよな…
ってことで、これまた摩耶山リュックサックマーケットがご縁の
「pecopa」(将軍通)の食パンと、動物園直近商店街の水道筋は
「マルキーズキムラ」のバゲットを調達。
せっかくだから、カレー色の参列記念バッジも作製。

そしてできたてのカレーを持って王子動物園へ。
諏訪子なご縁で集まった20余名の参列者とともに、ゾウ舎前で会場設営。
まずはインド方向に祭壇を。
灘百選の会謹製の「諏訪子文様唐草手ぬぐい」の上に、好物のリンゴとバナナ、そして
諏訪子の追っかけをしていたZOOマニアのOさんの諏訪子近影が供えられました。

   

ええ、もちろん無許可ですとも(笑)
でも違法なことをしているわけではないので堂々としたものです。
この手のイベントは恥ずかしがらないで堂々と、そして本気でやりきらないと
面白くないですからね。
不思議そうに我々を見守る一般来園者。
「なんのイベントですか?」
「諏訪子の四十九日法要です」
「あ〜ご苦労様です」
納得しつつも目の前の大量のカレーに「?」だらけのお客さん。
つか、どうみても遠足にしか見えない。
でも動物見ながら昼飯なんて何年ぶりだろ?
王子動物園に遠足に行っていたころの、あの感覚が蘇りました。
これは楽しいわ!

いただきます。

「いただきます」の意味は「命をいただく」ことでもあります。
諏訪子カレーを一口。
さやかな酸味と甘み。
じんわりやってくる辛さ。
こ、この三味の波状攻撃は…
おお!そうか!
インドから見知らぬ異国、神戸に連れて来られてすぐに戦争。
先輩ゾウ摩耶子との別れ。
太郎との淡い恋。
そして辛い別れ。
大地が揺れた震災。
初孫モモの死。
このカレーの味は、酸いも甘いも辛いも噛み分けた諏訪子の人生そのものではないか!
やるな…ヒンホイのマスター(笑)

動物園は生の素晴らしさと死の悲しさが体感できる貴重な場所だと思います。
ただ「動物がいっぱい見られて楽しい」とか「パンダがかわいい」だけじゃ
もったいない。
第一、遠いところから連れられてきた動物たちに申し訳ない。

おもろうてやがて悲しき諏訪子カレー。
来年の一周忌でまた会いましょう。


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