ちょっと仕事を抱えていたせいで、10月後半にあった水道筋ライヴは
な也のEASYさんも、ハンドレッドタイムスのブギウギボーイズも残念ながら見逃してしまったのだが、
ようやく少し落ち着き、一昨日はな也に、僕の最初の師匠であるところのソウルシンガー、
ファンキー松田を観に行った。
先月リリースしたアルバム「smile」のオビでブラザートム(バブルガム・ブラザーズ)に
「性格は嫌い。だけど、声が好き!悔しいけど、声が好き」と言わしめた男。
以前から要所で多用していたファルセット遣いに磨きがかかり、
まるごと1曲ファルセットで押し通すカーティス・メイフィールドばりのオリジナルもあり。
「I Just Wanna Stop」「Don’t Let Me Be Lonely Tonight」といった僕も大好きな70’sの名曲もあり。
「ライヴ活動20周年」とのことで、その最初期から見ている者としては思うところも色々あるのだけれど、
相も変らぬ歌バカぶり、そして、エンターテイナーぶりは「さすが」のひと言である。
で、きょうは先日お知らせしたサイバーミュージックアワードへ。
アメリカ村という日頃まったく用事のない街の、普段は縁も関心もないイベントだが、
水道筋印(と勝手に名付けているのだが)の2組が出るとなれば話は違う。
ごった返す人ごみをかき分け、黒い頭の揺れる間から見届けたステージで、
彼らは見事に輝いていた。陳腐な言い方だが、ほんとに熱い光を放っているような……。
ジェイムスの清水アツシ君は、堂々と自分のスタイルを、ヤングブルースマンを演じ切った。
ストレートな歌が真ん中にドン!とあり、それがギュッとバンドを束ねる会心の演奏だった。
K-106のイッペイ君は「ファンキーなビートとロックな魂で沸かせます」という公約を見事に果たした。いや……。
身内の応援に来たのだろうオッサンにまで、たどたどしいステップを踏ませる圧巻のステージは公約以上だった。
彼らの演奏を見てすっかり満足した僕は、
「おお、よかったよかった。どっちも優勝や優勝」と独りごち、結果も待たずに帰ってきたのだが、
後で聞くと、グランプリにK-106、審査員特別賞にジェイムスという素晴らしい結果になったそうだ。
いやはや、すごいぞ水道筋印。おめでとう。
終了後に彼らとやり取りしたメールによると、きょうの本選出場をきっかけに、
K-106とジェイムスでライヴをやる話も浮上しているというから、これは灘的に見逃せない。
で、灘的に見逃せないといえば、水道筋ミュージックストリートである。
あと6日。
街でも酒場でも「いよいよですね」と話題に上ることが多くなった。
明日は、自分の出演ユニットのリハーサルがある。
かつての師匠と身近な若者2人。
それぞれが持ち味を存分に出し切った演奏から受けた刺激を、自分も素直に出していきたいと思う。
ねじ巻いていきましょう。
●今日の灘ノオト:I Just Wanna Stop / Chris Minh Doky featuring Lalah Hathaway
アコースティック・ベーシストのソロ作品に収められた、ダニーの娘、レイラの美しき名唄。
孤島に打ち寄せる波のように静謐で、凛とした音景色。原曲はジノ・ヴァネリのAORヒット。