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2008年3月5日(水曜日)

ブレンダー

カテゴリー: - MJ @ 12時40分00秒

ウイスキーのブレンダーに話を聞く機会が最近あった。
備え持った繊細な味覚と嗅覚を、さらに鋭敏に研ぎ澄ませ、
琥珀色のマジックを生み出す、「選ばれし職人」たちである。
そのうちの1人が、偶然にも灘にゆかりがあった。
20年以上前、灘区内の高校に通っていて、
部活帰りに「赤玉スポーツ」に寄り、タコ焼きの「タナカ」で小腹を満たす水道筋散歩が日課だったのだという。
これまた偶然、携帯にこの写真が入っていたのでお見せしたら
「あーっ!ここや、ここ!」と非常なるテンションで応じてくれた。
大阪と京都の府境にいて、まさか「赤玉スポーツ」で盛り上がるとは思わなかった。
 
しかし、考えてみれば面白い。
樽に眠らせた複数の原酒を、単に混ぜるのではなく、「響き合わせる」ことを旨とするブレンダーが
水道筋で育ったというのは、とても暗示的だ。
なるほど、水道筋にはいわゆる「下町」の風情はあると思う。
しかし、言葉の意味通りの「地理的に低い所」にできた街ではなくて、
「高い所」と「低い所」の中間の、絶妙な位置を東西に貫いているのだ。
「阪急、JR、阪神の沿線三層構造」などと、とかく類型化(戯画化?)して語られがちな神戸・阪神間だが、
水道筋の場合、そういう単位相で固まっているわけではなく、
「高い所」と「低い所」が出会い、ほどよくブレンドされている。
山手でも浜手でもない、「中の手」というnaddist氏の造語は、まさに本質を言い当てているのだ。

そこには、海と夜景を見下ろして暮らす山手核家族も買い物に来れば、
潮を含んだ風に吹かれてモノづくりに精出す男たちが束の間の休息に訪れもする。
ブレンダー氏がそうだったように、学校帰りにぶらぶらと徘徊する学生もいれば、
カートをひいて晩御飯の買い物に市場を巡るおばあさんもいる。
鼻持ちならない「セレブ」志向とか、ベタベタ過ぎて時に疲れる下町的同胞意識とか、
そんな記号的な一つの色に塗り潰されるような街ではない。
異なる位相が出会う場所。そのバランスの妙。
これはまるで、
そのままでは単調で、クセが強過ぎて飲めない原酒を慎重に混ぜ合わせ、
華やかさもコクもある琥珀色の液体を作り出すウイスキーのブレンドそのものじゃないか。
そうした街の「あり方」が醸す空気が、俺には心地よいのだと思う、たぶん。
音楽に喩えるなら、
ソウルもジャズもファンクもブルースもロックもAORも、何でもこなす凄腕スタジオミュージシャンが結集し、
しなやかに洗練された、それでいてルーツを忘れない、絶妙のグルーヴを紡ぎ出した70’sの名バンド、
スタッフのようである。彼らの創ったサウンドの心地よさ、カッコ良さは尋常ではない。
……などと独りごちながら、ハイボール片手に、「Foots」のイントロに身体を揺らす。
そんなここ数日の宵の口である。

●今日の灘ノオト:Foots / Stuff

  冒頭の単純なギターリフが、ツインギター、ツインドラムなどによって恐ろしくファンキーに、華やかに
  展開していく。いまや伝説となってしまったスタッフ・サウンドの幕開けを告げた至極のグルーヴ名曲。


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