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2010年12月7日(火曜日)

その街のこども、その街のはなし(1)

カテゴリー: - library @ 21時00分39秒

今年の1月17日にNHKで放送され、反響を呼んだドラマ『その街のこども』の劇場版が
現在シネ・リーブル神戸で上映されている。
この映画は灘クミンの皆さんには是非見ていただきたい。
というのも、内容もさることながら、灘区各所がスクリーンに登場するこれまでに類を見ない
灘ロケ作品なのだ。しかも出てくる街角がどこも地味で滋味あふれ、実に味わい深い。

新神戸で偶然出会った勇治(森山未來)と美夏(佐藤江梨子)が、震災15年目の朝まで
三宮〜御影間の街、つまり灘区でひとときを過ごすというストーリー。
灘文化堂ではこの映画に登場する灘の街を映画の内容とは全く関係のない読み解きをして
みたいと思う。

『その街のこども』阪神西灘ガード

『その街のこども劇場版』予告編より「阪神西灘ガード下」


三宮からJRの高架沿いを東へ歩いてきた二人は、なぜか阪神西灘駅に到着する。
阪急王子公園でもなく、JR六甲道でもなく、阪神西灘である。
渋すぎる。
灘クミンでも思わず「ここどこやねん」とツッコミたくなるにちがいない。
どこかで見たことがあるような、見たことがないような、不思議な浮遊感がある場所。
阪神電鉄西灘駅は、阪神国道電車との乗り換え駅として1927年(昭和2)に開設された。
つまり、街の中心でもなんでもなく、ただ乗り換えのために阪神本線と国道2号の交点に
偶然できたという「できちゃった駅」。
映画の中に漂う「どこでもない感じ」はこの駅の生い立ちによるものかもしれない。

画面にちらっと映る酒屋「坂田商店」では、その昔「やえもん」というオリジナルブレンド
の日本酒が売られていた。かつては酒屋がいろんな銘柄をブレンドして販売できたので、
無数のブレンド酒があったという。
坂田商店の南には「菅公」という銘柄で知られた、西郷・岩屋の蔵、1824年(文政7)創業
の「菅野酒造」があった。
その東南には灘酒では西の横綱と呼ばれた「若井酒造」の甍(いらか)の波が広がっていた。
ここで醸されていた「牡丹正宗」は西灘の幻の銘酒だ。
毎年大晦日になると、若井本家の蔵の外には酒がなみなみと入った樽が並べられ、無料で
酒が振る舞われた。その酒を飲んで海に落ちて溺死した人たちを供養するためにまつられた
といわれている地蔵の1つが、今でも高速道路のかたわらにひっそりと残っている。

酒の街だった西灘界隈も近代化とともに風景が変わっていく。
白砂青松の静かな村も、重厚長大の時代の波に飲み込まれ、西灘には葺合の浜にあった川崎
製鉄の社員住宅ができた。そして社員住宅はボウリングブームの到来とともにボウリング場
に変わった。全盛期は灘区内に6カ所あったボウリング場も次第に減り、震災で被災した
「西灘ボウル」も取り壊され、屋内スノーボード場「スノーヴァ神戸FREE区」と
して再スタート。しかしわずか8年で閉鎖し大規模マンションになった。
勇治と美夏が話をする公園のような場所が、このマンションの公開空地だ。

めまぐるしく変貌を遂げてきたこの場所で、エアポケットのように「西灘」が残っている
場所がある。阪神西灘駅前の、西郷の金盃酒造の宣伝酒場である「高田屋巽店」ののれんを
くぐると、当時の「西灘」に少しだけタイムスリップできる。
名物の関東煮をつつけば、酒蔵の匂いや、阪神国道電車の警笛、駅へ急ぐ工場労働者の靴音、
そしてボウリングのピンが倒れる音、耳をすませば砂浜に寄せる波音も聞こえてくるかも
しれない。

積層された歴史と浮遊感漂う「西灘のガード」を越えた二人は
「勇治のトラウマ地帯」へと歩いていく。(つづく)


『その街のこども劇場版』はシネ・リーブル神戸で上映中。
12/4〜12/10 20:20の回、予告なし本編スタート、レイトショー1,200円均一。
12月10日は元灘クミン、森山未來氏の舞台あいさつもあり。

詳細は
シネ・リーブル神戸
『その街のこども』オフィシャルサイト


震災経た若者の今 ドラマ「その街のこども」映画化(神戸新聞2010/11/24)


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