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2007年6月30日(土曜日)

震災前・灘の夏・灘の庭

カテゴリー: - library @ 15時00分00秒


『夏の庭~The Friends~(VHS)』

1994年。
震災の一年前、神戸、灘。
映画「夏の庭〜The Friends〜」は、震災前のおだやかな神戸を舞台に
三人の少年と三國連太郎演じる「おじいさん」との一夏の交流を描いた、
故相米慎二監督作品。

「あああ〜っ』
冒頭のシーンで思わず大声をあげてしまった。
神戸某所にある「バケモノ屋敷」に忍び込んだ主人公の子供たちの
中でひときわ騒々しい「メガネ」の住むマンションが
神戸市灘区大和町3丁目に今でもある野村ステイツ六甲道。
私事で申し訳ないが、奇しくも震災後一時私が住んでいた
マンションだったのだ。
このマンションは震災で西棟が道路側に大きく傾き甚大な被害を
受けた。しかし映画の中の野村ステイツの中庭は限りなくおだやかだ。
メガネの家は灘区だが、学校は魚崎小学校。帰り道は住吉川、
放課後のサッカーは新港埠頭付近のグラウンド。
住吉川の上流はなぜか六甲川。
「おじいさんの家」は三菱重工の社宅敷地内にあるボロ屋だが
少し歩けば、なぜか桜のトンネルで、駆け下りればそこはトアロード。
知ってる風景が唐突につながっていく感じ。
まるで、子供の頃に見た変な夢みたいな場面展開が続く。

そして映画の中の神戸は、やはりおだやだった。
暑い夏でも時折涼しい風が吹き、
神社やお屋敷の大きな木が街に木陰をつくっている。
そしてクマゼミだけでなく、ミンミンゼミもツクツクボウシも
ヒグラシもいる。
穏やかな震災前の「灘の夏」。

この映画には、もう一つ灘区が深く関わっている。
台風がやってくるシーン。
激しい風雨の中でクリアな映像をとるために、カメラの前に
巨大な扇風機を設置し、ワイパーさながら雨を吹き飛ばして
撮影した。このシーンは桜口にあった「ナンコー電機」が撮影
技術協力にあたった。
台風の迫力をスポイルせずにクリアな映像がとれるように
何回もこの「特別な扇風機」の試作を行ったという。
灘区はモノづくりの街でもあったのだ。
ナンコー電機のあった六甲道はすっかり変わってしまった。
社長のKさんが住んでいた家の近くにあったお旅所はイタリア
広場に飲み込まれてしまった。
「お旅所は桜口の子どもらの庭やったんやけどなあ」
Kさんはさびしそうに言った。
無機的な人工物が鎮座ましますイタリア広場は、桜口のお旅所の
ようないきいきとした「灘の庭」になるのだろうか。

震災前の灘の夏と灘の庭。
ふと思い出させてくれる映画だった。
今年の夏休みに是非親子で見てほしい作品。

夏の庭~The Friends~文庫本


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