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2009年8月5日(水曜日)

灘一千一秒物語

カテゴリー: - library @ 12時00分29秒

70年ぶりに関学の夏の甲子園出場が決まった。
実は灘クミンにとってもよろこばしいニュースだ。
ご存じのように、関西学院は1889年(明治22年)に現在王子動物園のある原田の森に創立された。
今から80年前には、「灘の関学」は夏の甲子園で全国優勝も果たした。
(余談だが甲子園常連校の報徳学園は関学の北、現在の海星の地にあった。
 つまり報徳も灘区にあったのである)
そんな縁でこの夏、灘クミンと甲子園がつながる。

関学発祥の地

原田の森の関学と言えば、やはり稲垣足穂を忘れるわけにはいかない。
足穂は1914年(大正3年)に関学に入学し1919年(大正8年)までの5年間
西灘村で学園生活を送った(自宅は明石)。
稲垣足穂といえば星と月が思い浮かぶ。
無類の天体狂だった稲垣作品には星や月が頻繁に登場する。
といっても、甘ったるくロマンチックなものではなく、灘酒のようにあくまでも辛口だ。
足穂の描く星と月は、ユーモラスで、時にはいたずらものだったり、暴力的だったりする。
人間だって負けていない。星や月を銃で撃ったり、石を投げつけたりする。

今回紹介する稲垣足穂の『一千一秒物語』は、月や星と「ぼく」の格闘を描いた絵本のような
掌編集である。
ほとんどが夜の物語であるが、モダンで都会的、しかしのんびりとした郊外感のある
神戸の夜の空気感が、行間とたむらしげる氏のイラストレーションから心地よく漂う。

もちろんナダタマで足穂文学を真正面から紹介するつもりはないので、
あくまでも足穂が闊歩した灘を切り口に斜め読みしていきたい。

「投石事件」は、主人公が月に石を投げることから始まる。
石は見事に月に命中する。怒った月は地面に下りてきて「ぼく」を追いかける。
「ぼく」は一生懸命に逃げる。
垣を越え、花畠を横切り、小川をとび、踏切を抜けようとしたら急行列車に行く手をはばまれ
「ぼく」は月に捕まってしまった。
この作品は是非とも灘視点で読解していただきたい。
「垣」は関学の垣で、「花畠」は与謝蕪村も詠んだ灘の菜の花畑、「小川」は青谷川、
行く手をはばんだ急行列車は阪急電車、などと想像しながら読むとタルホの世界が
一気に身近になり、いつもの散歩道もキラキラと輝きだすかもしれない。

「A MEMORY」で描かれた、月の光がシンシンと降り注ぐ、幻想的な山並みは
おそらく摩耶六甲ではなかろうか。
トンコロピーピーという笛の音は、クロツグミの鳴き声か。
関学のレンガ造のチャペルや芝生越しに見える摩耶は、きっと日本離れした
光景に見えたであろう。
関学から真正面に見えた摩耶山では、8月8日の深夜、つまり8月9日の午前0時に
天上の星が集まり天上寺の観音様に降り注ぐ日とされている。
神戸の人たちはこの時を目指して、摩耶山・天上寺を目指したという。
その光景を目にした外国人の新聞記者が天上寺を「Moon Temple(月の寺)」
と名付けて記事にした。
足穂もこの不思議な真夏の光景を目にしたかもしれない。

『一千一秒物語』にはこんな話もおさめられている。
ある人がこう言った。
「きみはあの月も 星も あんなものが本当にあると思ってるのかい」
「うん そうだよ」
とうなずくと、こんな答えが返ってくる。
「ところがだまされてるんだ あの天は実は黒いボール紙で 
 そこに月や星形のブリキが貼付けてあるだけさ」

8月は是非摩耶山で、あるいは原田の森で、足穂が愛した神戸の月と星が織りなす
一千一秒物語を楽しんでいただきたい。

上野踏切道

「ぼく」が月につかまった(かもしれない)踏切

[摩耶山で月と星を楽しむイベント]
※詳細は各リンク先イベント情報で

2009年8月7日(金)
摩耶山笹おい七夕まつり+ショートムービー紙芝居型上映会

摩耶山七夕笹おいまつり ホシアゲル 

2009年8月8日(土)
四万六千日大祭(ここのかび)

四万六千日大祭 

2009年8月28日・29日
摩耶山オープンテラス ステラ451

ステラ451 


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