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2007年1月24日(水曜日)

弦と刀、或いは杉玉の誘惑

カテゴリー: - MJ @ 08時36分43秒

杉玉が俺を誘う。
軒先に吊られてまだ2年あまりなのに、もうずっと前からそこにあったような顔で。
JR六甲道駅北の高架沿い。界隈の立ち飲み激戦に火をつけた格好の「刀屋」である。
日本酒を中心に、焼酎も泡盛も灘区内屈指の品揃えを誇る本格酒場だが、
得意げに講釈やうんちくを垂れるような店ではない。
大将はあくまで寡黙に、実直に酒を注ぐ。問われたことには答え、短い会話で客の好みを的確に把握する。
職人なのだ。屋号どおり切れ味のよい。だから俺の酒はたいてい大将まかせ。それで充分心地よく酔える。
音楽も、である。
この店、本格立ち飲みの風情にして、「ギター酒場」の顔も持つ。
BGMはほぼすべてギターをフィーチュアしたサウンド。ジャズもブルースもロックも。
 
あるときは、マヌーシュ・スウィングを確立した伝説の男ジャンゴ・ラインハルト。
あるときは、円熟の域に入ったキレ芸ブルースマン、バディ・ガイ。
あるときは、盲目の超絶技巧ギタリストにしてソウルシンガーのラウル・ミドン。
あるときは、日本のロックギタリスト史に燦然と輝くチャー。
6本の弦が縦横無尽に奏でる響きをアテに飲む。
「いまのフレーズがタマらん」といっては飲み、「このオブリガードがサイコー」といってまた飲む。
いや。口に出すわけじゃない。心で感じる。
酒も音も、ほんとうは言葉などいらない。言葉を費やしても、どうせ語れることはしれている。
「旨いな」「ええな」。それだけでいい。

ギターを愛でる心と銘酒を愛でる心は通じている気がする。名刀をそこに加えてもいい。
屋号のほんとうの由来は、80年代に愛されたスズキのバイク「カタナ」からだそうだが、
そこにも共通するものがたしかにある。
名はなくとも誇り高き職人へのリスペクト。
「オレがオレが」のカリスマ・ギタリストがいたとしても、鮮やかな円月殺法の使い手がいたとしても、
それを支えるのは常に職人の仕事である。
職人は声高に語らない。職人は淡々と自分の仕事をこなす。職人は結果だけで勝負する。
その心地よさを味わいたくて、またふらりと杉玉に誘われてみる。

●今日の灘ノオト: Brother,Brother / David T. Walker

  参加アルバムは数千枚とも。「職人」を究めて唯一無二の存在となった美しき例が
  この人。先月復刻された70年代の傑作からキャロル・キングのインスト・カバーを。


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